年度 |
2024年度 |
開講部局 |
教育学部 |
講義コード |
CC230104 |
科目区分 |
専門教育科目 |
授業科目名 |
技術教育概論II |
授業科目名 (フリガナ) |
ギジュツキョウイクガイロンII |
英文授業科目名 |
Introduction to Technology Education II |
担当教員名 |
長松 正康 |
担当教員名 (フリガナ) |
ナガマツ マサヤス |
開講キャンパス |
東広島 |
開設期 |
2年次生 後期 4ターム |
曜日・時限・講義室 |
(4T) 水5-8:教L207 |
授業の方法 |
講義 |
授業の方法 【詳細情報】 |
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対面形式で行い、資料配布や課題提出にTeamsとMoodleを併用します。 必携PC使用 |
単位 |
2.0 |
週時間 |
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使用言語 |
J
:
日本語 |
学習の段階 |
2
:
初級レベル
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学問分野(分野) |
24
:
社会科学 |
学問分野(分科) |
08
:
教科教育学 |
対象学生 |
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授業のキーワード |
技術教育、ものづくり、作図・読図能力と理系進路選択、創造性、問題解決、設計 |
教職専門科目 |
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教科専門科目 |
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プログラムの中での この授業科目の位置づけ (学部生対象科目のみ) | |
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到達度評価 の評価項目 (学部生対象科目のみ) | 中等教育科学(技術・情報)プログラム (能力・技能) ・情報教育の実践に関する計画・プランを構成することができる |
授業の目標・概要等 |
ものづくりの授業に必要となる実践的能力について、学習内容と関連させながら学ぶ |
授業計画 |
第1回 既習事項の確認 これまでに学んだ内容をA4用紙1枚に図式化。何ができるようになったか。 内容はばらばらか? 何か関係があるか? それはどのような関係か? そもそも科目間の関係にはどのようなものがありえるのか? 既習事項について個別に質問する時間をとります。 第2回 ものづくりや情報の学びを通して獲得される力 設計と問題解決のモデルについて[0-3][7]) その学習プロセスをどう評価するか?
第3回 目標分析の方法 目標の分類と依存関係の分析例[4] 依存関係が自明で分析しやすい場合、知的スキルや資質のように、関係が明瞭でない場合。 的確な目標設定は、評価の方法や、授業の組み立てに大きな示唆となる
第4回 テキスト(デザインとテクノロジー)と中学校技術・家庭科教科書について, 学習内容の組み立ての分析(じょうぶなしくみ)[5] 第5回 テキスト(デザインとテクノロジー)と中学校技術・家庭科教科書について, 学習内容の組み立ての分析(リンク機構,歯車)[6]
第6回 トラブルシューティング型の問題解決、どう評価するか? 第7回 創造性とその評価 [8] 第8回 技術の授業の実践力(1) 授業案を考える、教材研究と目標の分析 第9回 技術の授業の実践力 (2)効果的な導入を考える。 主体的、対話的で深い学びのための出発点は? 生徒自身が問いを持てば、「学びに向かう力」につながる。 「感動とまでいかなくても、おもしろいと思う、珍しいと思う、感心する、とにかく、心が動く、いきいきと 動いている、そういう状態」 [10] 例えば、「あれ?」「変だぞ?」「あるある。」「へぇー、それで?」「どうして?」「気になる!」など。 生徒が自ら問いを発する直前の心理状態に近づけるために何ができるか? ごく最近の研究ではsalienceと呼ばれる概念が近い。 → 何らかの意味で際立った特徴を有し、注意をひきつけられる。 日本の授業研究から生まれた「ゆさぶり」と呼ばれる概念[12]にも関わりがありそう。ゆさぶりをかけられると いつもの単調な授業とは異なる"alertな"状態になりそうですね。
第10回 技術の授業の実践力(3) 授業案を考える、プランの検討 生徒自ら、学習への動機を伴う「問い」を持つことができれば、半分は成功。 残りをどのように支援して、最終ゴールまで導くか? 途中の過程をどう評価するか? つまづきからどのようにして脱出するか、その手がかりをどのように用意するか?
第11回 簡単なプログラミング題材を用いた授業案を考える。(1)教材研究 第12回 簡単なプログラミング題材を用いた授業案を考える。(2)スキル獲得の視点から 第13回 模擬授業(1)単元の前半を中心に。 (グループ単位で実施した結果を録画し、学内システム(Bb9)にアップロード)
第14回 模擬授業(2)単元後半を中心に。 第15回 模擬授業(2)発展的テーマを中心に。 |
教科書・参考書等 |
参考書・参考資料等 [0]Spatial Ability for STEM Domains: Aligning Over 50 Years of Cumulative Psychological Knowledge Solidifies Its Importance,Journal of Educational Psychology101(4),817-835(2009) 2万人追跡調査。ものづくり等における立体図表記等の認識・推論能力が、その後の理工系進学に影響。応用が効く。 [1]OECD:PISA2003年調査 評価の枠組み, 第4章 問題解決能力, ぎょうせい(2004) 問題解決の簡単な定義。問題解決のタイプ(意思決定,システム解析・設計,トラブルシューティング) [2] International Technology Education Association : Standards for Technological Literacy - Content for the Study of Technology 3rd.ed.(2007) ものづくりでは,設計による問題解決が中心。
[3] Newell,A.:Unified Theories of Cognition, pp.95-99, Harvard University Press(1990) 問題解決は、「瞬時には解法が明白でない問題」が対象。このような次に何をすればよいか不明の状況において, 不確定な状況であるにもかかわらず,「今」,何かを「行う」ことが求められる。行わないかぎり問題は 同じ状態にとどまる。この状況における思考は,ある特定の行動を起こすことについて一つ一つ考えることとなり, これは 組合せ探索 に他ならない。解決過程はこのようなプランを生成して試すことの繰り返し(生成検査法)。 やみくもな試行錯誤との違いは探索の方法をシステム的に行おうとする点にある。問題領域の知識に基づく推論 も重要だが、「軽くて」、しかも「じょうぶ」のように複数の目標を満たす最適解を見つけるには探索が欠かせない。
[4] 沼野一男: 授業の設計入門,第3章 目標行動の論理分析, 国土社 (1979) 知識と対応するスキルの関係が明確で分析しやすい例を中心に学ぶ。 [5] Garrat J.: Design and Technology(2nd.ed.), pp.46-69, Cambridge University Press(1996) じょうぶな構造に関する指導例。中学生が自分で読むことを想定して書かれている。授業のヒント満載。訳本は絶版。 [6] Garrat J.: Design and Technology(2nd.ed.), pp.70-107, Cambridge University Press(1996) 動力の伝達に関する指導例。 [7] Deb, K.: Multi-Objective Optimization Using Evolutionary Algorithms, pp.18-21, John Wiley & Sons(2001) 最も単純な設計例として、壁面に、ものをひっかける棒(cantilever)の長さと太さを決める問題を通して、 複数目標の同時達成を目指す最適解と、そこに至る道筋(solution path)を考える。 [8] 渋谷憲一,木村捨夫,三本茂:創造性教育に関する基礎的研究(Ⅰ)-創造的能力・知能・学力の関連-, 国立教育研究所紀要71,pp1-96(1972) 特に前半,既存の研究のまとめが有用。要点は,次の5つ。 1)収束的思考,2)発散的思考,3)結果テスト,4)使用法テスト,および 5)集計方法(大観点,中観点,小観点) [9] Larkin J.H.&Simon H.A.: Why a Diagram is (sometimes) Worth Ten Thousand Words, Cognitive Science 11-1, pp.65-99(1987) Figure 1 と Table 1 を比べてみよう。これらは同じものを表している。なぜ図の方が分かりやすいのだろうか? ヒントは視覚探索と作業記憶にある。 [10] 大村はま:日本の教師に伝えたいこと、筑摩書房 [11] 文部科学省:中学校学習指導要領(平成29年3月告示) [12] 恒吉宏典, 深澤広明編: 授業研究重要用語300の基礎知識, p.219, 明治図書(1999) |
授業で使用する メディア・機器等 |
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【詳細情報】 |
テキスト,配付資料,音声教材,映像(ビデオ/PC/その他画像資料),必携PC |
授業で取り入れる 学習手法 |
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予習・復習への アドバイス |
第1回めに既習事項の確認および授業における学び方の説明をしますので、それを参照し実践しながら学んでください。 Googleで、米国の大学のドメインを指定して検索して見ましょう。 site:.edu syllabus SQ3R SQ3Rは、代表的な自主学習法のひとつです。 大学でもこれを教えていたりするのですね。 |
履修上の注意 受講条件等 |
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成績評価の基準等 |
・授業各回における小課題 60% / 最終試験 20% / 模擬授業 20% |
実務経験 |
有り
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実務経験の概要と それに基づく授業内容 |
中学校(技術科)教諭の経験のある教員が,技術科の指導法について講義する。 |
メッセージ |
必携PCを持参すること。 Teamsの使い方は、メディアセンターで詳しく説明されています。https://www.media.hiroshima-u.ac.jp/services/microsoft365/teams/ |
その他 |
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すべての授業科目において,授業改善アンケートを実施していますので,回答に協力してください。 回答に対しては教員からコメントを入力しており,今後の改善につなげていきます。 |