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年度 2024年度 開講部局 先進理工系科学研究科博士課程前期先進理工系科学専攻物理学プログラム
講義コード WSB17000 科目区分 専門的教育科目
授業科目名 放射光科学院生実験
授業科目名
(フリガナ)
ホウシャコウカガクインセイジッケン
英文授業科目名 Laboratory in Synchrotron Radiation Science
担当教員名 黒岩 芳弘,横谷 尚睦,中島 伸夫,宮本 幸治,松尾 光一,佐藤 仁,島田 賢也,和田 真一,澤田 正博,加藤 政博
担当教員名
(フリガナ)
クロイワ ヨシヒロ,ヨコヤ タカヨシ,ナカジマ ノブオ,ミヤモト コウジ,マツオ コウイチ,サトウ ヒトシ,シマダ ケンヤ,ワダ シンイチ,サワダ マサヒロ,カトウ マサヒロ
開講キャンパス 東広島 開設期 1年次生   後期   3ターム
曜日・時限・講義室 (3T) 集中
授業の方法 実験 授業の方法
【詳細情報】
 
実験演習、ディスカッション、学生の発表、作業、薬品使用 
単位 1.0 週時間   使用言語 B : 日本語・英語
学習の段階 6 : 大学院専門的レベル
学問分野(分野) 25 : 理工学
学問分野(分科) 06 : 物理学
対象学生 博士課程前期学生
授業のキーワード 放射光、実験 
教職専門科目   教科専門科目  
プログラムの中での
この授業科目の位置づけ
(学部生対象科目のみ)
 
到達度評価
の評価項目
(学部生対象科目のみ)
 
授業の目標・概要等 授業のテーマ及び到達目標:
 シンクロトロン放射光を用いた物性研究に対する理解を深めるために、放射光科学に関する実験実習に取り組む。受講者は実験実習を通して、放射光科学の広い研究分野を見渡すことができようになると期待している。物質構造と機能の関係について的確に情報を読み解きそれらを活用するために必要な能力をもった研究者および技術者を育成するためのコースワークとして機能することを到達目標とする。受講者は、放射光施設での実験実習を通して実験技術や解析手法を習得する。

授業の概要:
 授業では、シンクロトロン放射光を用いた実験実習を,広島大学放射光科学研究センター(HiSOR)の各ビームラインに設置されている実験装置を用いて連続した4日間(30時間)の集中講義として行う。実験実習の始まる前にクラス分けを行い、各テーマの担当者の指導により各ビームラインで実習を行い、実験結果をレポートにまとめる。現在、放射光を用いた研究を行っているものに対しては、今まで行ったことのない実験テーマを選択することを推奨する。 
授業計画 放射光科学の基礎や実験演習に関する講義を受講した後に,広島大学放射光科学研究センター(HiSOR)の実験ホールまたは実験準備室に設置されている実験装置を用いて実験演習を集中的に行う.
講義と実験演習の合計4日間(実質3日間),30時間の受講により1単位とする.

● 第1日(午後):講義; 実験に先立ち,受講者は,放射光の発生原理や加速器の運転,基本的な放射光を用いた物性研究や実験演習に関わる共通講義を受講する.

● 第2日,第3日:実験演習; 各実験テーマに分かれて,実験の説明を受けながら各テーマに取り組む.実験演習時間を長時間要するものについては,1日目の講義終了後に直ちに開始する.

● 第4日(午前):レポート作成; 実験演習の内容,結果と考察などをレポートにまとめる.

実験演習テーマ;(予定)
○ 表面光電子分光(PES)
 BL-5において、Si表面の清浄化前後の状態変化を内殻光電子分光、軟X線吸収分光、低速電子線回折により観測する。放射光を使った表面研究の初歩を学ぶ。
○ 角度分解光電子分光(ARPES)
 BL-7 の光電子分光装置を用いて単結晶試料の角度分解光電子分光実験を行い,価電子帯のエネルギー分散を調べる.
○ 加速器ビーム診断(ACC)
 BL-8を用いてビームプロファイルやバンチ長の測定をして,HiSORのビーム診断を行うとともに,加速器におけるビームダイナミクスについての理解を深める.
○ 真空紫外円二色性(VUVCD)
  BL-12を用いてタンパク質の真空紫外円二色性スペクトルを測定し,そのスペクトル解析からタンパク質構造の組成について議論する.また,タンパク質の調製方法も学ぶ.
○ 吸収分光(XAS)
 BL-13を用いて自己組織化有機単分子膜の内殻吸収スペクトルを測定し,その偏光依存特性から単分子膜の配向性を調べる.あわせて単分子膜作成方法も習得する.
○ 磁気円二色性(MCD)
 BL-14を用いてニッケルなど磁性金属の吸収スペクトルを測定し,磁気円二色性から電子状態について議論する.

いずれか一つのテーマについて実験演習を行う.
実験装置の状況によりテーマは変更される場合がある.
各実験テーマに関するレポート課題を課す.レポートは授業の最終日に提出する. 
教科書・参考書等 テキストとして,独自に編集した実験演習テキスト・実験マニュアルを配布する.テキストの中で参考文献などを紹介する. 
授業で使用する
メディア・機器等
 
【詳細情報】 テキスト,コンピューター,実験機器,化学薬品
データ解析のため,ノート型のパーソナルコンピュータを持参して実習に参加すること. 
授業で取り入れる
学習手法
 
予習・復習への
アドバイス
課題が課せられた場合は,その日のうちに問題解決すること. 
履修上の注意
受講条件等
HiSORが全国共同利用実験に供されていない時期に集中的に行う.令和5年度は,開講を第3タームとし,11月12日(火)午後から11月15日(金)午前に開講する予定である.開講時期は変更される場合があるので,授業開始の案内に十分注意すること.
実験参加には予め放射線業務従事者として登録管理の必要がある.
4日間の連続した実習期間が他の授業やTAと重なる場合は,いずれかで配慮できるので,初日に都合の悪い時間帯を申し出ること。HiSORでの実験に興味がある学生は、この実習授業に参加することを歓迎します.
 
成績評価の基準等 定められた期間内にレポート提出を課す.そのレポートの内容(40%)と受講態度や実習に取り組む姿勢などの平常点(60%)を総合的に判断して成績評価する. 
実務経験  
実務経験の概要と
それに基づく授業内容
 
メッセージ 放射光実験と一言に言っても,様々な計測手法があります.この機会に日常とは異なる計測手法による物性研究をHiSORで学んでください. 
その他 http://www.hsrc.hiroshima-u.ac.jp/

 
すべての授業科目において,授業改善アンケートを実施していますので,回答に協力してください。
回答に対しては教員からコメントを入力しており,今後の改善につなげていきます。 
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