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年度 2024年度 開講部局 教育学部
講義コード CC232605 科目区分 専門教育科目
授業科目名 情報教育論II
授業科目名
(フリガナ)
ジョウホウキョウイクロンII
英文授業科目名 Introduction to Computer Education II
担当教員名 長松 正康
担当教員名
(フリガナ)
ナガマツ マサヤス
開講キャンパス 東広島 開設期 3年次生   前期   1ターム
曜日・時限・講義室 (1T) 水5-8:教L310
授業の方法 講義 授業の方法
【詳細情報】
 
対面で実施し、資料の共有や提示にMoodleやTeamsを併用します。ディスカッション、学生の発表、必携PC利用 
単位 2.0 週時間   使用言語 J : 日本語
学習の段階 2 : 初級レベル
学問分野(分野) 24 : 社会科学
学問分野(分科) 08 : 教科教育学
対象学生
授業のキーワード 問題解決、コンピュテーショナル・シンキング、プログラミング 
教職専門科目   教科専門科目  
プログラムの中での
この授業科目の位置づけ
(学部生対象科目のみ)
 
到達度評価
の評価項目
(学部生対象科目のみ)
中等教育科学(技術・情報)プログラム
(能力・技能)
・情報教育の実践に関する計画・プランを構成することができる 
授業の目標・概要等 1.教科の見方、考え方としての「コンピュテーショナル・シンキング」やプログラミング的思考に関連した以下の
  事項について説明できること。
   (a)問題解決と問題分割、(b)抽象化(モデル化とシミュレーション)、(c)データ表現、(d)アルゴリズムと手順。
2.情報教育、特にプログラミングを例とした目標分析を実行できること。それを単元計画、授業計画として
  プランを構成できること。
  その際、目標と、その実現を図るプランの対応関係に関する一定の妥当性のある考察を行い説明できること。
3.生徒自身の情報処理過程に気づかせ、情報メディアを効果的に活用する能力の育成法を考察できること。 
授業計画 第1回 情報処理における見方、考え方としての「コンピュテーショナル・シンキング」
   コンピュテーショナル・シンキングを軸としたカリキュラム事例[1-6]から、学習指導要領 [7] の記述に関連性の
   ある記述を抽出する。
    (a) 類似点は何か、
    (b) 相違点はあるか、
    (c) 深い学びの実現に向けた示唆は読み取れるか、深い学び促す「深い問い」を見出すことができるか、
    (d) カリキュラム作成者のねらいや意図は読み取れるか、
    (e) 授業として組み立てる際の示唆としてどのようなことが読み取れるか。

第2回 教科の見方、考え方に根ざした深い学びの実現方法を考える
  前回の活動に加えてさらに以下の考察を行う。
  (e) 授業者として、深い学びの実現に向けた「よい質問」を持つことができたか?
    よい質問の例としては、
      i) 問題の明確化に関する質問,
      ii) 解決の方法に関する質問、
     iii) その質問に答えることで問題解決の見通しや洞察を得たり、解決のステップとなるような質問
      (見方を変えることで簡単な問題解決に帰着できる場合、要塞問題が有名)
       などがある。 
第3回 情報社会の問題解決(1) 教材研究[18]。
  情報社会の問題解決例。地域社会の活性化について、データ収集と分析を行う例。
  例えばGoogleにて、以下の各行を入力窓にコピー&ペーストして見よう。
    地方創生 site:go.jp   
    年齢別人口   site:lg.jp "あなたの関心のある地方自治体名"
  公的機関はこのようにドメイン名で情報源を指定すると効果的に情報収集ができます。
  lg.jp のエルジーは、地方自治体。
  RESASサマリーデータについては、たぶん地理でも扱うと思います。
第4回 情報社会の問題解決(2) 複数の授業プランを考える
  なぜその題材を選んだか、主体的活動のための方策、どのような力をつけるか。
  やりとりは、すべて学習支援システムMoodle上に残す形で行なう。必携PC持参のこと。
第5回 情報社会の問題解決(3) 授業を想定した教材作成
   
第6回 情報社会の問題解決(4)
    一人15分程度の模擬授業形式で進める
第7回 コミュニケーションと情報デザイン
    指導例の収集と分析

第8回 コンピュータとプログラミング(1)
    ・やってみよう。
    ・逐次実行、条件分岐、繰り返し
    ・変数等データの表現
第9回 コンピュータとプログラミング(2)
    プログラミングにおけるトラブルシューティング型問題解決
第10回 問題の明確化、図的表現による分析と設計(1)
    フローチャートとアクティビティ図
第11回 問題の明確化、図的表現による分析と設計(2)
    UMLによる表現
第12回 問題の明確化、図的表現による分析と設計(3)
    状態遷移図
    図的表現の読図、推論能力と理系の進路選択[18]
第13回 主体的、対話的で深い学びのための出発点は? 学習者の認識、思考、意欲、そして個人差モデルの重要性。
    生徒自身が問いを持てば「学びに向かう力」につながる。「感動とまでいかなくても、おもしろいと思う、
    珍しいと思う、感心する、とにかく、心が動く、いきいきと動いている、そういう状態」[14]。
    具体例としては「あれ?」「変だぞ?」「あるある。」「へぇー、それで?」「どうして?」「気になる!」
    生徒が自ら問いを発する直前の心理状態に近づけるために何ができるか? ごく最近の研究ではsalienceと
    呼ばれる概念が近い。→ 何らかの意味で際立った特徴を有し 注意をひきつけられる「気になる」状態 [15-16]。

第14回 主体的、対話的で深い学びのための道のりは? 学習者の認識、思考、意欲、そして個人差モデルの重要性。
    最初は,あまり興味がなくても、”learning by doing”でやっているうちに面白くなって「はまる」場合も多い。
    その要件は何か? 強化学習モデルから示唆を得よう。生徒の内発的動機のシミュレートを試みる[17]。

第15回 上記を考慮した単元計画はどのようなものになるだろうか?3例くらい考えてみよう。

各回の課題による 
教科書・参考書等   (X印は履修のために読む必要のないことを示す。)
[1*] Department for Education: National curriculum in England: computing programmes of study - key stages 1 and 2.
[2*] Department for Education: National curriculum in England: computing programmes of study - key stages 3 and 4. (2013)  
   (5~16歳を対象とした英国における科目「コンピューティング」の内容)
[3*] CAS: Computing Progression Pathways. (2014)
  (「アルゴリズム」、「プログラミングと開発」)など6項目の内容が8段階の進度に配列されている)
[4*] ACARA(Australian Curriculum, Assessment and Reporting Authority): Digital Technologies
[5*] The CSTA Standards Task Force. CSTA K-12 Computer Science Standards.
[6 ]  CSTA/ISTE. CT teacher resources second edition(教員のための資料)

[7*] 文部科学省: 高等学校学習指導要領  (各自で検索、入手)
[8] 情報科教科書: 情報の科学, 実教出版 
   数独を解くプログラムを表計算のプログラミングによって作成している。
   問題解決が探索の過程としてモデル化されることを能動的に学ぶ例。
[9*] Qin, Y.,& Simon, H.A.: Laboratory Replication of Scientific Discovery Processes, Cognitive Science 14, 281-312 (1990)
   著者サイモンは、情報系や認知科学系の教科書に載っている人。情報系で最も知られたチューリング賞、
   ノーベル経済学賞も受賞

[10*] 沼野一男:授業の設計入門,pp.57-73, 国土社 (1979)(抄録を配布する)
[11*] 山本三雄、関谷貴之、山口和紀: プログラミングのスキル階層に関する研究, 情報処理学会研究報告Vol.2010-CE104
   No.3,pp.1-25(2010)

[12*] 文部科学省:高等学校学習指導要領解説 情報編
[13 ]  教科「情報」の教科書

[14 ]  大村はま:日本の教師に伝えたいこと、筑摩書房
[15x] ES. Bromberg-Martin, M.Matsumoto, O.Hikosaka: Dopamine in Motivational Control: Rewarding, Aversive, and
    Alerting,  Neuron 68(5) pp.815-834 (2010)
    動機づけに関する知見。
[16x] 日本高次脳機能障害学会 教育・研修委員会編: 注意と意欲の神経機構, pp.49-61, 新興医学出版社 (2014)
[17x] Baldassarre,G & Mirolli,M.:Intrinsically Motivated Learning in Natural and Artificial Systems, Springer
  .  内発的動機付けの計算可能モデル

[18*] J.Wai, D. Lubinski, & C.P. Benbow:Spatial Ability for STEM Domains: Aligning Over 50 Years of Cumulative Psychological Knowledge Solidifies Its Importance, Journal of Educational Psychology101(4)817-835(2009)
  【Fig4必見】2万人追跡。若年時の図的表現の認識能力が、その後に理工系進学に影響。複数要素の関係を図的に正確に表現・読解する能力は文理問わず有用。後継論文にて転移が容易で応用範囲広いと指摘あり→ 情報やものづくり含めて作図読図は効果期待→ ★授業で★取り入れよう
 
授業で使用する
メディア・機器等
 
【詳細情報】 必携PC,配付資料(文書、音声・映像) 
授業で取り入れる
学習手法
 
予習・復習への
アドバイス
下記「成績評価の基準」で詳しく説明しています。 
履修上の注意
受講条件等
 
成績評価の基準等  私たちは、自らの学習経験から学習や教育に関する実践知(のようなもの、確かな知識でないという意味でbeliefという言葉で表現されるが、日本語の「信念、信条」とは少し異なる)を獲得しており、講義でそれらについて新たに覚えても、もともと保持している実践知は変化しにくいことが指摘され、広く知られています[*1-*2]。従って、講義内容の暗記ではなく、あなた自身が深く理解できており、教育研究に裏付けられた見方、考え方として定着していること[*3]が特に重要です。講義においては質問や疑問点の提出を求め、それらを共有し、互いにその解決を図る形で学修を進めます。
  [*1 ] Pajares, M. F. Teachers' beliefs and educational research: Cleaning up a messy construct, Review of
     Educational Research 62, 307-332 (1992)
  [*2] Cochran-Smith,M.,et al.:Research on Teacher Preparation: Charting the Landscape of a Sprawling Field,
     In Handbook of Research on Teaching (5th ed) pp.439-547, American Educational Research Association (2016)
  [*3] 斎藤隆彦:《似てる》の力の意識化と習得へ向けて-中学校国語科授業で古典作品と自分とをつなぐ-,
      広島大学大学院教育学研究科紀要第二部第62号(2013) 最初の2ページが特に参考になる。
     いきなり核心に迫る記述あり。ネットで容易に検索、閲覧可能。

評価基準は以下の通り。
1.全員が達成すべきレベル:到達目標の「説明」、「考察」についておよそ60%達成できること。

2.優れていると判定できるレベル:到達目標の「説明」、「考察」について、およそ80%以上達成できること。
     または、
  自らの見方としての深い理解を示す記述や発言がある程度見られること。

3.特に優れていると判定できるレベル:到達目標の「説明」、「考察」について、およそ90%以上達成できること。
     または、
  文献等を自発的に読みこむなどの活動を通して、知見に裏付けられた深い理解を示す記述が明瞭に見られること。

 評価の配分:1週間前に予告の上で行う小テスト 20%
       各回の提出物 80%(学習支援システムMoodle上の掲示板における質問と回答を含む。)
 (「よい質問」、問題の核心に迫る「鋭い質問」は肯定的な評価の対象となる。必ずMoodleに残る形で質問、発言してください)

 
実務経験  
実務経験の概要と
それに基づく授業内容
 
メッセージ 必携PCを用いる 
その他 中学校(技術科)教諭の経験のある教員が,高校情報科の指導法について講義する。 
すべての授業科目において,授業改善アンケートを実施していますので,回答に協力してください。
回答に対しては教員からコメントを入力しており,今後の改善につなげていきます。 
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