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年度 2025年度 開講部局 教育学部
講義コード CC245305 科目区分 専門教育科目
授業科目名 応用倫理学研究
授業科目名
(フリガナ)
オウヨウリンリガクケンキュウ
英文授業科目名 Research on Applied Ethics
担当教員名 桐原 隆弘
担当教員名
(フリガナ)
キリハラ タカヒロ
開講キャンパス 東広島 開設期 3年次生   前期   1ターム
曜日・時限・講義室 (1T) 金5-8:教L108
授業の方法 講義 授業の方法
【詳細情報】
対面
講義中心,プリント資料を使用 
単位 2.0 週時間 4 使用言語 J : 日本語
学習の段階 3 : 中級レベル
学問分野(分野) 23 : 人文学
学問分野(分科) 02 : 倫理学
対象学生
授業のキーワード 中学校社会、高等学校公民、応用倫理、応用倫理学 
教職専門科目   教科専門科目  
プログラムの中での
この授業科目の位置づけ
(学部生対象科目のみ)
基礎科目を履修したうえで,教科内容発展科目の1つの領域として倫理学に関する基礎的基本的な知識・理解,能力・技能を習得できるために,倫理学に関する教材内容研究を提供する。 
到達度評価
の評価項目
(学部生対象科目のみ)
中等教育科学(社会・地理歴史・公民)プログラム
(能力・技能)
・社会系内容領域の資料・データを収集・読解し,分析・批評できる
(総合的な力)
・調査・研究や教育実践,社会的活動等の成果をまとめ,プレゼンテーションできる 
授業の目標・概要等  大学では専門課程が進むにつれて,法学,政治学,経済学,社会学等の社会科学諸分野と,哲学・倫理学を含む人文学との接点が希薄となりがちです。しかし高校公民科の段階では,「倫理」が「政治・経済」と併設され,「公共」が「倫理」と「政治・経済」双方の内容を含むことに見られるように,倫理学を学ぶ際に社会諸科学の諸問題につねに向き合うことで,問題解決へのより確かな糸口をつかむことが期待されていると言えるでしょう。
 この場合,倫理分野には広い意味での「社会認識」の基礎理論の役割を果たすことが求められていると考えられます。というのは,倫理学は人間の行為とその動機(価値・規範)を三人称の観点から観察することだけでなく,一人称ないし二人称の当事者としてみずから価値や規範を批判的に吟味し,またこれらをみずから構築することを目指すからです。「社会認識」には「社会的実践」が密接に結びつきますが,その際に倫理(学)的観点が重要な役割を果たすのです。
 そこで本授業では,倫理学の学習を通して「社会認識の論理」を探求するという目標を掲げます。いくつかのトピックに絞って,社会科,地歴・公民科で想定されている社会認識の全体像をつかむことを目指します。 
授業計画 第1回 ガイダンス 倫理学的観点から見た社会認識①  「認識」の根本問題の探求;AIのアルゴリズム計算とは異なる人間固有の言語・思考は存在するのか
第2回 倫理学的観点から見た社会認識②  社会性・共同主観性の問題,脳科学と心身問題
第3回 社会認識と自然認識との相違① 環境倫理の動向と責任倫理,ハンス・ヨーナスvs. K-O.アーペル論争
第4回 社会認識と自然認識との相違② 環境倫理の動向と責任倫理,ハンス・ヨーナスvs. K-O.アーペル論争
第5回 社会認識と自然認識との相違③ 生命倫理の動向とエンハンスメント問題,ハーバーマスの論考の検討
第6回 社会認識と自然認識との相違④ 生命倫理の動向とエンハンスメント問題,ハーバーマスの論考の検討
第7回 文明と啓蒙① 理念(リベラリズム)の歴史進歩か,文明圏の勢力均衡か(『西洋の没落』vs.『啓蒙の弁証法』)
第8回 文明と啓蒙② 理念(リベラリズム)の歴史進歩か,文明圏の勢力均衡か(『歴史の終わり』vs.『文明の衝突』)
第9回 実証主義論争と社会認識の論理① アドルノvs.ポパーの60s末の論争を現代の観点から再検討する
第10回 実証主義論争と社会認識の論理② アドルノvs.ポパーの60s末の論争を現代の観点から再検討する
第11回 自由の本質① コンスタン~ミル~バーリンの自由論の系譜とびカント系列の言論自由論の比較
第12回 自由の本質② 現代のSNS言論規制の倫理的諸問題(ドイツ・ネットワーク執行法の危機を例に)
第13回 経済と人権① 疎外/物象化論のカント的観点からの再構成(新カント派〔コーエン〕および和辻)
第14回 経済と人権② 現代思潮(アドルノ,ハインリッヒ,クヴァンテ)の系譜づけを通じてのグローバル経済における人権確立の検討
第15回 まとめと復習

期末試験を実施する。項目ごとに小レポートを執筆する。 
教科書・参考書等 資料を事前にmoodleで共有します。 
授業で使用する
メディア・機器等
配付資料, 映像資料
【詳細情報】 配付資料,映像(ビデオ/PC/その他画像資料) 
授業で取り入れる
学習手法
ディスカッション
予習・復習への
アドバイス
各回の授業では,各トピックに関する資料と講師自身の既発表論文の内容を検討します。そのうえで,質疑応答・ディスカッションを経て,小レポートを執筆します。各回で用いる資料は事前に共有します。資料にあらかじめ目を通し,積極的にディスカッションに参加しましょう。 
履修上の注意
受講条件等
教科に関する科目:社会(「哲学,倫理学,宗教学」),公民(「哲学,倫理学,宗教学,心理学」)

授業終了後、内容についてのアンケート(質問や意見などを記入)を実施します。 
成績評価の基準等 小レポート,筆記試験等を総合して評価します。 
実務経験  
実務経験の概要と
それに基づく授業内容
 
メッセージ 倫理学研究および倫理教育に関心のある学生を歓迎します。 
その他 すべての授業科目において,授業改善アンケートを実施していますので,回答に協力してください。回答に対しては教員からコメントを入力しており,今後の改善につなげていきます。 
すべての授業科目において,授業改善アンケートを実施していますので,回答に協力してください。
回答に対しては教員からコメントを入力しており,今後の改善につなげていきます。 
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