年度 |
2024年度 |
開講部局 |
統合生命科学研究科博士課程前期統合生命科学専攻数理生命科学プログラム |
講義コード |
WG127003 |
科目区分 |
専門的教育科目 |
授業科目名 |
生物化学B |
授業科目名 (フリガナ) |
セイブツカガクビー |
英文授業科目名 |
Biological Chemistry B |
担当教員名 |
泉 俊輔 |
担当教員名 (フリガナ) |
イズミ シュンスケ |
開講キャンパス |
東広島 |
開設期 |
1年次生 後期 3ターム |
曜日・時限・講義室 |
(3T) 火7-10:理B305 |
授業の方法 |
講義 |
授業の方法 【詳細情報】 |
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講義中心、ディスカッション、 講義開始時のコロナウイルス感染状況によって変わります。最初の講義開始時にお伝えします。 |
単位 |
2.0 |
週時間 |
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使用言語 |
B
:
日本語・英語 |
学習の段階 |
5
:
大学院基礎的レベル
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学問分野(分野) |
25
:
理工学 |
学問分野(分科) |
07
:
化学 |
対象学生 |
博士課程前期1年次・2年次 |
授業のキーワード |
代謝,同化・異化,解糖系,TCAサイクル,脂質生合成,2次代謝,メバロン酸経路と非メバロン酸経路 |
教職専門科目 |
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教科専門科目 |
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プログラムの中での この授業科目の位置づけ (学部生対象科目のみ) | 化学プログラムの中の有機化学系科目の発展的内容である。 (代謝化学を有機化学的な視点でとらえる基本的な考え方を修得する。) |
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到達度評価 の評価項目 (学部生対象科目のみ) | |
授業の目標・概要等 |
糖,脂質など,生体構成成分の代謝およびエネルギー代謝について学ぶ。 特に,その(有機化学的な)反応機構から,その代謝系の戦略について理解・納得する。 |
授業計画 |
第1回:代謝とは何か 異化と同化,高エネルギーリン酸結合の本質
第2回:グルコースを分解するために リン酸化の意義,フラノースに異性化させる意味 第3回:解糖系の戦略 代謝経路の効率化,高エネルギーリン酸結合を作るために 第4回:できたNADHのリサイクルはどうすればいいの? 発酵の意義,コンフォース卿の酵素感
第5回:TCAサイクルの戦略Ⅰ―脱炭酸する構造
第6回:TCAサイクルの戦略Ⅱ―もっとNADHを! 第7回:ミトコンドリアの戦略―電池を作ってモーターを回す
第8回:解答系から電子伝達系までの復習 テスト形式で解答系から電子伝達系までの反応機構および代謝学の基礎をまとめる。
第9回:ピタゴラスとソラマメ ― ペントースリン酸化回路は何をしているのか? 第10回:糖新生の化学―逆,必ずとも真ならず。
第11回:脂質の代謝―リパーゼ加水分解とβ酸化の起源を考える 第12回:脂肪酸合成―ご飯(でんぷん)を食べても太る理由
第13回:二次代謝の化学―ステロイド・テルペノイドの代謝 第14回:テルペノイドの代謝―非メバロン酸経路の発見
第15回:代謝反応論のまとめ |
教科書・参考書等 |
ヴォート著 田宮信雄他訳「ヴォート生化学(上)(第3版)」(東京化学同人) |
授業で使用する メディア・機器等 |
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【詳細情報】 |
配付資料,映像(画像資料) 講義開始時のコロナウイルス感染状況によって変わります。最初の講義開始時にお伝えします。 |
授業で取り入れる 学習手法 |
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予習・復習への アドバイス |
第1回 1次代謝と2次代謝の区別がつきますか? ATPが高エネルギー化合物であることを、化学構造をもとに説明できますか? 第2回 グルコースをリン酸化したのはなぜだと思いますか? フルクトース型の糖に異性化させた理由がわかりますか? 第3回 解糖系における糖代謝過程について概略できますか? (高エネルギーリン酸結合の作り方を理解していますか?) アルドール縮合の反応機構を説明できますか? 第4回 なぜ嫌気条件では発酵過程が伴うのかわかりますか? アルコール発酵時の立体化学(prochiralityも含めて)を説明できますか? 第5回 β-ケト酸の脱炭酸の反応機構を書けますか?(例えばアセト酢酸エステル合成など) α-ケト酸を脱炭酸するために(生命は)どのような戦略を選んでいますか? 第6回 NADHとFADH2の作りわけが,酸化還元電位から説明できますか? TCAサイクルの諸反応の反応機構を立体化学も含めて理解していますか? 第7回 酸化還元電位を見て,反応が起こるかどうか予測できますか? 我々の体温の正体をエネルギーの観点から説明できますか?
第9回 NADHとNADPHとは我々の細胞の中でどのように使い分けられているのか説明できますか? ペントースリン酸サイクルを何周回ればグルコースはすべて二酸化炭素に変わりますか? 第10回 細胞内である反応が起こるかどうかを議論するためには,細胞内の基質と生成物の濃度を正確に知る必要があることを説明できますか?また,計算によって反応が正方向に進むか,逆方向に進むか予測できますか? 第11回 セリンを活性中心に持つ加水分解酵素の反応機構を説明できますか? β-酸化がTCAサイクルの戦略と似ていることがわかりますか? 第12回 β-酸化と脂肪酸生合成の共通点と相違点を理解していますか? なぜ不飽和脂肪酸はどのように生合成されるのか(立体化学も含めて)説明できますか? 第13回 メバロン酸経路のアウトラインを説明できますか? スクワレンからステロイド骨格が生合成されるときの反応を立体化学も含めて理解していますか? 第14回 第13回の講義の際に非メバロン酸経路の発見の総説を渡します。あらかじめこれを読んできてください。「常識・定説」を疑うことの大切さを理解してください。 |
履修上の注意 受講条件等 |
特にありません。 他学科からの履修を歓迎します。 |
成績評価の基準等 |
授業成績は期末試験(「知識・理解」を総括評価)のみで評価する。 期末試験の70%は知識を問う問題とし,30%は「あなたの考えを問う」問題である。 評価観点は以下の通り 1)各代謝反応を有機化学的に捉える力 2)生体反応の熱力学定数などの数値解析能力 3)生命現象や状態を図や言葉で表現する力 4)生体反応が進行するかどうか等をデータを元に判断する力 5)科学的に思考する力 |
実務経験 |
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実務経験の概要と それに基づく授業内容 |
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メッセージ |
生合成・代謝の基本はカルボニル化合物の反応です。 有機化学Ⅱを受講してから時間が経っているので,反応機構等でわからないことがあったら,マクマリー有機化学(中)を参照して下さい。またOffice Hourを設けています(最初の講義で説明)ので、利用してください。 |
その他 |
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すべての授業科目において,授業改善アンケートを実施していますので,回答に協力してください。 回答に対しては教員からコメントを入力しており,今後の改善につなげていきます。 |