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年度 2025年度 開講部局 総合科学部総合科学科
講義コード ASB09201 科目区分 専門教育科目
授業科目名 日本近現代社会論
授業科目名
(フリガナ)
ニホンキンゲンダイシャカイロン
英文授業科目名 Modern and Contemporary Japanese Society
担当教員名 横山 尊
担当教員名
(フリガナ)
ヨコヤマ タカシ
開講キャンパス 東広島 開設期 2年次生   後期   3ターム
曜日・時限・講義室 (3T) 火5-8:総K110
授業の方法 講義 授業の方法
【詳細情報】
対面
講義中心、板書多用 
単位 2.0 週時間 4 使用言語 J : 日本語
学習の段階 2 : 初級レベル
学問分野(分野) 23 : 人文学
学問分野(分科) 13 : 地域研究
対象学生
授業のキーワード 飲酒文化、飲酒規制、酒造業、酒税、禁酒運動、アルコール中毒 
教職専門科目   教科専門科目  
プログラムの中での
この授業科目の位置づけ
(学部生対象科目のみ)
 
到達度評価
の評価項目
(学部生対象科目のみ)
 
授業の目標・概要等 【テーマ:飲酒と禁酒の社会文化論】
本講義は〈飲酒と禁酒〉という観点から、近現代の日本社会をグローバルな文脈、それ以前の時代からのつながりを踏まえて捉えます。その際、酒がどう賞味され語られたかに加え、酒造とその技術、酒の流通販売の歴史的変容を示します。一方、人類史の中で、飲酒は権力や社会による規制の対象であり続けています。本講義は双方を学際的に論じ、「酒都」西条を含む日本の酒文化と酒をめぐる社会的諸問題を世界史的文脈の中で捉えることを目指します。 
授業計画 第1回 導入:〈飲酒と禁酒〉から日本と世界を読み解く意義
第2回 草創期の酒造りと飲酒文化
第3回 イスラムの禁酒・飲酒文化と西欧への伝播
第4回 欧米近代における蒸留酒と新大陸への拡散
第5回 古代・中世の日本における酒と権力と経済―酒宴と禁酒
第6回 江戸時代の酒造統制と酒の流通
第7回 琉球王国と泡盛・蒸留―南九州、東アジア世界と蒸留酒
第8回 近現代日本における酒税法の展開
第9回 日本酒の改良・研究と酒造地の変転―西条、玉島を中心に
第10回 近現代日本における洋酒産業―ワイン、ウィスキー、ビール
第11回 禁酒運動の誕生と全米禁酒法
第12回 ナチスドイツ下の禁酒運動―超医療管理体制内の繁栄と限界
第13回 アルコール中毒の発見とヨーロッパ各地の禁酒運動・政策
第14回 近代日本の禁酒運動と未成年者飲酒禁止法
第15回 現代日本の断酒運動とアルコール政策/まとめ

定期試験を実施します。 
教科書・参考書等 教科書は使用しません。講義中にレジュメを配布し、それに基づいて講義を行います。参考書は、横山尊による禁酒運動関係の諸論文、鈴木芳行『日本酒の近現代史』(吉川弘文館、2015年)、松下武志『酒害者と回復運動』(学文社、2007年)、岡本勝『禁酒法―「酒のない社会」の実験』(講談社、1996年)など。その他、講義中にたくさん紹介します。  
授業で使用する
メディア・機器等
配付資料, 映像資料, moodle
【詳細情報】 講義終了後のレジュメは、moodleを通じてダウンロード可能な状態にしておきます。復習に活用してください。 
授業で取り入れる
学習手法
ディスカッション, 授業後レポート
予習・復習への
アドバイス
第1回 講義の前提と目的を理解しよう。
第2回 人類が発酵の過程を発見してからいかに飲酒文化を形成したか。
第3回 〈イスラム=禁酒〉なる常識?を疑い、その飲酒文化のヨーロッパへの影響を知ろう。
第4回 蒸留酒という高度数の酒がもたらした影響の多様さを理解しよう。
第5回 古代・中世日本の酒の消費と公権力や宗教による飲酒制限のあり方を理解しよう。
第6回 江戸時代の飲酒、酒造統制、酒の流通・消費の性格を理解しよう。
第7回 琉球の泡盛と九州の焼酎という同じ蒸留酒のつながりを東アジア史の中で捉えよう。
第8回 近代日本でなぜ酒税が「財政の玉手箱」になったのか。
第9回 西条はいつ、なぜ、どのように名醸地になったか。
第10回 キリン、サッポロ、アサヒ、サントリーなどの洋酒メーカーの明治期からの展開を知ろう。
第11回 全米禁酒法の影響で実際には何が生じたのか。
第12回 健康に異常な関心を有したナチスは酒といかに対峙したか。
第13回 アルコール中毒が医療化した過程とヨーロッパ各地の禁酒運動の拡大の性格を理解しよう。
第14回 近代日本の禁酒運動が地域・職域社会で展開した多様さを理解しよう。
第15回 戦後に展開した断酒運動は禁酒運動とどう違うか、現在は何をしているかを知ろう。 
履修上の注意
受講条件等
高等学校や教養的教育で、日本史、世界史を学んでいる必要はありません。 
成績評価の基準等 期末試験、講義後のミニッツペーパー 
実務経験  
実務経験の概要と
それに基づく授業内容
 
メッセージ 日本史、世界史の知識がなくても理解できるように講義を工夫しますが、高校の教科書などで予習・復習すれば、さらに理解が深まります。また講義で示した参考文献で面白そうなものは図書館で手に取って読むことをお勧めします。 
その他   
すべての授業科目において,授業改善アンケートを実施していますので,回答に協力してください。
回答に対しては教員からコメントを入力しており,今後の改善につなげていきます。 
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