生成系AI(ChatGPT等)の利用について
(2023.5.23) 本学の教育活動における生成系AI(ChatGPT等)の利用方針
理事・副学長(教育・平和担当) 鈴木 由美子
1.基本方針
大学での学びは、自らで課題を発見し、自分自身で解決策を考え、そして行動することが基本であり、学生が授業においてChatGPT等の生成系AIをレポート等の課題作成に利用する場合には、このことを念頭に置く必要がある。さらに、教員を含む利用者は、生成系AIの仕組みやメリット・デメリット、情報リテラシーを理解した上で、様々な場面で活用する能力を身につけるとともに、急激に進化するAI技術の知識や求められる能力を、絶えず向上させることを基本方針とする。
2.情報リテラシー教育の重要性
本学では、教養教育において情報・データサイエンス科目を必修にしており、学生全員が情報リテラシーの基礎を学修するが、時節に対応して必要とされるリテラシーも刻々と変化するため、生成系AIの活用における個々の意識や知識を自ら常にアップデートすることが求められる。また、教員もAIの最新技術や動向について、学内外の研修やセミナー等により情報を収集し、学生の個人情報保護や倫理的な問題を踏まえつつ、常に教育方法・内容の見直しと改善を図ることが重要である。
3.教育活動における生成系AIの利用について
授業担当教員や指導教員は、以下の点に留意して授業等を実施する。
1) 授業内やレポート等の課題作成における利用の可否について適切に判断し、シラバスやガイダンス等で学生へ説明する。
2) 利用を可とする場合は、学生に対して、生成系AIの出力結果をそのまま利用することが著作権侵害や剽窃にあたる可能性があること、個人情報や機密情報の漏洩につながること、出力結果が誤っている可能性があるなどの留意点を十分に伝え、細心の注意を払って利用するよう指導する。
3) 学生がレポート等の課題で利用する場合は、どのような場面で生成系AIを利用したか、あるいは出力結果の引用箇所を明示した上で自分の意見を述べさせるなど、利用したことが分かるものにするよう指導する。また、レポート等の要旨を手書きで作成させる等の工夫を施す。
4) 必要に応じて授業の方法や内容、課題、評価基準等を見直し、より効果的な授業実施に努めるとともに、適切に成績評価を行う。
4.FDの継続的実施と教育の質の向上
上記のとおり、生成系AIの利用において、教員は最新情報やメリット・デメリットを正しく理解した上で学生へ指導することが重要であるため、生成系AIに関する情報リテラシーを身につけることを目的としたFDを実施する。また、FDは継続的に企画・実施し、授業を実施する上での意識付け、具体的な実践方法などを繰り返し提供することで、本学の教育活動全体の質の向上に努める。