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年度 2024年度 開講部局 教育学部
講義コード CC231603 科目区分 専門教育科目
授業科目名 情報教育論I
授業科目名
(フリガナ)
ジョウホウキョウイクロン I
英文授業科目名 Introduction to Computer Education I
担当教員名 長松 正康
担当教員名
(フリガナ)
ナガマツ マサヤス
開講キャンパス 東広島 開設期 2年次生   前期   1ターム
曜日・時限・講義室 (1T) 木1-4:教L104
授業の方法 講義 授業の方法
【詳細情報】
 
ディスカッション、学生の発表、必携PC使用 
単位 2.0 週時間   使用言語 J : 日本語
学習の段階 2 : 初級レベル
学問分野(分野) 24 : 社会科学
学問分野(分科) 08 : 教科教育学
対象学生
授業のキーワード 情報教育、情報の見方・考え方 
教職専門科目   教科専門科目  
プログラムの中での
この授業科目の位置づけ
(学部生対象科目のみ)
 
到達度評価
の評価項目
(学部生対象科目のみ)
中等教育科学(技術・情報)プログラム
(知識・理解)
・情報教育に関する知識・理解が身に付いている 
授業の目標・概要等 授業の目標
 授業の到達目標及びテーマ
以下について、単純な暗記でなくそれぞれの理由や各要素の関連まで含めた深いレベルでの説明ができること。
1.情報教育の全体像。情報処理の見方、考え方 [1]。
2.各教科における学びと以下の事項との関わり。
 (a) 情報活用の実践力。 
 (b) 情報処理の見方、考え方。
 (c) 学び方、学習のしくみ、学習スキルの概要。
3.教科「情報」における主な内容に関する学習指導の方法の概要
  (a) 情報活用の実践力と、資質能力としての汎用的(generic)なスキル
  (b) 情報の科学的な理解と、情報科学の見方、考え方
     (c) 情報と社会の関わり、データに基づく問題解決、セキュリティ
 
授業計画 第1回  資質・能力としての学び方と学習スキル、総則との対応
第2回  情報技術の今後の進展について考える [2][3][13]
   情報分野における知識基盤の変化の速さ [4]
     アルゴリズムなどコンピューティングの原理:10年で10%、
     設計手法など抽象化と実現:10年で30%、
     OSやネットワークなど実用:10年で60%
     → 20年前の指摘。予測は正しかったか?

第3回 これまでの情報教育の全体像を知り、これからの情報教育について考える。
   「データサイエンス」に関連した事例を中心に調べる。
第4回 調べた内容のプレゼンテーションの共有と質疑

第5回 観点別評価の考え方、学習できたかどうか、たしかな「ものさし」を得るために。
   情報カリキュラムの根底にある12項目の見方、考え方 [1]
   学習指導要領の目標、内容をより深く理解しよう
   見方・考え方としての「コンピュテーショナル・シンキング」
第6回  目標分析をしてみよう。「指導と評価の一体化」とは具体的に何のことか?
   教科の学習の本質としての情報処理 [5]

第7回  画像の表現[6]と画像処理、視覚情報処理:
   図的表現が思考や学習を促進するのはなぜか [7]
   学習者はどこに困難を感じるか
第8回  事例研究
   ・表計算が開発された経緯と問題解決 [10]
   ・データ分析の動機付け [11]
   ・データ分析に基づく地域活性化(社会からのneedsに対応する情報のseeds)[15]
   ・情報セキュリティの危機  英国秘密情報部(MI6)前長官の指摘 「甚大なサイバー攻撃迫る」[14]
     仮想通貨流出は偶発的でないかも。
   ・挙動の怪しいプログラムを分析し、恐るべき狙いが判明したとされる事例
      「Ted Talks 日本語 Stuxnet」を検索。日本語字幕選択して視聴する。

第9回  模擬授業の準備(1)目標設定と評価プランの概要
第10回  模擬授業の準備(2)教材研究 簡単なプログラミングによる問題解決

第11回  模擬授業の準備(3)教材研究 表計算とプログラミングを用いた問題解決
第12回  模擬授業の実施と検討(1)簡単なプログラミングによる問題解決、振り返りと省察

第13回  模擬授業の実施と検討(2)問題解決過程のモデル(問題の理解、問題のモデル化)
第14回  模擬授業の実施と検討(3)問題解決過程のモデル(解の探索過程)振り返りと省察

第15回  次の実践に向けた考察 「この授業」だけにとらわれないこと。一般性のある省察が大切。

 Moodleによる毎回の課題 
教科書・参考書等 文部科学省:学習指導要領解説 情報編、総則
*印は講義でとりあげる。
[0*] 木村 治生(2015)小学校・中学校・高校における「アクティブ・ラーニング」の効果と課題,第5回学習基本調査報告書44-51
[1*] Tucker, A.B.: Computing Curricula 1991, Communications of the ACM, Vol.34(6), pp.68-84(1991)
  (邦訳)国井利泰: コンピュータ サイエンスのカリキュラム,pp161-163, 共立出版(1995) 
  情報処理の分野でたびたび現れる,「情報」を特徴づける見方,考え方として12項目の
      「再帰概念」(頻出概念)があげられている。
[2] 松尾豊:人工知能は人間を超えるか, pp.144-178,角川書店(2015)
   このほか、中央図書館Webにて、データベース→データベース一覧で新聞検索を行う
[3*] フェイフェイ・リー: コンピュータが写真を理解するようになるまで, TED Talks 日本語
   (https://www.ted.com/talks?language=ja) (2015)  #映像を視聴し考える。
[4 ] 国井編:コンピュータサイエンスのカリキュラム,p.293,共立出版(1993)
[5 ] 大槻和夫編:国語科重要用語300の基礎知識,p.56, 明治図書(2001) (国語科と情報科学)
[6*] 情報科教科書

[7*] Larkin, J.L., & Simon, H.A.: Why a Diagram is (Sometimes) Worth Ten Thousand Words, Cognitive Science
        Vol.11, pp.65-99(1987)
  中央図書館Webにて、データベース一覧→Web of Scienceにて入手。Figure 1とTable 1は同じものを表している。
  なぜ図的表現では、理解や思考が促進されるのだろうか?鍵は作業記憶と視覚探索にある。
  人工知能や認知科学の分野で図的推論という新たな研究分野が切り開かれる契機となった論文といわれる。

[8 ] Meyer, B.J.F., Brandt, D.M., & Bluth, G.J.: Use of top-level structure in text: Key for reading comprehension of
  ninthgrade students, Reading Research Quarterly, 16 (1), pp. 72-103 (1980)
    ・構造を手がかりにする方法は,構造化された文書を書く著者のやり方と同じ。
    ・   〃   ,知りたい情報が文書のどこに記述されるか予測できるようになる。
[9*] 高等学校学習指導要領および総則解説は、文部科学省のWebサイトから入手

[10*] 相田洋, 大墻 敦:新・電子立国3 世界を変えた実用ソフト, 第1章,日本放送協会(1996)
   世界で初めてパソコンで動作する表計算ソフトを開発した二人の学生の話。状態遷移図を用いて設計している。
  表計算の本質は意思決定支援のための数値シミュレーションであったことがわかる。

[11*] ジリアン・テット:サイロ・エフェクト 高度専門化社会の罠, 第5章, 文芸春秋(2016)
  それなりに成功したITおたくが大事件を機にもっと世の中の役に立ちたいと、無謀にも警察官に志願。
  データ分析により犯罪発生率低下に成功した。
  「殺人予報地図」という刺激的タイトルと、ストーリー展開は情報に興味のない生徒も授業に引き込み、
  「学びに向かう力」の促進に有用そう(次が知りたい、もっと知りたい)。

[12 ] OECD教育研究革新センター: 学習の本質 - 研究の活用から実践へ, pp.233-263(調べ学習 その可能性と挑戦)(2013)
[13*] 澤宮優,平野恵理子:昭和の消えた仕事図鑑, 角川文庫(2021)
 消えた職業多数。過去と現在の変化から未来を考えよう。
[14 ] 日曜に考える 英スパイ機関元首脳 世界の行方読む, 日本経済新聞2017年1月8日
[15*] データ分析セミナー地方創生 https://www.chisou.go.jp/sousei/resas/dataseminar.html 
授業で使用する
メディア・機器等
 
【詳細情報】 配付資料,映像(ビデオ/PC/その他画像資料)

 
授業で取り入れる
学習手法
 
予習・復習への
アドバイス
各回に対応した文献番号をつけてありますので、事前、事後に読んでください。
詳しくは、下記成績評価の基準を参照のこと。 
履修上の注意
受講条件等
 
成績評価の基準等  私たちは、自らの学習経験から教育に関する実践知(のようなもの、確かな知識でないという意味でbeliefという言葉で表現される。日本語の「信念、信条」とは少し異なる)を獲得しており、講義でそれらについて新たに覚えても、もともと保持している実践知は変化しにくいことが指摘され、広く知られています[*1-*2 ]。従って、講義内容の暗記ではなく、あなた自身が深く理解できており、教育研究に裏付けられた見方、考え方として定着していること[*3]が特に重要です。講義においては質問や疑問点の提出を求め、それらを共有し、互いにその解決を図る形で学修を進めます。
  [*1] Pajares, M. F. Teachers' beliefs and educational research: Cleaning up a messy construct, Review of
       Educational Research 62, 307-332 (1992)
  [*2] Cochran-Smith,M.,et al.:Research on Teacher Preparation: Charting the Landscape of a Sprawling Field,
       In Handbook of Research on Teaching (5th ed) pp.439-547, American Educational Research Association (2016)
  [*3] 斎藤隆彦:《似てる》の⼒の意識化と習得へ向けて−中学校国語科授業で古典作品と⾃分とをつなぐ−,
      広島⼤学⼤学院教育学研究科紀要第⼆部第62号(2013) 最初の2ページが特に参考になる。
      いきなり核心に迫る記述あり。ネットで容易に検索、閲覧可能。

評価基準は以下の通り。
1.全員が達成すべきレベル: 到達目標の「説明できる」項目について、およそ60%達成できること。
2.優れていると判定できるレベル: 到達目標の「説明できる」項目について、およそ80%以上達成できること。
     または、
  自らの見方としての深い理解を示す記述や発言がある程度見られること。
3.特に優れていると判定できるレベル: 到達目標の「説明できる」項目について、およそ90%以上達成できること。
     または、
  参考資料を自発的に読み込むなどの活動を通して、自らの見方としての深い理解を示す記述や発言が明瞭に見られること。

評価の配分:
 (1) 学習システムMoodleに提出する各回の課題 60%
 (2) 模擬授業 20%(実施結果と提出資料により評価)
 (3) 最終試験 20%
  (「よい質問」、問題の核心に迫る「鋭い質問」は肯定的な評価の対象となる。)
 
実務経験  
実務経験の概要と
それに基づく授業内容
 
メッセージ 必携PCを使用する。 
その他 中学校(技術科)教諭の経験のある教員が,高校情報科の指導法について講義する。 
すべての授業科目において,授業改善アンケートを実施していますので,回答に協力してください。
回答に対しては教員からコメントを入力しており,今後の改善につなげていきます。 
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