年度 |
2024年度 |
開講部局 |
教養教育 |
講義コード |
51010001 |
科目区分 |
領域科目 |
授業科目名 |
アジアの社会史[旧パッケージ] |
授業科目名 (フリガナ) |
アジアノシャカイシ |
英文授業科目名 |
History of Asian Society |
担当教員名 |
丸田 孝志 |
担当教員名 (フリガナ) |
マルタ タカシ |
開講キャンパス |
東広島 |
開設期 |
1年次生 前期 1ターム |
曜日・時限・講義室 |
(1T) 月1-4:総K209 |
授業の方法 |
講義 |
授業の方法 【詳細情報】 |
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講義中心,感染状況によっては、対面+オンラインのハイブリット授業などを試みる。 |
単位 |
2.0 |
週時間 |
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使用言語 |
J
:
日本語 |
学習の段階 |
1
:
入門レベル
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学問分野(分野) |
23
:
人文学 |
学問分野(分科) |
07
:
史学 |
対象学生 |
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授業のキーワード |
社会 心性 伝統と近代 創られた伝統 象徴 国民国家 |
教職専門科目 |
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教科専門科目 |
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教養教育での この授業の位置づけ | 領域科目(人文社会科学系科目群) 分類:人類学・地理学・歴史学 【※この授業は,2018年度以降入学生が履修し,単位を修得した場合は「領域科目」となりますが,2017年度以前入学生の場合は「パッケージ別科目」となります。2017年度以前入学生は,「領域科目」としては履修できませんのでご注意ください。】 |
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学習の成果 | 1.各学問領域について,その形成過程と発展過程及び現代的な課題について説明できる。 2.複数の学問領域にまたがる歴史的,現代的課題について,多角的な視点から説明できる。 |
授業の目標・概要等 |
19世紀後半から20世紀初めは、帝国主義の非欧米世界への侵略と進化論の出現を背景に、優勝劣敗・適者生存を唱える社会進化論が隆盛した時代であり、非欧米諸国は存亡の危機意識に強く突き動かされながら列強に範をとった近代化政策を推進した。しかし、一方で、近代の政治権力は、社会への権力の浸透を支える国民意識を創出するため、固有の文化を基礎とした新たな「伝統」を創造し、国民の儀礼を構築する必要にも迫られた。近代化と「民族復興」の課題の中で、国家・民族のアイデンティティが模索される情況を、近代中国の身体、儀礼、象徴を素材として考察する。 |
授業計画 |
第1回 導入:国民国家と文化的国民統合
第2回 近代中国の国民統合 「中国」「中国人」とは?
第3回 近代中国における身体(1) 弁髪と断髪
第4回 近代中国における身体(2) 纏足
第5回 近代中国における身体(3) 民国の礼服
第6回 近代中国における身体(4) 中山服と国民の身体
第7回 近代中国における身体(5) 旗袍
第8回 近代中国における身体(6) 民族衣装
第9回 近代中国における身体(7) 傷痍軍人と戦争遺族 人民に奉仕する身体
第10回 近代中国の象徴(1) 清朝・革命派・北京政府の国旗
第11回 近代中国の象徴(2) 国民政府の象徴
第12回 近代中国の象徴(3) 満州国の象徴
第13回 近代中国の象徴(4) 華北傀儡政権の象徴
第14回 近代中国の象徴(5) 中共政権の象徴 毛沢東像と民俗利用 第15回 近代日本の身体・象徴 出陣学徒壮行会と東京オリンピック まとめ
小テスト・試験
感染状況を考慮して、適宜小テストを併用する。 |
教科書・参考書等 |
参考書 吉澤誠一郎『愛国主義の創成 ナショナリズムから近代中国をみる』(岩波書店,2003年),坂本ひろ子『中国民族主義の神話 人種・身体・ジェンダー』(岩波書店,2004年)、小野寺史郎『国旗・国歌・国慶 ナショナリズムとシンボルの中国近代史』(東京大学出版会,2011年)、丸田孝志『革命の儀礼 中国共産党根拠地の政治動員の民俗』(汲古書院,2013年)など。その他講義中に適宜紹介する。 |
授業で使用する メディア・機器等 |
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【詳細情報】 |
配付資料,映像(ビデオ/PC/その他画像資料) 使用する視聴覚教材の種類:ビデオ・DVD・接写カメラ ビデオ・DVD使用の場合:2本×3分 ビデオ・DVDの文字情報:日本語字幕もしくは中国語字幕 |
授業で取り入れる 学習手法 |
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予習・復習への アドバイス |
第1回 近代国家が国民意識を創出するため「伝統」を新たに創造する過程を理解する。 第2回 伝統中国の統合原理を理解し、国民国家形成の問題について考える。 第3回 男性の弁髪と女性の髷が廃絶に至るまでの眼差しを、伝統と近代の問題の中で理解する。 第4回 纏足に込められた社会的意義と廃絶を巡る議論における眼差しを理解する。 第5回 中華民国の礼服の性格を近代化の理念から理解する。 第6回 国民のスタイルとして発展する中山服の社会的意義を理解する。 第7回 旗袍の普及の過程を女性の社会的地位・役割、儀礼との関係において理解する。 第8回 民族性を表象する民族衣装の位置づけを多民族国家の国家原理において理解する。 第9回 中共政権下の傷痍軍人の位置づけを国民国家と革命の理念との関係で理解する。 第10回 清朝の国旗、革命派の国旗構想、北京政府期の儀礼と国旗の象徴する理念について理解する。 第11回 以党治国の理念を示す国民政府の象徴と国旗を使用した儀礼について理解する。 第12回 満州国の象徴の意義について、日本との関係で理解する。 第13回 華北傀儡政権の象徴の意義について、中華民国の枠組みとの関係で理解する。 第14回 毛沢東像の民間への浸透過程について、民俗・民間信仰との関係で理解する。 第15回 近代日本の身体と象徴の意義について、出陣学徒壮行会・東京オリンピックを例に考える。 |
履修上の注意 受講条件等 |
なし |
成績評価の基準等 |
平常点(30%)と試験(70%)で評価する。 |
実務経験 |
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実務経験の概要と それに基づく授業内容 |
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メッセージ |
この講義が、我々の「伝統」についても考えるきっかけとなればと思います。 |
その他 |
【受講希望者が定員を超過したときは受講者抽選を行う可能性があります。】 |
すべての授業科目において,授業改善アンケートを実施していますので,回答に協力してください。 回答に対しては教員からコメントを入力しており,今後の改善につなげていきます。 |