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年度 2024年度 開講部局 先進理工系科学研究科博士課程前期先進理工系科学専攻スマートイノベーションプログラム
講義コード WSS20201 科目区分 専門的教育科目
授業科目名 イノベーション論
授業科目名
(フリガナ)
イノベーションロン
英文授業科目名 Management of Innovation
担当教員名 林 隆一
担当教員名
(フリガナ)
ハヤシ リュウイチ
開講キャンパス 東広島 開設期 1年次生   後期   セメスター(後期)
曜日・時限・講義室 (後) 集中
授業の方法 講義 授業の方法
【詳細情報】
 
講義中心 
単位 2.0 週時間   使用言語 J : 日本語
学習の段階 5 : 大学院基礎的レベル
学問分野(分野) 25 : 理工学
学問分野(分科) 10 : 総合工学
対象学生 博士課程前期学生
授業のキーワード イノベーション,企業経営,新事業創出,グローバリゼーション,技術開発戦略 
教職専門科目   教科専門科目  
プログラムの中での
この授業科目の位置づけ
(学部生対象科目のみ)
 
到達度評価
の評価項目
(学部生対象科目のみ)
 
授業の目標・概要等 本講義ではイノベーションの概念を社会、経済、企業経営、技術開発などの観点から理解し、実際の事業戦略策定と実践に応用する知識を得る。イノベーションの創出や展開、オープンイノベーションやイノベーターのジレンマなどについては基礎的な考え方を講義で議論したのち、実際の例を自ら調査し討議をすることによってビジネスに応用できるような深い理解を獲得する。最後には日本の産業、企業として強みを生かしたイノベーションを創出するという問題意識をもって議論を深める。
15回の授業を5回に集約した集中講義形式で開催する。毎回、講義と前回内容に関する履修者の発表時間をとる。質疑応答やディスカッションの時間が半分以上を占めるアクティブラーニングを主体とした講義となる。後半の数回については企業をリードする経営者の方々の招聘講演を含め、実社会においてイノベーションがどのように創出され社会に貢献しているかを考える。
なお、本授業は、林隆一デジタルモノづくり教育研究センター長(特任教授)が担当する。

[達成目標]
1.イノベーションの創出と展開について2-3の実例をもって説明できるようになる。
2.オープンイノベーションやイノベーターのジレンマの概念を実例をもって理解し、イノベーションの企業戦略の一端を提案できるようになる。
3.日本企業として、あるいは日本としてイノベーションを推進するにあたり何が重要であるかを理解して提案できるようになる。 
授業計画 第1回: イノベーション論概要説明(ガイダンス):イノベーション論の講義の目標、全体のデザイン、活動内容、評価方法について理解する。参加者の期待をもとに各自の達成目標を作成する。
第2回:イノベーションとは何か(講義):シュンペンターより始まるイノベーションの考え方を歴史的な背景を含めて概観する。
第3回:イノベーションの性質(講義):イノベーションの創出と展開に関して普及論(Diffusion of Innovation by Everett Rogers)を参考に先駆的なイノベーションの理論と分析方法を学び、イノベーションの性質について考える。標準化への流れをドミナントデザインの考え方と共に理解しイノベーションのライフサイクルについて考える。

第4回:イノベーションとは何か(発表とディスカッション):イノベーションと考えられる現象例を各履修者が発表する。発表にはイノベーションに共通の特徴、企業、社会、技術との関連性、イノベーションの普及や標準化への流れを盛り込み、各発表後にディスカッションの時間をとる。
第5回:第4回内容を展開
第6回:イノベーションと産業(講義):イノベーションは新たな産業を創出したり、既存の産業を駆逐して新しい産業に転換するとともに社会にも大きな影響を与えてきた。産業革命から現代に至る技術史の中からイノベーションと産業との関わり合いを議論する。
第7回:イノベーションと産業(発表とディスカッション):各履修者が国内外のイノベーションが新たな産業を創出したり駆逐した例について調査した内容を発表する。お互いの調査結果の議論からイノベーションと産業の創出、展開が密接に関係していることを学ぶ。
第8回:イノベーションと企業戦略1(講義):企業が進めるイノベーションが20世紀から21世紀にかけて変化してきたことを実例をもって学ぶ。持続的なイノベーションと破壊的イノベーションによる新たな競争相手の出現、イノベーターのジレンマについてThe Innovator's Dilemma by Christensenを参考に理解する。
第9回:イノベーションと企業戦略
第10回:イノベーションと企業戦略(ディスカッション):前回の講義と招聘講師による講演の内容を参考に、持続的なイノベーションと破壊的なイノベーションについて実例を調査し各自が発表する。お互いの発表と質疑応答を通して企業としてイノベーション戦略をどのように考えるのかを議論する。
第11回:イノベーションと企業戦略
第12回:イノベーションと企業戦略2(講義):イノベーションが生まれてくる環境について重要な要素を考える。Henry Chesbroughの提唱したOpen Innovationの重要点と時代背景を理解し、アントレプレナー活動とそれをサポートするイノベーションエコシステム構築の重要性について理解し、企業活動の中にそれらがどのように取り込まれているかを議論する。
第13回:イノベーションと企業戦略2(発表とディスカッション):前回の講義と招聘講師による講演の内容を参考に、イノベーションが生まれてくる環境やリードする人物の生い立ちや考え方を調査し、企業活動とどのような関係が影響を与えたのかなどを各自調査して発表する。議論を通じてイノベーション環境と人材育成の重要点を理解する。
第14回:イノベーション創出の場と人材
第15回:イノベーション創出の課題 (ディスカッション):講義で学んだ知識と討議内容をもとに日本企業としてイノベーションをどのように実現していくかについてディスカッションし、サマリーとしてまとめる。

各回3コマずつで土曜日の午後に計5回実施する予定です。 
教科書・参考書等 参考書
Diffusion of Innovations 5th edition, Everett M.Rogers, 邦訳:イノベーションの普及、三藤利雄訳、2007、翔泳社
Drucker on Marketing, William A.Cohen, 邦訳:マーケターの罪と罰、松浦由紀子訳、2013、日経BPマーケティング
The Innovator's Dilemma, C. Christensen, Harvard Business School Press 1997, 邦訳:イノベーションのジレンマ、玉田俊平太、翔泳社
Open Innovation, H. Chesborough 2003, 邦訳:オープンイノベーション 大前恵一郎訳、2004、産業能率大学出版会 
授業で使用する
メディア・機器等
 
【詳細情報】 毎回の講義資料は当日パワーポイントファイル等で配布する。受講時には自分の課題について調べるために自分のPC,スマートフォンを持参したほうがよい。開催は対面式を前提とするが、一部Webにて配信する場合もある。
第2回以降は各自が調べた内容を短時間で発表することが求められるため、発表の準備をして参加すること。
毎回の授業のなかで質疑応答やグループディスカッションの時間を多くとるアクティブラーニングの手法を用いるため、自分の意見を出して参加することが求められる。参加姿勢は評価の対象になる。 
授業で取り入れる
学習手法
 
予習・復習への
アドバイス
身の回りの製品などにかかわるイノベーションについてそれがどのように発生しどのように世界に広がっていったのかを考えておく。参考書のいくつかの概説を読んだり理解しておく。興味があるイノベーションについては授業中に各自調べていくので、候補となる分野をいくつか考えておくとよい。 
履修上の注意
受講条件等
集中講義形式で行う。休憩や作業の時間を適宜とって一方的に講義を聴くだけの時間とはしない。1回分を欠席すると成績に与える影響が大きい。全回参加できるように計画すること。 
成績評価の基準等 準備した発表用チャート内容や質疑応答の内容:50%、講義中の質疑応答への参加姿勢、積極性、発表の工夫等コミュニケーションスキル:50% 
実務経験  
実務経験の概要と
それに基づく授業内容
 
メッセージ 質問・相談は、授業時間前後またはメールにて対応する。面談が必要な場合はメールにて時間を設定する。 
その他   
すべての授業科目において,授業改善アンケートを実施していますので,回答に協力してください。
回答に対しては教員からコメントを入力しており,今後の改善につなげていきます。 
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