年度 |
2025年度 |
開講部局 |
教養教育 |
講義コード |
62801001 |
科目区分 |
領域科目 |
授業科目名 |
日本史B |
授業科目名 (フリガナ) |
ニホンシB |
英文授業科目名 |
Japanese HistoryB |
担当教員名 |
横山 尊 |
担当教員名 (フリガナ) |
ヨコヤマ タカシ |
開講キャンパス |
東千田 |
開設期 |
1年次生 後期 セメスター(後期) |
曜日・時限・講義室 |
(後) 火11-12:東千田M302講義室 |
授業の方法 |
講義 |
授業の方法 【詳細情報】 |
対面 |
講義中心、板書多用 |
単位 |
2.0 |
週時間 |
2 |
使用言語 |
J
:
日本語 |
学習の段階 |
1
:
入門レベル
|
学問分野(分野) |
23
:
人文学 |
学問分野(分科) |
07
:
史学 |
対象学生 |
日本の歴史や人口、移民問題への理解を深めたい方 |
授業のキーワード |
人口 移民 人種主義 |
教職専門科目 |
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教科専門科目 |
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教養教育での この授業の位置づけ | 領域科目(人文社会科学系科目群) 分類:人類学・地理学・歴史学 領域科目(人文社会科学科目群) |
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学習の成果 | 期待される学習の成果は、第一に受講者は高校日本史とは異なる切り口で日本の文化と歴史を捉えることができる、第二に現代の人口問題やグローバル社会を歴史的構造物として捉える視野を獲得できることです。 |
授業の目標・概要等 |
【テーマ:〈人口と移民〉からみる日本近代】 本講義は、日本史学の観点から人口と移民を論じます。 講義の柱の一つが人口です。人口は、内部的には出生・死亡・結婚(離婚)、移動といった要因で変動します。それらがどう組み合わさり、人口が変動したかが人口研究の課題となってきました。逆に、人口変動が社会や経済、文化に影響を与えることもあります。現在の日本が直面する少子高齢化は、社会保障の問題をはじめとし、日本の社会・経済・文化を大きく変える可能性を秘めています。そうした人口学的な関心は歴史学も多分に共有し、多くの業績が生み出されています。同時に、戦前から人口には、政府、学会、メディアも一定の関心を払ってきました。本講義は、近世から現代日本を対象にその様相を論じます。 講義のもう一つの柱は、人の移動、移民です。実は1920年代から1970年代頃の50年余りにわたり、日本は積極的な移民送出国であり、特に広島県は「移民県」として知られます。一方、日本は20世紀末から外国人の大量流入にも直面しています。 本講義は、人口・移民問題を、そこに影を落とした人種主義なども踏まえ、その様相を論じます。 |
授業計画 |
第1回 〈人口と移民〉から歴史をみる意味―人口波動と人口移動 第2回 江戸時代の結婚・出産・死亡―歴史人口学の世界 第3回 人口調節装置としての江戸時代の都市―都市は「蟻地獄」? 第4回 日本人の海外渡航解禁と「国際結婚」の成立 第5回 ハワイの日本人移民―ハワイ王国滅亡の前と後 第6回 北米の日本人移民排斥運動とアメリカ政府 第7回 ブラジル移民政策と日本移民―米国排日運動の反響 第8回 満州国農業移民が映し出す社会帝国主義 第9回 黄禍論・人種主義と日本人の自画像 第10回 1910-1940年代の人口政策構想―「人口政策確立要綱」に至るまで 第11回 「家族計画」が登場するまで―避妊と中絶をめぐる制度と運動 第12回 大日本帝国の崩壊と引揚・復員―博多港と二日市保養所 第13回 シベリア抑留と戦後日本―ソ連共産主義の「収容所列島」の中で 第14回 戦後における日本・沖縄からの北米・南米への移民 第15回 日本が人口減少社会になるまで―今後の日本人口と労働移民問題
定期試験を実施します。 |
教科書・参考書等 |
教科書は利用しません。講義中にレジュメを配布し、それに基づいて講義を行います。主な参考文献は以下のとおり。 速水融『歴史人口学で見た日本』文藝春秋、2001年 鬼頭敦『人口から読む日本の歴史』講談社学術文庫、2000年(原1983年) 塩出浩之『越境者の政治史―アジア太平洋における日本人の移民と植民』名古屋大学出版会、2015年 ルイーズ ヤング(加藤陽子ら訳)『総動員帝国―満洲と戦時帝国主義の文化』岩波書店、2001年(原1998年) ※詳細は毎回の講義で示します。 |
授業で使用する メディア・機器等 |
配付資料, 映像資料, moodle |
【詳細情報】 |
講義終了後のレジュメは、moodleを通じてダウンロード可能な状態にしておきます。復習に活用してください。 |
授業で取り入れる 学習手法 |
ディスカッション, 授業後レポート |
予習・復習への アドバイス |
第1回 講義の目的を理解しよう。 第2回 宗門改帳のデータから結婚・出産・死亡の動態を理解しよう。 第3回 近世の都市と農村の関係を人口動態と絡めて理解しよう。 第4回 いかなる条件が整えば「国際結婚」が成立するかを考えよう。 第5回 ハワイ王国滅亡の前と後での日本人移民の立場の変容を知ろう。 第6回 カリフォルニア州での日本人移民排斥の背景やアメリカ政府の対応を知ろう。 第7回 ブラジルでの世界最大級の日系移民社会の成立と展開を知ろう。 第8回 昭和恐慌で荒廃した農村は満州国農業移民で救済されたのか。 第9回 日本人と欧米人は人種主義のフレームでいかに自己と他者を表象したか。 第10回 戦時中の「産めよ殖やせよ」論はいかなる経緯で成立したか。 第11回 避妊と中絶の捉え方は、戦前と戦後の人口動態の中でどう変遷したか。 第12回 地域ごとの引揚、復員のあり方と引揚中に性被害に遭った婦女の戦後を理解しよう。 第13回 シベリアに抑留された日本兵とソ連共産主義の関わりを理解しよう。 第14回 敗戦後も移民を続けた日本が移民受入国に転じた経緯を理解しよう。 第15回 日本人口が1億人を超えた時、何が議論され、いかに今に至るのか。 |
履修上の注意 受講条件等 |
高等学校や教養的教育で、日本史、世界史を学んでいる必要はありません。 |
成績評価の基準等 |
期末試験:80%、講義後のミニッツペーパー:20% |
実務経験 |
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実務経験の概要と それに基づく授業内容 |
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メッセージ |
日本史、世界史の知識がなくても理解できるように講義を工夫しますが、高校の教科書などで予習・復習すれば、さらに理解が深まります。また講義で示した参考文献で面白そうなものは図書館で手に取って読むことをお勧めします。 |
その他 |
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すべての授業科目において,授業改善アンケートを実施していますので,回答に協力してください。 回答に対しては教員からコメントを入力しており,今後の改善につなげていきます。 |