年度 |
2024年度 |
開講部局 |
理学部 |
講義コード |
HG270000 |
科目区分 |
専門教育科目 |
授業科目名 |
物理化学IB |
授業科目名 (フリガナ) |
ブツリカガク1B |
英文授業科目名 |
Physical Chemistry IB |
担当教員名 |
岡田 和正 |
担当教員名 (フリガナ) |
オカダ カズマサ |
開講キャンパス |
東広島 |
開設期 |
2年次生 前期 2ターム |
曜日・時限・講義室 |
(2T) 水1-2,金7-8:理E002AV |
授業の方法 |
講義 |
授業の方法 【詳細情報】 |
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講義中心,板書多用 |
単位 |
2.0 |
週時間 |
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使用言語 |
B
:
日本語・英語 |
学習の段階 |
2
:
初級レベル
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学問分野(分野) |
25
:
理工学 |
学問分野(分科) |
07
:
化学 |
対象学生 |
理学部化学科 |
授業のキーワード |
調和振動子,剛体回転子,オービタル,動径分布関数,スピン,パウリの原理 |
教職専門科目 |
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教科専門科目 |
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プログラムの中での この授業科目の位置づけ (学部生対象科目のみ) | 講義内容は「基礎物理化学B」→「物理化学IB」(本講義)→「物理化学IIB」とつながっている。また本講義は「分子構造化学」や「量子化学」(ともに3年次第2ターム)とも深く関係してくるため,ここで取り扱う内容はいずれも重要なものばかりである。 |
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到達度評価 の評価項目 (学部生対象科目のみ) | 化学プログラム (知識・理解) ・物理化学,無機化学,有機化学の基礎的知識を徹底して理解し習得する ・基礎学問の論理的骨格や体系及び学問形成に必要な知識・技術を理解し習得する |
授業の目標・概要等 |
「基礎物理化学B」に引き続き,量子化学の入門として,調和振動子,剛体回転子,水素型原子についてシュレーディンガー方程式の解を求め,結果の物理的意味を講義する。最後に,多電子原子の電子構造をとりあげる。必要に応じて演習課題を課す。 |
授業計画 |
第1講 導入--量子力学の仮説および波動方程式(復習) 振動--古典的振動 第2講 振動--二原子分子の振動 第3講 振動--量子力学的振動子 第4講 回転--二次元の回転(古典論) 第5講 回転--二次元の回転(量子論) 第6講 回転--三次元の回転 第7講 まとめ(中間試験) 第8講 水素型原子--動径波動方程式 第9講 水素型原子--原子軌道 第10講 水素型原子--原子軌道の性質 第11講 水素型原子--動径分布関数 第12講 多電子原子--スピンとパウリの排他原理 第13講 多電子原子--軌道近似 第14講 多電子原子--摂動論による取扱い 第15講 多電子原子--構成原理 第16講 まとめ(期末試験)
中間試験と期末試験を実施する。 |
教科書・参考書等 |
講義の補助として,資料を用いる。 化学プログラム物理化学系科目の共通教科書: P. Atkins & J. de Paula著,中野・上田・奥村・北河訳,物理化学(上)第10版,東京化学同人. トピック8B~9B.2の内容を扱う。 併用する講義テキスト: H. O. Hayward著,立花明知訳,入門量子化学,化学同人. 第4章~第7章の内容を中心に講義する。在庫僅少で入手が難しくなっているかも知れない。 参考書: 日本人が著した教科書としては大部な一冊であるが,数式の展開を詳細に記述して丁寧に解説されたテキストが 類家正稔,詳解量子化学の基礎,東京電機大学出版局. である。本書は本講義のコースリザーブとして,次のURLから電子書籍版を読むことができる。 https://elib.maruzen.co.jp/elib/html/BookDetail/Id/3000006501 2021年7月に第2版が出版された。この電子書籍版も2024年3月現在試読サービス中である。 https://elib.maruzen.co.jp/elib/html/BookDetail/Id/3000118193 そのほか,本講義の範囲をカバーしたテキストとして L. Pauling & E. B. Wilson, Jr.著,渡辺正訳,量子力学入門:化学の土台,丸善出版. 志田忠正,化学結合(現代化学への入門3),岩波書店. を挙げておく。後者は現在書店での入手が困難であるため,図書館を利用するとよい。また,英訳版がSpringerから出版されている。これを機会に英語の原書を読んでみるのもよい。邦訳されていない英語テキストとしては,例えば M. A. Ratner & G. C. Schatz, Introduction to Quantum Mechanics in Chemistry, Prentice-Hall. J. E. House, Fundamentals of Quantum Mechanics, 3rd Ed., Academic Press. P. Atkins & R. Freeman, Molecular Quantum Mechanics, 5th Ed., Oxford University Press. がある。また,必要な数学を記述した教科書として D. A. McQuarrie著,藤森・松澤・筑紫訳,マッカーリ化学数学,丸善出版. J. R. Barrante, Applied Mathematics for Physical Chemistry, 3rd Ed., Waveland Press. を紹介しておく。最後に,化学用語の正しい理解と正しい使い方のため 玉虫・井上・梅澤・小谷・鈴木・務台,エッセンシャル化学辞典,東京化学同人. を手元において参照することを勧める。 |
授業で使用する メディア・機器等 |
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【詳細情報】 |
プレゼンスライド |
授業で取り入れる 学習手法 |
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予習・復習への アドバイス |
第1講 「基礎物理化学B」のノートを復習しておく。また,共通教科書基本事項B.2およびテキスト4.2.1節を読む。 第2講 共通教科書トピック8B.1,テキスト4.2.1節を読む。 第3講 共通教科書トピック8B.2,テキスト4.2.2節~4.2.4節を読む。調和振動子のエネルギーを表す式は? 第4講 共通教科書トピック8C.1(a)と(b),テキスト5.1.1節・5.1.2節を読む。角運動量とは? 慣性モーメントとは? 第5講 共通教科書トピック8C.1(b)と(c),テキスト5.1.2節・5.1.3節を読む。 第6講 共通教科書トピック8C.2,テキスト5.2節を読む。空間量子化が理解できたか? 第7講 講義内容の確認と復習をする。 第8講 共通教科書トピック9A.1,テキスト6.4節・6.5節を読む。 第9講 共通教科書トピック9A.2(a)~(d),テキスト6.6節を読む。 第10講 共通教科書トピック9A.2(e)と(g),テキスト6.6節を読む。 第11講 共通教科書トピック9A.2(f),テキスト6.6節を読む。 第12講 共通教科書トピック9B.1(a)~(c),テキスト5.3節・7.4節を読む。 第13講 共通教科書トピック9B.1を再度読む。 第14講 摂動論の基礎について調べる。 第15講 共通教科書トピック9B.2,テキスト7.6節・7.10節・7.11節を読む。 第16講 講義内容の確認と復習をする。 |
履修上の注意 受講条件等 |
この授業科目は化学科必修科目である。また,この授業科目は化学副専攻プログラム提供科目のひとつである。副専攻として本講義を受講する学生もいるが,予復習をしっかり行って良い成績を修めている。 |
成績評価の基準等 |
中間試験(40%),期末試験(60%)の成績により評価する。再試験・追試験は実施しない。 |
実務経験 |
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実務経験の概要と それに基づく授業内容 |
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メッセージ |
「基礎物理化学B」の内容を既知として講義を進める。復習を欠かさず行うこと。また,分からない箇所は放っておかず,どこがどのように分からないか自己分析した上で,早いうちに質問すること。量子化学のテキストは数多く出版されており,それぞれに特徴があって,名著も多い。図書館を充分に活用し,自分に適した参考書を見つけて欲しい。量子化学の基礎概念の理解は化学科の学生にとって必須であり,化学科が開設する講義すべての基盤となる。 |
その他 |
情報メディア教育研究センターで提供している授業支援システム(広大moodle)に,本講義に関連した資料を随時掲載する予定である。広大moodleの使い方に慣れておくこと。 本講義は,板書を英語で,口頭説明を日本語でおこなう。 |
すべての授業科目において,授業改善アンケートを実施していますので,回答に協力してください。 回答に対しては教員からコメントを入力しており,今後の改善につなげていきます。 |