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年度 2024年度 開講部局 人間社会科学研究科博士課程前期人文社会科学専攻マネジメントプログラム
講義コード WMF03400 科目区分 専門的教育科目
授業科目名 地域分析
授業科目名
(フリガナ)
チイキブンセキ
英文授業科目名 Regional Analysis
担当教員名 柴田 浩喜
担当教員名
(フリガナ)
シバタ ヒロキ
開講キャンパス 東千田 開設期 1年次生   前期   セメスター(前期)
曜日・時限・講義室 (前) 木11-12:東千田第4演習室
授業の方法 講義 授業の方法
【詳細情報】
 
授業は、毎回配布するプリントに沿って講義を中心に行う。後半は授業の問題意識に応じたディスカッションを期待する。 
単位 2.0 週時間   使用言語 J : 日本語
学習の段階 6 : 大学院専門的レベル
学問分野(分野) 24 : 社会科学
学問分野(分科) 04 : 経営学
対象学生 大学院生
授業のキーワード 地域経済の自立・持続、政策分析、地域産業連関表、経済循環、経済格差、内発的成長、産業振興政策、地域環境政策、政策の経済効果、少子化、出生率地域格差、政策の人口効果 
教職専門科目   教科専門科目  
プログラムの中での
この授業科目の位置づけ
(学部生対象科目のみ)
 
到達度評価
の評価項目
(学部生対象科目のみ)
 
授業の目標・概要等 政策立案に当たって客観的な実証分析を行うEBPM(Evidence Based Policy Making)の潮流の中で、地域における様々な方策策定に当たっても、①問題定義から始まり、②証拠収集、③方策案設計、④評価基準選定、⑤結果予測、⑥意志決定、⑦公表といったプロセスから成る政策分析の重要性が増している。
「地域分析」は、地域を対象として政策分析の主に①~⑤に関する理論、分析手法、利用するデータ等について学ぶ。授業では、県や市町村の経済・産業、人口移動や出生率を政策分析の分野として取り上げ、具体的なデータを利用しながら、経済と人口の両方から、行政、企業、住民等の地域主体が連携して地域の持続性強化に取り組む知識とスキルの増進を図る。 
授業計画 第1回:オリエンテーション
 授業の目的、問題意識、アプローチの方法、社会的要請、分析対象のほか、評価の方法や参考文献等について説明を行う。また、授業の全体計画・構成について概説する。
第2回:地域経済の特性を測る経済量
域内総生産や所得、就業者数など地域経済の特性を把握する経済量について、データの定義・特徴、相互関係、出所、利用上の留意点について説明を行うとともに、実際に中国地域や県・市町村のデータをみる。
第3回:地域経済の構造分析(稼ぐ力と雇う力の分析)
地域の経済構造の定量的把握を可能にする地域産業連関表の仕組みについて概説とともに、中国地域、県・市町村のデータを利用して「稼ぐ力」や「雇う力」を持ち、地域経済の基盤となる産業を識別する手法について解説を行う。
第4回:地域経済の構造分析(回す力の分析)
地域経済の需要構造について学び、経済循環力である地域産業の「回す力」を把握する。
第5回:地域経済の自立(①理論と計測)
地域の経済的自立に関する理論について解説するとともに、地域の経済的自立性を定量的に把握するための手法として、域際収支の測定方法及びその経済的含意について解説を行う。
第6回:地域経済の自立(②分析の実施)
中国地域を生活圏に分割して、生活圏における域際収支の計測を行う。これにより中国地域が経済的自立性の観点からみてどのような地域構造を持つかを解説し、各地域の経済的な役割や地域間のつながりの観点から地域経済の自立のあり方について議論する。
第7回:経済構造分析のケーススタディ(①工業都市と農山村地域)
ここまで学んだ地域構造分析や域際収支の計測等を利用して、工業都市と農山村地域における特定地域を対象に、地域経済構造の事例分析を行う。これにより、当該地域の経済特性を踏まえた問題点、政策課題の抽出を行う。
第8回:経済構造分析のケーススタディ(②拠点都市圏と政策形成)
前回の続きとして、拠点都市圏を事例にして地域経済構造の分析を行う。また、工業都市、農山村地域、拠点都市圏の三つの事例分析を通して、自立性の高い地域経済形成のための政策について議論する。
第9回:政策分析と経済効果(①基礎知識)
実効性のある地域政策の形成のためには、実態分析に加え、実施した政策の効果把握やこれから実施する施策の効果シミュレーションが有効である。政策のアウトカム指標として重視されるようになっている経済効果の測定やシミュレーションに必要な基礎知識について解説を行う。
第10回:政策分析と経済効果(②測定方法)
政策の経済効果を計測する理論と分析手法、留意点等について解説を行う。企業の誘致、集客施設の整備、イベントの開催、観光の振興、地産地消の推進など、具体的な政策を取り上げて、経済効果の測定と分析を行う。
第11回:地域環境政策の経済効果
地域ぐるみで取り組む地域政策の効果を把握する事例として、再生可能エネルギーの地域循環システムを構築するケースを取り上げる。中山間地域で木質燃料等の域内循環を図ることは、CO2削減効果だけでなく、地域の技術構造と需要構造の転換を進め、新たな所得を地域内に生み出す。
第12回:出生率地域格差の要因分析のための基礎
都道府県や市町村の出生率には大きな地域格差があり、地域の社会経済特性が格差を生じる原因となっている。「何が地域の出生率を決めるのか」を明らかにして、出生率向上を図る施策を検討する準備として、合計特殊出生率に関する基礎知識と分析上の留意点について学ぶ。
第13回:都道府県の出生構造の要因分析
都道府県間の出生構造に差異をもたらしている社会経済要因について理論を学び、実際のデータに基づく要因分析を行う。また、要因分析の結果に基づく施策形成について議論を行う。
第14回:市町村の出生構造の要因分析
都道府県間の出生構造に差異をもたらしている社会経済要因について実際のデータに基づく要因分析を行い、都道府県の分析結果との比較を行う。また、要因分析の結果に基づき、市町村が取り組むべき施策形成について議論を行う。
第15回:要点の再確認
最後に、各自の問題意識や研究テーマに応じて、地域分析の活用可能性や課題等について発表してもらい、相互にディスカッションを行う。

A4・2頁程度のレポート提出によって評価を行う。 
教科書・参考書等 関連文献を随時提示する。 
授業で使用する
メディア・機器等
 
【詳細情報】 なし 
授業で取り入れる
学習手法
 
予習・復習への
アドバイス
毎回の講義の前に、前回講義やディスカッションの内容について思い起こし、疑問点がないか、再確認してください。 
履修上の注意
受講条件等
特になし 
成績評価の基準等 授業における議論への参加意欲(50点)と、問題意識の深さ、視点の新規性・発展性等に基づきレポート内容(50点)を評価する。 
実務経験 有り  
実務経験の概要と
それに基づく授業内容
本講義は、地域の政策形成支援において第一線で活躍する地域シンクタンク(公益財団法人中国地域創造研究センター)の主席研究員によって行われます。 
メッセージ 行政関係の方はもちろん、地域経済の活力アップにつながる事業に取り組むビジネスパースンやNPO職員の方の手がかりにもなるよう、地域の経済・産業を分析・理解する切り口・手法について考えたいと思っています。
SDGs_8 SDGs_11 
その他   
すべての授業科目において,授業改善アンケートを実施していますので,回答に協力してください。
回答に対しては教員からコメントを入力しており,今後の改善につなげていきます。 
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