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年度 2025年度 開講部局 教養教育
講義コード 62054001 科目区分 領域科目
授業科目名 日本現代史
授業科目名
(フリガナ)
ニホンゲンダイシ
英文授業科目名 Japanese Contemporary history
担当教員名 横山 尊
担当教員名
(フリガナ)
ヨコヤマ タカシ
開講キャンパス 東広島 開設期 1年次生   後期   3ターム
曜日・時限・講義室 (3T) 月1-4:総K313
授業の方法 講義 授業の方法
【詳細情報】
対面
講義中心、板書多用 
単位 2.0 週時間 4 使用言語 J : 日本語
学習の段階 1 : 入門レベル
学問分野(分野) 23 : 人文学
学問分野(分科) 07 : 史学
対象学生 日本の歴史や病気、医療への理解を深めたい方
授業のキーワード 病気、医療、生命倫理 
教職専門科目   教科専門科目  
教養教育での
この授業の位置づけ
領域科目(人文社会科学系科目群) 分類:人類学・地理学・歴史学 
学習の成果期待される学習の成果は、第一に受講者は高校日本史とは異なる切り口で日本の文化と歴史を捉えることができること、第二に現代の人間と病気の関わりを、歴史的構造物として捉える視野を獲得できることです。 
授業の目標・概要等 【テーマ:近現代日本の病気と医療】
インフルエンザやがんなど、病気はかかった個人の生物学的現象にとどまりません。昨今のコロナウィルスに顕著に示されるように、私たちに属している社会のものと言えます。それらが医療行政やマスコミ報道の対象であることからもわかります。同時に公害病や薬害のほか、かつて蔓延した結核や性病のように社会そのものが引き起こす病気もあります。病気は文明を変え、文明は病気をおこし、社会を動かしてきました。それら病気には歴史があります。本講義は近代日本を対象としてその諸相を論じます。その際、世界史的動向を視野に、学説、医療行政や制度のほか、教育・社会・文化的側面にも焦点をあて多角的にその歴史を追っていきます。
 
授業計画 第1回 <病気と医療>から近代日本をみる意味
第2回 頭痛の誕生と腹痛の変容―江戸から明治への時代的推移
第3回 コレラをめぐる明治政府と民衆―「衛生」の誕生と伝統社会
第4回 脚気に翻弄された将軍、宮中、軍隊―ビタミンB1未発見の中で
第5回 狐憑きから精神病へ―座敷牢・精神病院の制度とイメージ
第6回 第一次大戦中のスペイン・インフルエンザと日本
第7回 結核と産業衛生―病気のロマン化と過酷労働のあいだ
第8回 ペストと中国・台湾・満州―公衆衛生と帝国日本①
第9回 マラリアと軍陣衛生・熱帯医療―公衆衛生と帝国日本②
第10回 厚生省の成立と「体力」管理政策
第11回 占領軍と公衆衛生―性病対策・DDT革命・保健所制度
第12回 ハンセン病の戦前と戦後―絶対隔離の成立から風化まで
第13回 医原病としての薬害―サリドマイド、スモン、薬害エイズ
第14回 臓器移植と脳死―医療技術と法律と生命倫理
第15回 新型コロナウィルスの登場―疾病・対策の背景と新しさ

試験・レポートの実施予定:定期試験を実施します。 
教科書・参考書等 教科書は使用しません。講義中にレジュメを配布し、それに基づいて講義を行います。主な参考文献は以下のとおり。
秦郁彦『病気の日本近代史 幕末から平成まで』文芸春秋(2011年)
鹿野政直『健康観にみる近代』朝日新聞社(2001年)
村上陽一郎『医療 高齢化社会へ向かって』読売新聞社(1996年)
※詳細は毎回の講義で示します。
 
授業で使用する
メディア・機器等
配付資料, 映像資料, moodle
【詳細情報】 講義終了後のレジュメは、moodleを通じてダウンロード可能な状態にしておきます。復習に活用してください。 
授業で取り入れる
学習手法
ディスカッション, 授業後レポート
予習・復習への
アドバイス
第1回 講義の目的を理解しよう。
第2回 江戸時代と近代の身体感覚の相違を理解しよう。
第3回 当時最悪の暴病を前に明治人はどう振るまったか。
第4回 原因不明の病に西洋医学、東洋医学はどう対処したか。
第5回 精神病の理解とその対処法の史的変遷を理解しよう。
第6回 平時に最多の死者を出した暴病の実態を知ろう。
第7回 日本人の死亡原因第1位だった病気とその対策の実態を知ろう。
第8回 ペスト蔓延とその対策について中国・台湾・満州での特質を理解しよう。
第9回 植民地経営や戦争と公衆衛生の関わりを理解しよう。
第10回 戦時期に流行した「体力」概念の独特さを理解しよう。
第11回 占領軍はいかに敗戦後の公衆衛生を変容させたかを知ろう。
第12回 ハンセン病療養所はいかなる論理で成立、存続したかを知ろう。
第13回 1960~90年代の社会を騒然とさせた医原病発生の背景と対策の特質を知ろう。
第14回 医療技術が変容させた死生観の特質を考察しよう。
第15回 COVID-19は何が古くて新しいか、その記憶をいかに今に遺すかを考えよう。 
履修上の注意
受講条件等
高等学校や教養的教育で、日本史、世界史を学んでいる必要はありません。  
成績評価の基準等 期末試験、講義後のミニッツペーパー 
実務経験  
実務経験の概要と
それに基づく授業内容
 
メッセージ 日本史、世界史の知識がなくても理解できるように講義を工夫しますが、高校の教科書などで予習・復習すれば、さらに理解が深まります。また講義で示した参考文献で面白そうなものは図書館で手に取って読むことをお勧めします。 
その他   
すべての授業科目において,授業改善アンケートを実施していますので,回答に協力してください。
回答に対しては教員からコメントを入力しており,今後の改善につなげていきます。 
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