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年度 2024年度 開講部局 経済学部経済学科夜間主コース
講義コード G8345100 科目区分 専門教育科目
授業科目名 特別講義(地域政策論)
授業科目名
(フリガナ)
トクベツコウギ(チイキセイサクロン)
英文授業科目名 Special Lectures(Regional Policy)
担当教員名 柴田 浩喜
担当教員名
(フリガナ)
シバタ ヒロキ
開講キャンパス 東千田 開設期 2年次生   後期   セメスター(後期)
曜日・時限・講義室 (後) 木13-14:東千田M304講義室
授業の方法 講義 授業の方法
【詳細情報】
 
講義中心 
単位 2.0 週時間   使用言語 J : 日本語
学習の段階 2 : 初級レベル
学問分野(分野) 24 : 社会科学
学問分野(分科) 04 : 経営学
対象学生
授業のキーワード グルーバル・一国レベルの社会課題に対する地域アプローチ、EBPM(証拠に基づく政策立案)、施策マネジメント、少子化問題、定住問題、関係人口、地域概念 
教職専門科目   教科専門科目  
プログラムの中での
この授業科目の位置づけ
(学部生対象科目のみ)
 
到達度評価
の評価項目
(学部生対象科目のみ)
 
授業の目標・概要等 一般に「地域政策」とは地域の問題を把握し、その解決のため政策案を設計して意思決定を行い、地域主体が連携・協調しながら政策の実行を図ることと定義できる。しかしながら、その内容は近年、大きく変貌しつつある。
まず、グローバル・一国レベルの社会課題と地域が密接な関わりを持つようになった。例えば、気候変動と脱炭素、廃棄物問題とサーキュラーエコノミー、ジェンダーギャップ、少子化、雇用の安定と貧困等、様々な社会課題に対して、地域からアプローチする政策が有効という認識が強まっている。
同時に、自治体に対して政策形成主体としてのレベルアップが求められている。目の前にあるデータから地域の課題を正しく認識し、実効性のある施策をつくり出すためには、高い政策形成スキルが要求される。とりわけ、EBPM(証拠に基づく政策形成)のために、証拠の収集、複数の政策代替案の検討、評価基準の選定、結果の予測、政策の決定と実施、効果の検証という政策分析の手法を会得し、着実に実施していく能力が求められる。
また、事業レベルで施策の妥当性や合目的性を論理的に担保するため、計画段階で、少なくとも「ビジョン」「戦略」「事業」の三層の検討が必要である。こうした施策マネジメントの重要性も高い。
本講義は、主に地域の人口問題(定住問題、少子化問題、関係人口)を取り上げ、社会課題の解決における地域アプローチの有効性、そのためのEBPMや施策マネジメントについて理論と実践を学ぶ。  
授業計画 1.オリエンテーション
 授業の目的、問題意識、アプローチの方法、社会的要請、分析対象のほか、評価の方法や参考文献等について説明を行う。また、授業の全体計画・構成について概説する。
2.グローバル・一国レベルの社会課題と地域との関わり
 企業の「経営課題」、政府・国際機関等が取り組む「社会課題」、そして自治体や住民組織にとっての「地域課題」における接点と「共通価値」の創出について解説する。
3.政策分析、施策マネジメントの基礎
 将来のあるべき姿を示す「ビジョン」、ビジョンを具体的な目標と課題に落とし込む「戦略」、そして実行レベルの施策分野別の「事業」との関係について理解する。
4.我が国の少子化問題の地域の実態
 グローバル・一国レベルの社会課題の典型である「少子化」の定義、測定方法、わが国や地域の実態、問題と対応策の特性等について概説する。
5.地域の出生率の構造分析
 少子化問題の地域特性を明らかにするとともに、複合的な要因を持つ少子化問題を構造化する手法を解説する。「問題を分けて理解する」構造化が戦略形成に有効であることを説明する。
6.出生率に影響を及ぼす要因の抽出(地域産業、地域経済)
 地域の少子化に影響を及ぼす産業や経済に関わる要因を解説する。
7.出生率に影響を及ぼす要因の抽出(まちづくり)
 地域の少子化に影響を及ぼす職住近接性、交通利便性、生活利便性等、まちづくりに関わる要因を解説する。
8.出生率に影響を及ぼす要因の抽出(地域コミュニティ)
 地域の少子化に影響を及ぼす人々のつながり、コミュニティの支援等に関わる要因を解説する。
9.ファクトに基づく地域の少子化対策の形成
 統計分析を利用して、地域の様々な社会経済特性が出生率に影響を及ぼしている可能性があることを検証し、対応策を検討する。
10.地域の定住・移住の実態と「希望の構造化」
 出生率と同じ人口問題である地域の定住問題について、「人々の希望」を定量化・構造化することによって実態にアプローチする。
11.定住・移住に影響を及ぼす要因の抽出
 本来感(自分らしさ)、居心地のよさ、自己実現性等、心身の総合的な状態を表すウェルビーイングの構成要素を用い、地域との関係性の中に定住・移住の希望に影響を及ぼす要因を探索する。
12.ファクトに基づく定住対策の形成
 統計分析を用い、人々と地域との関係性の中に存在する要因や地域の社会経済特性に関わる要因を抽出し、対応策について検討する。
13.「関係人口」とは何か
 定住人口と観光による来訪者の中間に位置すると定義され、政府が地域の担い手として、その拡大・活用を進めている関係人口について解説する。
14.「関係人口」の拡大のための施策形成
 関係人口の行動要因を分析し、地域における関係人口の拡大方策について検討する。
15.まとめ(政策における「地域概念」の有効性)
 最後に、ここまでの講義の分析内容をまとめ、社会課題に対する「地域概念」の有効性について検討を行う。 
教科書・参考書等 関連文献を随時紹介する 
授業で使用する
メディア・機器等
 
【詳細情報】  
授業で取り入れる
学習手法
 
予習・復習への
アドバイス
予習は不要である。
復習として、授業で解説した内容について自分なりに、より深く考えてほしい。
各回の復習の目安を以下に示す。
第1回:特に必要なし。
第2回:グローバル・一国レベルの社会課題に対して「地域」は何ができるのか。
第3回:政策が実効的であるための条件とは何か。
第4回:我が国の少子化問題を放置すると何が起こるのか、なぜ少子化問題の解決が難しいのか。
第5回:「問題を分ける」という構造化はなぜ役に立つのか。
第6回:なぜ、地域産業・地域経済が出生率に影響を及ぼすのか。
第7回:なぜ、まちづくりが出生率に影響を及ぼすのか。
第8回:なぜ、地域コミュニティが出生率に影響を及ぼすのか。
第9回:ファクト(事実)に基づく政策形成がなぜ重要なのか、どうすればそれができるのか。
第10回:地域への定住問題と人々の希望はどのように関わっているのか。
第11回:暮らしている地域に対して自分が思う「居心地のよさ」「自分らしさ」「自己実現性」とは何か。
第12回:講義で提示された統計分析の結果を踏まえると、定住問題を解決するにはどのような政策が有効なのだろうか。
第13回:「関係人口」のコンセプトは、地域の活性化に有効だと思うか。
第14回:「関係人口」として行動する者を増やすことができるのか、どうすればよいのか。
第15回:私たちが暮らす「地域」とは何か、そこには問題を解決する何かしらの機能があるのか。
 
履修上の注意
受講条件等
特になし 
成績評価の基準等 授業における議論への参加意欲(30点)と、問題意識の深さ、視点の新規性・発展性等に基づきレポート内容(70点)を評価する。 
実務経験 有り  
実務経験の概要と
それに基づく授業内容
本講義は、地域の政策形成支援において第一線で活躍する地域シンクタンク(公益財団法人中国地域創造研究センター) の総合研究リーダー・主席研究員によって行われます。 
メッセージ この講義の最終的な目的は、社会課題の解決に対する「地域概念」の有効性です。講義内容は、自治体関係を志望する方はもちろん、地域で暮らし、地域の持続性に関心があるビジネスパースンやNPO職員の方にとっても、ファクトに基づく実態分析、課題抽出、対応策へのアプローチする手掛かりになると考えています。SDGs_8 SDGs_11 
その他   
すべての授業科目において,授業改善アンケートを実施していますので,回答に協力してください。
回答に対しては教員からコメントを入力しており,今後の改善につなげていきます。 
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