Global Peace Leadership Program-先輩からのメッセージ6-
小林 奏さん(文学部・2020年度入学)
留学先:アムステルダム大学(オランダ)
留学期間:2022年8月から2023年7月まで
高校の英語科教員になりたくて広島大学に入学したこともあり、入学当初から、
大学生活では長期留学を経験したいという思いが強くありました。
しかしながら、入学年度はコロナ禍だったことから、そのようなチャンスを得ることは難しく、一気に絶望したのを覚えています。そんな中、入学時にもらった書類の中にGPLPのパンフレットを見つけました。当時は、自分が在学中に海外渡航できる日が来るかどうかも分かりませんでしたが、希望を叶えるために出来ることはしておこうと思い、迷わずGPLPに応募しました。
専門科目と教職課程に加えて、GPLPの単位も履修するのは大変でしたが、このプログラムのお陰で、印象深い授業に出会うことも出来ました。例えば、2021年度8月に履修した「INUセミナー」では、平和記念公園に出向いて被爆者の講話を聴いたり、世界各国の大学生と時差の中でオンライン会議を何度も行ったりと、日本にいながら、貴重な経験をすることが出来ました。
この授業での体験も一つの励みとなり、その年の夏休みが終わる頃、HUSAの募集要項を見つけると、すぐにIELTSの受験やパスポートの更新等の具体的な留学準備に取り掛かり始めました。この際、GPLPの職員の皆様には、情報収集やスケジュール管理の面で多くご支援頂き、感謝しております。そして、状況にも恵まれて、3年次後期から4年次前期にかけて、一年間の交換留学を実現することが出来ました。
留学先の授業は、講義中でも質疑応答が飛び交い、教室全体でのディスカッションに発展していくようなものばかりでした。そのような刺激的な環境に置かれて、自分はというと、英語力と専門
知識の両面で力不足を痛感し、不甲斐ない思いをする場面も多々ありました。それまでの自分は、表面的な英語力を磨くことばかりに囚われていたのですが、留学生活を通して、実践的場面において「自分の意見を持ち、人に分かりやすく伝える」ということが出来なければ、何の意味もないという当然の事を知りました。そして、使用言語を問わず、発言内容の質を向上させるためには、確かな知識を基盤とした論理的思考力を磨く必要があるという事を実感させられました。
留学は、自己理解を深める良い機会だと思います。苦い経験をすることで、それを補うための次の目標を見つけることが出来るかもしれません。また、快適な環境から抜け出すことで初めて、「妥協できること/妥協できないこと」といった自身の価値観を新たに発見出来るかもしれません。
渡航前の留学目的に関わらず、行ってみた先で、予期せぬ所に自分を知るヒントが転がっていることでしょう。そういう意味で、留学があなたにとってどのような意味を成すのかは、行ってみなければ分からないのです。それならまずは、失敗を恐れず、希望を持ってチャレンジしてみれば良いのではないでしょうか。皆さんの大学生活が、有意義な学びの期間となるよう、陰ながら応援しています。

