年度 |
2024年度 |
開講部局 |
先進理工系科学研究科博士課程前期先進理工系科学専攻数学プログラム |
講義コード |
WSA41000 |
科目区分 |
専門的教育科目 |
授業科目名 |
数理解析基礎講義A |
授業科目名 (フリガナ) |
スウリカイセキキソコウギエー |
英文授業科目名 |
Mathematical Analysis A |
担当教員名 |
滝本 和広,平田 賢太郎,神本 晋吾,川下 美潮 |
担当教員名 (フリガナ) |
タキモト カズヒロ,ヒラタ ケンタロウ,カミモト シンゴ,カワシタ ミシオ |
開講キャンパス |
東広島 |
開設期 |
1年次生 前期 1ターム |
曜日・時限・講義室 |
(1T) 火7-8,木3-4:理B301 |
授業の方法 |
講義 |
授業の方法 【詳細情報】 |
|
講義中心,板書多用 |
単位 |
2.0 |
週時間 |
|
使用言語 |
B
:
日本語・英語 |
学習の段階 |
5
:
大学院基礎的レベル
|
学問分野(分野) |
25
:
理工学 |
学問分野(分科) |
01
:
数学・統計学 |
対象学生 |
博士課程前期 1年次生 |
授業のキーワード |
Banach空間,Hilbert空間,L^p空間,有界線形作用素,一様有界性原理,線形汎関数,コンパクト作用素 |
教職専門科目 |
|
教科専門科目 |
|
プログラムの中での この授業科目の位置づけ (学部生対象科目のみ) | |
---|
到達度評価 の評価項目 (学部生対象科目のみ) | |
授業の目標・概要等 |
関数解析学と呼ばれる分野の基礎的事項を解説します。関数解析学は現代の解析学の基礎をなすものであり,微分方程式の解析などに応用されています。 この授業では,Banach空間,Hilbert空間,線形作用素などについての基礎理論を学習し,具体例を通じて理解を深めていきます。 |
授業計画 |
第1回 ノルム空間と完備性 第2回 さまざまな関数空間(その1:C(I),B^m(I),C_0(R^n)など) 第3回 さまざまな関数空間(その2:ルベーグ空間L^p(R^n)など) 第4回 Banach空間とその性質(その1:積空間と商空間・完備化) 第5回 Banach空間とその性質(その2:有限次元ノルム空間はBanach空間) 第6回 Hilbert空間とその性質(その1:Schwarzの不等式・直交補空間) 第7回 Hilbert空間とその性質(その2:完全正規直交系・Schmidtの直交化) 第8回 有界線形作用素 第9回 一様有界性原理 第10回 開写像定理 第11回 線形汎関数と共役空間 第12回 Hahn-Banachの定理 第13回 弱収束と汎弱収束(その1:定義と例) 第14回 弱収束と汎弱収束(その2:反射的Banach空間における閉単位球の弱点列コンパクト性) 第15回 コンパクト作用素
なお,状況により授業の進度・順序・内容を変更することがあります。
最終回(第16回)に期末試験を行います。 |
教科書・参考書等 |
参考書: [1] 黒田成俊「関数解析」共立数学講座15,共立出版 [2] 増田久弥「関数解析」裳華房 [3] 藤田宏・黒田成俊・伊藤清三「関数解析」岩波基礎数学選書,岩波書店 [4] 宮寺功「関数解析」理工学社
授業は主に[1],[2]に沿って行いますが,省略する内容や追加する内容もあります。 |
授業で使用する メディア・機器等 |
|
【詳細情報】 |
必要に応じて資料を配付します。 |
授業で取り入れる 学習手法 |
|
予習・復習への アドバイス |
授業内容の復習を毎回しましょう。
第1回 線形代数と距離空間に関する用語が満載ですのでしっかり復習を。 第2回 ある性質を満たす関数全体の集合を考えます。講義前に関数列の一様収束の定義と性質の確認を。 第3回 L^p空間が登場します。慣れるまでが大変ですが,講義の復習や演習問題等を通じて慣れていきましょう。 第4回 一般のBanach空間の性質を扱いますので抽象的な話になります。まずは定理や命題の意味を値解することを目標に。 第5回 有限次元と無限次元の違いが垣間見えます。しっかり復習を。 第6回 Hilbert空間は内積が定義されたBanach空間です。イメージを浮かべながら理解に努めましょう。 第7回 直交補空間とは? 直交射影とは? 完全正規直交系とは? 第8回 この回からBanach空間からBanach空間への線形写像の話になります。最初が肝心ですのでしっかり復習を。 第9回 関数解析における重要な定理の一つです。その強力さを感じ取ってください。 第10回 第9回に同じ。 第11回 共役空間とは? 具体的なBanach空間の共役空間が何であるかの例は言えるようにしましょう。 第12回 Hahn-Banachの定理を学びます。一見すると分かりにくい定理ですが理解するまで復習を。 第13回 微分方程式への応用という側面では大変重要な概念です。具体例を通じて理解を深めましょう。 第14回 授業をしっかり復習して,定理の意味や有用性を理解しましょう。 第15回 コンパクト作用素とは? レゾルベントとは? スペクトルとは? そして期末試験は体調万全で臨みましょう。 |
履修上の注意 受講条件等 |
学部1,2年生で学習する解析学・線形代数学,および距離空間に関する内容は理解しているものとします。さらに,Lebesgue積分や複素解析学の初歩に関する講義を受講していることを望みます。 |
成績評価の基準等 |
授業中の平常点(25%程度),レポート課題(25%程度)および期末試験(50%程度)により評価を行う予定です。 ただし,履修者の理解度や状況によっては中間試験を行う場合もあります。その場合は,授業中の平常点20%程度,レポート課題20%程度,中間試験30%程度,期末試験30%程度で評価を行います。 |
実務経験 |
|
実務経験の概要と それに基づく授業内容 |
|
メッセージ |
関数解析学は奥が深く,とても2ヶ月間の講義で全部を解説するのは無理ですが,入口となる部分を解説しますので,しっかり習得して下さい。 |
その他 |
|
すべての授業科目において,授業改善アンケートを実施していますので,回答に協力してください。 回答に対しては教員からコメントを入力しており,今後の改善につなげていきます。 |