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年度 2024年度 開講部局 先進理工系科学研究科博士課程前期先進理工系科学専攻情報科学プログラム
講義コード WSN21901 科目区分 専門的教育科目
授業科目名 Analysis in Information Science
授業科目名
(フリガナ)
アナリシス イン インフォーメーション サイエンス
英文授業科目名 Analysis in Information Science
担当教員名 島 唯史
担当教員名
(フリガナ)
シマ タダシ
開講キャンパス 東広島 開設期 1年次生   前期   2ターム
曜日・時限・講義室 (2T) 木1-2,金1-2
授業の方法 講義 授業の方法
【詳細情報】
 
講義中心、板書多用 
単位 2.0 週時間   使用言語 E : 英語
学習の段階 5 : 大学院基礎的レベル
学問分野(分野) 25 : 理工学
学問分野(分科) 01 : 数学・統計学
対象学生
授業のキーワード グラフ,マルコフ連鎖,ランダムウォーク,調和関数 
教職専門科目   教科専門科目  
プログラムの中での
この授業科目の位置づけ
(学部生対象科目のみ)
 
到達度評価
の評価項目
(学部生対象科目のみ)
 
授業の目標・概要等 グラフ上のランダムウォークと電気回路の関係を調和関数を介して理解する。 
授業計画 授業の計画は以下の通り:
まず前半に最も大事な確率過程であるマルコフ過程を導入してその解説を行う。
第1回: 確率空間の導入  
第2回: マルコフ過程の導入 -具体例の提示-
第3回: マルコフ過程の導入 -数学的な枠組-
第4回: マルコフ性について -解説-
第5回: マルコフ性について -証明-
第6回: 演習
第7回: 止め時と吸収確率
次に,グラフ上の調和関数を導入する。これは局所的に定義される概念だが、前半で導入したマルコフ過程を用いると境界条件を満足する調和関数を大域的に構成できる。この点についての解説を行う。
第8回: 吸収確率
第9回: 調和関数
第10回: ディリクレ問題
第11回: ディリクレ問題の解の構成
与えられたグラフ上で(電池と抵抗を用いて)電気回路を作ると、それに付随してランダムウォークを考えることができる。このことを通して電気回路における電圧、電流といった量がランダムウォークにおける確率論的な量とどのように結び付いているのかを調べる。
第12回: 電圧と吸収確率
第13回: 電流の確率的解釈
第14回: 有効抵抗
時間が許せば,応用としてグラフ上のランダムウォークの再帰性、過渡性の判定について言及する。
第15回: 応用、再帰性と過渡性の判定

レポート問題を7月上旬に配布する. 
教科書・参考書等 Random walks and electric networks, Doyle, P.G.  and Snell, J.L.,
 The mathematical association of America, 1984
Modern Graph Theory, Bollobas, B., Springer, 1998
Markov Chain, Norris, J.R., Cambridge University Press, 1996
測度と確率 2,小谷 眞一,岩波講座 現代数学の基礎, 1997
確率過程入門, 西尾 眞喜子, 樋口 保成, 培風館, 2006
確率論, 熊谷 隆, 共立出版, 2003 
授業で使用する
メディア・機器等
 
【詳細情報】 参考資料をmoodle上で配布予定. 
授業で取り入れる
学習手法
 
予習・復習への
アドバイス
以下に各回の授業内容を簡単に紹介します。予習に役立てて下さい。
第1回: これまでで習った確率論の知識についての復習をします。
第2回: マルコフ過程の具体的な例を提示します。
第3回: マルコフ過程として取り扱われる数学的な枠組みを解説します。
第4回: マルコフ性についての説明、それから導かれる性質を説明します。
第5回: マルコフ性を証明します。
第6回: 具体的な問題を解いてみます。
第7回: 止め時という概念を導入して吸収確率を定めます。
第8回: マルコフ性を用いて吸収確率の計算をします。
第9回: グラフ上の調和関数を導入します。
第10回: グラフ上のディリクレ問題を単純なモデルを用いて解説します。
第11回: グラフ上のディリクレ問題の解をマルコフ過程を使って構成します。
第12回: 電圧と吸収確率の関係を解説します。
第13回: 電流の確率論的な意味付けを与えます。
第14回: 電気回路における有効抵抗とその確率論的な意味付けを与えます。
第15回: 再帰性と過渡性の判定への応用を解説します。 
履修上の注意
受講条件等
学部程度の線形代数,微分積分,確率論の知識を前提とする。 
成績評価の基準等 レポート 
実務経験  
実務経験の概要と
それに基づく授業内容
 
メッセージ 授業の内容は初歩的だが
できるだけ厳密に議論を展開する予定,
粘り強い思考を期待している。 
その他   
すべての授業科目において,授業改善アンケートを実施していますので,回答に協力してください。
回答に対しては教員からコメントを入力しており,今後の改善につなげていきます。 
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