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年度 2024年度 開講部局 理学部
講義コード HC051000 科目区分 専門教育科目
授業科目名 統計力学I
授業科目名
(フリガナ)
トウケイリキガク1
英文授業科目名 Statistical Mechanics I
担当教員名 嶋原 浩
担当教員名
(フリガナ)
シマハラ ヒロシ
開講キャンパス 東広島 開設期 3年次生   前期   セメスター(前期)
曜日・時限・講義室 (前) 水3-4:理E102
授業の方法 講義 授業の方法
【詳細情報】
 
講義中心,板書多用,自宅学習必須 
単位 2.0 週時間   使用言語 J : 日本語
学習の段階 4 : 上級レベル
学問分野(分野) 25 : 理工学
学問分野(分科) 06 : 物理学
対象学生 理学部物理科学科3年生
授業のキーワード 統計力学,熱統計平均,等重率の原理,ボルツマンの原理,小正準集団,正準集団,大正準集団,古典理想気体の状態方程式,自由エネルギー 
教職専門科目   教科専門科目  
プログラムの中での
この授業科目の位置づけ
(学部生対象科目のみ)
統計力学I・IIは,学部3年生までのカリキュラムの集大成ともいえる重要科目で,4年生の卒業研究や大学院での研究の基礎となる重要な内容を学習します.前期のIでは,統計力学の考え方や定式化の基礎,初歩的な応用を学習し,後期のIIで学習する,同種粒子の量子統計力学や相転移などの,より高度な応用の準備をします. 
到達度評価
の評価項目
(学部生対象科目のみ)
物理学プログラム
(知識・理解)
・物理数学,力学,電磁気学,熱力学,統計力学,量子力学の知識・理解 
授業の目標・概要等 統計力学の考え方や定式化の基礎を身につけ,初歩的な応用を理解することを目標とする. 
授業計画 第1回 導入
 ・統計力学のアイディアと構成
 ・統計集団と熱統計平均
第2回 微視的状態の記述
 ・古典系と量子系
 ・古典統計における量子力学
第3回 統計力学の基本原理
 ・等重率の原理
 ・不可逆過程の微視的説明
 ・ボルツマンの原理
第4回 小正準集団の方法
 ・温度の統計力学的理解
 ・温度と熱平衡
第5回 小正準集団の方法の応用1
 ・古典理想気体
 ・エネルギー等分配則
第6回 小正準集団の方法の応用2
 ・スターリングの公式
 ・2準位系
第7回 正準集団の方法
 ・正準分布の導出と分配関数
 ・物理量の求め方
第8回 正準集団の方法の応用1
 ・古典理想気体
第9回 正準集団の方法の応用2
 ・2準位系
 ・相互作用のない場合の一般論
第10回 中間試験(予定)
第11回 正準集団の方法の応用3
 ・調和振動子系
 ・量子統計の古典極限
第12回 物理量のゆらぎ
 ・ゆらぎと平均値
 ・磁化のゆらぎと帯磁率
第13回 大正準集団の方法1
 ・大正準分布の導出と大分配関数

第14回 大正準集団の方法2
 ・物理量の求め方
 ・古典理想気体への適用
第15回 相互作用系の統計力学


期末試験に加えて,中間試験も実施する予定.授業の進度や授業時間の余裕を考慮しつつ,適宜,小テストやレポートも実施する.


大筋は上記の計画に沿うが,受講生の理解度や周辺の授業の様子など,状況をみて適宜修正しつつ授業を行う.
 
教科書・参考書等  参考書は指定しませんが,各自,市販の統計力学の教科書を一冊は購入し,学習してください.演習書は,「大学演習 熱学・統計力学」(裳華房・久保亮五編)を推薦します.教科書は例として,「統計力学」(共立出版・久保亮五),「統計力学」(裳華房・市村浩)などがあります。
 
授業で使用する
メディア・機器等
 
【詳細情報】 板書を多用します.講義ノートは省略せずに,できるだけ100%を目指してしっかりととってください.また,機械的に写すのではなく,出来るだけ内容を理解しながら写すようにしてください.
 プリントを配布しますが,プリントは講義ノートの代わりではなく,あくまでも補助の教材であり,講義ノートをきちんととっていることを前提としています. 
授業で取り入れる
学習手法
 
予習・復習への
アドバイス
 授業は毎回,前回までのすべての授業内容を前提として行われるので,復習は必ず毎週,十分に行ってください.復習は,まず講義ノートの内容を十分に理解し,その上で,プリントもしくは各自購入した市販の教科書や演習書の関連する練習問題を解き,知識を定着させてください.1~2問程度の問題演習でも,何もしないよりははるかに効果的です.具体的な問題を解こうとすると,実はあまりよく理解していなかったことが明らかになることがありますが,そのときは基礎に戻って,十分に意味をよく理解してから再挑戦してみてください.予習はとくに必要なく,前回までの授業の内容を十分によく理解しておくことが予習となります. 
履修上の注意
受講条件等
 物理学プログラムの前年までの専門基礎科目を十分によく理解していることが履修の必要条件です.とくに,力学I・II,量子力学I,熱力学は結びつきが強く必須です.数学は,定積分の定義(区分求積法)や,指数関数や対数関数,簡単な微分積分など,基礎がしっかり身についていることが必要です。
 分からないところがあれば,質問に来て積極的に解決してください. 
成績評価の基準等  成績は平常点10%(程度),中間試験得点30%(程度),期末試験得点60%(程度)を基礎に,総合的に評価します.平常点は小テスト,レポート,普段の取り組み状況などから評価します.追試・追レポートは実施しません。プリントには重要な連絡が書かれているので,毎回必ず目を通してください。
 
実務経験  
実務経験の概要と
それに基づく授業内容
 
メッセージ  統計力学は,ミクロの世界とマクロの世界をつなぐ物理学として,あらゆる近代物理学や科学技術の基礎となる,人類の貴重な財産の一つといっても過言ではありません.前期の内容は,エントロピーや温度,不可逆性といった重要概念のミクロな理解といった重要事項を含むのみならず,後期の極めて重要な応用への足場となりますので,しっかり学習し,理解しておいてほしいと思います.
 
その他 この授業は物理学プログラムの中で開講されることを想定してデザインされていますので,他学部他学科の学生が受講する場合には,難易度が高くなり,強い興味と学習意欲に加えて,十分な予備知識がないと現実の履修は困難と思われます.
 
すべての授業科目において,授業改善アンケートを実施していますので,回答に協力してください。
回答に対しては教員からコメントを入力しており,今後の改善につなげていきます。 
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