年度 |
2024年度 |
開講部局 |
総合科学部総合科学科 |
講義コード |
ASA38001 |
科目区分 |
専門教育科目 |
授業科目名 |
ポストコロニアル論 |
授業科目名 (フリガナ) |
ポストコロニアルロン |
英文授業科目名 |
Postcolonialism |
担当教員名 |
崔 真碩 |
担当教員名 (フリガナ) |
チェ ジンソク |
開講キャンパス |
東広島 |
開設期 |
2年次生 前期 1ターム |
曜日・時限・講義室 |
(1T) 水1-4:総K310 |
授業の方法 |
講義 |
授業の方法 【詳細情報】 |
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講義中心、演習中心、板書多用、ディスカッション、学生の発表 |
単位 |
2.0 |
週時間 |
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使用言語 |
J
:
日本語 |
学習の段階 |
2
:
初級レベル
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学問分野(分野) |
23
:
人文学 |
学問分野(分科) |
14
:
文化論 |
対象学生 |
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授業のキーワード |
(脱)帝国主義、(脱)植民地主義 |
教職専門科目 |
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教科専門科目 |
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プログラムの中での この授業科目の位置づけ (学部生対象科目のみ) | |
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到達度評価 の評価項目 (学部生対象科目のみ) | 総合科学プログラム (知識・理解) ・当該の個別学問体系の重要性と特性、基本となる理論的枠組みへの知識・理解 ・個別学問体系の密接な相互関係とその重要性を認識するうえでの必要な知識・理解 (能力・技能) ・個別学問体系に関する多様な情報源から必要な文献資料やデータを収集・解析する能力・技能 |
授業の目標・概要等 |
【目標】 ポストコロニアル論。あるいは、ポストコロニアリズム。日本語では、「脱植民地主義」と翻訳されているこの理論は、あなたにとって耳慣れない響きかもしれないが、これは私たちの生き方を問う実践的な理論である。今ここで、(内なる)植民地主義を脱皮しよう。
戦争と平和。ウクライナ戦争の時代に、次は米中戦争(沖縄戦争)が起きるかもしれない戦争の時代に、上辺でも綺麗事でもなく、「戦争と平和」について中身のある講義・議論をしたい。戦争のメカニズムを明らかにし、平和を構築していくための道標を模索したい。
【概要】 最初に、帝国主義/植民地主義を世界史の観点から概観しつつ、ポストコロニアル論という理論を概説する。 その上で、授業の4つのテーマ、 ① アメリカ帝国:朝鮮戦争からベトナム戦争・・・ウクライナ戦争、そして米中戦争へ? ② 日米安保ムラ:日米の植民地・沖縄 ③ 原子力帝国 :フクシマ・東電福島原発三発爆発 ④ 高暮ダム :広島の中の朝鮮人強制連行 に関連するテキスト(文学作品、歴史書、公文書、新聞記事等)を講読したり、ドキュメンタリー映画やヒップホップを鑑賞したりしながら、学際的に授業を進めていく。
2024年現在、私たちの身の回りに在るコロニアルな問題について考えながら、上記の4つのテーマに通底する問題である「近代」「資本主義」を批判的に問う。
近代とはすなわち〈植民地的近代〉であり、資本主義とはすなわち〈植民地的資本主義〉なのだ。 |
授業計画 |
第1回 ガイダンス 第2回 帝国主義/植民地主義の世界史:ポスロコロニアル論の概説 第3回 アメリカ帝国:朝鮮戦争からベトナム戦争・・・ウクライナ戦争、そして米中戦争へ? 第4回 アメリカ帝国:朝鮮戦争からベトナム戦争・・・ウクライナ戦争、そして米中戦争へ? 第5回 アメリカ帝国:朝鮮戦争からベトナム戦争・・・ウクライナ戦争、そして米中戦争へ? 第6回 日米安保ムラ:日米の植民地・沖縄 第7回 日米安保ムラ:日米の植民地・沖縄 第8回 日米安保ムラ:日米の植民地・沖縄 第9回 原子力帝国:フクシマ・東電福島原発三発爆発 第10回 原子力帝国:フクシマ・東電福島原発三発爆発 第11回 原子力帝国:フクシマ・東電福島原発三発爆発 第12回 高暮ダム:広島の中の朝鮮人強制連行 第13回 高暮ダム:広島の中の朝鮮人強制連行 第14回 高暮ダム:広島の中の朝鮮人強制連行 第15回 オルタナティブ
レポートを課します。 |
教科書・参考書等 |
授業時に指示します。 |
授業で使用する メディア・機器等 |
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【詳細情報】 |
テキスト,配付資料,音声教材,映像(ビデオ/PC/その他画像資料) |
授業で取り入れる 学習手法 |
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予習・復習への アドバイス |
授業で取り扱うテキストは、事前に一度は読んできてください。 |
履修上の注意 受講条件等 |
授業時の携帯やパソコン使用は厳禁です。 授業時のSNSなどは論外、発覚時は即アウトです。 授業とは、教員だけでなく学生も参加して共に作っていくもの、共同作業です。 授業態度を弁えて、共に、良い授業を作っていきましょう。 |
成績評価の基準等 |
以下を目安として総合的に評価します。 平常点:レスポンス・シート(40%)、レポート:自由表現と書評(60%) |
実務経験 |
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実務経験の概要と それに基づく授業内容 |
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メッセージ |
帝国主義および植民地主義の時代は終わった。確かに。 しかし、人や資源を搾取して一握りの人間が大儲けする(鬼が人間を喰う)その仕組みは、いまだに終わっていない。 それどころか、私たちの日常生活の隅々に、その恐ろしい仕組み(鬼)は肥大化かつ細分化している。
多国籍企業、ブラック企業、ブラックバイト、ブラック大学、過労死、社畜、中国人技能実習生・・・。 奴隷制と過労死の間、朝鮮人強制連行と中国人技能実習生の間には、どれだけの距離があるというのか。 過酷で劣悪な環境のもとで死ぬまで(自殺するまで)働かされるという本質は同じだ。
帝国主義から〈帝国〉の時代へ。 2024年現在、植民地は私だ。植民地はあなただ。 そう、私たちが植民地なのだ。
なぜ、鬼が人を喰う、こんな理不尽な世の中になってしまったのか。 まずは、そのことを世界史的に問いながら、問題の根っこを見極めていきたい。 そして、どうすれば、〈帝国〉の時代および植民地的な状況(鬼が人を喰う壊れ切った世界)を脱することができるのかを探究したい。
まずもって、喜怒哀楽、怒ることから始めようではないか。俺たちは植民地じゃねえ、と。サービス残業?っていうか、それ、ドレイ残業でしょ、と。 しかし、同時に、自分も何かしらの形で〈帝国〉の時代および植民地的な状況(鬼)に加担しているのではないか、と自己省察することを忘れてはならない。 そうやって、世界と自分を問い続けながら、もうこれ以上、鬼に喰われることをやめよう。鬼になることもやめよう。人間に戻ろう。 |
その他 |
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すべての授業科目において,授業改善アンケートを実施していますので,回答に協力してください。 回答に対しては教員からコメントを入力しており,今後の改善につなげていきます。 |