年度 |
2024年度 |
開講部局 |
教育学部 |
講義コード |
CC330904 |
科目区分 |
専門教育科目 |
授業科目名 |
日本語教育と文法 |
授業科目名 (フリガナ) |
ニホンゴキョウイクトブンポウ |
英文授業科目名 |
Pedagogical Japanese Grammar |
担当教員名 |
白川 博之 |
担当教員名 (フリガナ) |
シラカワ ヒロユキ |
開講キャンパス |
東広島 |
開設期 |
2年次生 後期 4ターム |
曜日・時限・講義室 |
(4T) 水5-8:教K203 |
授業の方法 |
講義・演習 |
授業の方法 【詳細情報】 |
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講義中心 基本的に対面による授業ですが、オンラインになる回がある可能性があります。 |
単位 |
2.0 |
週時間 |
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使用言語 |
J
:
日本語 |
学習の段階 |
2
:
初級レベル
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学問分野(分野) |
23
:
人文学 |
学問分野(分科) |
06
:
言語学 |
対象学生 |
日本語教育系コース生選択必修 |
授業のキーワード |
文法 談話 アスペクト ヴォイス モダリティ 複文 |
教職専門科目 |
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教科専門科目 |
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プログラムの中での この授業科目の位置づけ (学部生対象科目のみ) | 日本語教育に必要な「言語の構造」(特に外国人のための日本語文法)に関する基本的な認識を形成し、その研究能力を開発するための基礎的な科目である。 学習の成果は、次のとおりである。 1)知識・理解:外国人のための日本語文法に関する基本的な知識を得る。 2)知的能力・技能:日本語の文法現象に潜む規則性、学習困難点を整理し、自分 の言葉で説明できる。 3)実践的能力・技能:基本的な文法項目について、その要点を分析し、学習者に 説明することができる。 4)総合的能力・技能:日本語の文法知識と学習・教授上の問題を有機的に関連づ けることができる |
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到達度評価 の評価項目 (学部生対象科目のみ) | 日本語教育プログラム (知識・理解) ・日本語教育の現状と課題に関する基本的な理解を得る。 |
授業の目標・概要等 |
「日本語の文法」(1ターム)に引き続いて、初級後半の文法項目を題材にして、 学習者の立場に立って日本語を客観的に分析する能力を養う。内容的には、文末 表現や複文の構文が中心になる。 類義表現との違いに留意しなければならないこと、談話の中で文法を考えること の重要性を体得させる。また、日本語を母語としない人に日本語を教えようとする 場合に留意すべき点を概観する。 |
授業計画 |
第1回 ガイダンス 初級後半の文法項目にどのようなものがあるか概観し、日本語教育文法の観点か らどのような注意を要する項目であるかを考える。 キーワード:文末表現、複文、類義表現、文脈 課題1(誤用例の説明、導入の会話例の作成、教科書の例文についてのコメント などを求める。以下、同様)
第2回 アスペクト(1) 「-ている」 「開いている」「倒れている」のような「-ている」の意味を動詞の種類や 「-した」との違いに着目して分析し、学習者の理解にとって何が重要かを考え る。 キーワード:アスペクト、変化動詞、自動詞、他動詞 課題2
第3回 アスペクト(2) 「-てある」 「書いてある」「置いてある」のような「-てある」の意味・用法を「-ている」 との比較、自動詞・他動詞の区別に留意しながら考える。 キーワード:自動詞、他動詞、意図性 課題3
第4回 モダリティ(1) 意志の表現 「-しよう」という形(意向形)の意味・用法を「-する」や「-するつもりだ」 と比較しながら考える。「-ましょう」との非平行性についても考える。 キーワード:意向形、勧誘、意志、聞き手めあて 課題4
第5回 モダリティ(2) 推量の表現(1) 日本語のいわゆる「推量表現」について概観した後、「-だろう」「-かもしれ ない」の表す「推量」がどのようなものか、どのように導入すべきかを考える。 キーワード:判断、断定、認識のモダリティ 課題5
第6回 モダリティ(3) 推量の表現(2) 「ようだ(みたいだ)」「(し)そうだ」「らしい」などについて「だろう」の 表す推量と比較しながら考える。 キーワード:証拠性、様態 課題6
第7回 モダリティ(4) 「-のだ」 「説明のモダリティ」の表現である「-のだ」の意味・用法について、「-のだ」 が付かない表現との意味の違いや否定・疑問との関係に注意しながら、考える。 キーワード:説明、既定、スコープの「のだ」 課題7
第8回 ヴォイス(1) 受身 受身文の意味・機能について、受身文の種別(直接受身、間接受身、非情の受身 など)、能動文との違い、談話的な機能などに注意しながら考える。 キーワード:直接受身、間接受身、非情の受身 課題8
第9回 ヴォイス(2) 使役 「-(さ)せる」という形式の構文および意味と用法の広がりを概観した上で、 ヴォイス体系の中での使役の位置づけ(受身・他動詞との関係)を考える。 キーワード:許容の使役、他動詞と使役、意志性 課題9
第10回 ヴォイス(3) 受給表現 「-てあげる」「-てくれる」「-てもらう」の使い方について、学習者の誤用・ 非用に注意しながら考える。 キーワード:方向性、視点、人称 課題10
第11回 複文(1) テ形による接続 テ形による接続表現の多様性と構文的な特徴を概観した上で、類似表現(「-な がら/-たまま」「-ので」「-たら」など)との違いを考える。 キーワード:従属度、ナイデとナクテ、付帯状況 課題11
第12回 複文(2) 条件表現 「-と」「-ば」「-たら」「-なら」の使い分けを「-たら」「-ば」を中心に 概観し、学習者にとって難しいと言われる条件表現の学習の要点について考え る。 キーワード:仮定条件、事実条件、「裏の意味」
第13回 複文(3) 逆接表現 「-けど」「-ても」「-のに」を対象に、条件表現やテ形などと関係づけなが ら、「逆接」の多様性と使い分けおよび学習上の勘どころについて考える。 キーワード:前提、前置き、対比
第14回 まとめ(1)(試験) 誤用説明、類義表現、導入例等に関する試験を行う。
第15回 まとめ(2)(答案返却・講評)
・毎回の小テストのほか、小論文を提出してもらう。
・「アスペクト(1) 「-ている」」、および、「ヴォイス(1)受身」の回は、ティーチング・フェローの道法愛(どうほう・まな)が担当する。 |
教科書・参考書等 |
教科書:『みんなの初級日本語II 第2版 本冊』スリーエーネットワーク 参考書:白川博之(監修)・庵功雄・高梨信乃・中西久実子・山田敏弘(著)『中上級 を教える人のための日本語文法ハンドブック』スリーエーネットワーク |
授業で使用する メディア・機器等 |
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【詳細情報】 |
冊子版のハンドアウト『日本語の文法×日本語教育と文法』(私家版)を配布する(第1タームで履修した者は同じ冊子なので新たに配布はしない)。日本語教育学プログラム事務室(教育学部A棟113)において配布するので、授業初日までに各自取りに来ること。 |
授業で取り入れる 学習手法 |
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予習・復習への アドバイス |
第1回 初級前半と後半の重点の違いを理解しよう。 第2回 「~ている」が習得しにくい理由を理解。 第3回 自動詞・他動詞の使い分けの重要性を理解。 第4回 「しよう」と「しましょう」の関係に注意。 第5回 「推量」とはどういうことかを考え直そう。 第6回 「様態」が「推量」とどう結びつくか考える。 第7回 話し手と聞き手の認識状況の違いが要点。 第8回 なぜ能動文でなく受身文を使うのか考えよ。 第9回 受給表現が習得しにくい理由を理解しよう。 第10回 「強制」以外の使役の用法に気づくこと。 第11回 「条件表現」同士の違いを使用場面で理解。 第12回 学習者には「ても」が案外難しいことに注意。 第13回 テ形自体は積極的な意味がないことに注意。 |
履修上の注意 受講条件等 |
・原則として、「日本語の文法」(1ターム)の既習者に限る(留学生はその限りでない)。 ・「国語」の教員免許の単位に充当はできるが、あくまでも、国語教育ではなく日本語教育の ための基礎科目であるので、国語の免許のために履修することは遠慮してもらいたい。 ・この授業を履修していない者は、原則として、「日本語文法演習」(5セメ)の 履修を認めない。 ・留学生は、日本語能力試験N1に合格した者に限る(3+1プログラムの学生は、この条件を満たす者は担当者の承認を得ないで受講することが可能)。 |
成績評価の基準等 |
小テスト(50%) 小論文(50%) |
実務経験 |
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実務経験の概要と それに基づく授業内容 |
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メッセージ |
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その他 |
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すべての授業科目において,授業改善アンケートを実施していますので,回答に協力してください。 回答に対しては教員からコメントを入力しており,今後の改善につなげていきます。 |