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年度 2024年度 開講部局 教育学部
講義コード CC245605 科目区分 専門教育科目
授業科目名 法学研究
授業科目名
(フリガナ)
ホウガクケンキュウ
英文授業科目名 Study of Legal Science
担当教員名 畑 浩人
担当教員名
(フリガナ)
ハタ ヒロト
開講キャンパス 東広島 開設期 3年次生   前期   1ターム
曜日・時限・講義室 (1T) 木1-4:教K109
授業の方法 講義 授業の方法
【詳細情報】
 
講義中心、板書(映写)多用、ディスカッションと学生の発表(FORMSへの相互参照レポート)。 
単位 2.0 週時間   使用言語 J : 日本語
学習の段階 2 : 初級レベル
学問分野(分野) 24 : 社会科学
学問分野(分科) 01 : 法学
対象学生 「国家と社会」の規制関係や「国家と市民」とのせめぎ合いといったテーマへの関心が旺盛な諸君
授業のキーワード 法の支配、犯罪社会学、非行の社会学、少年法、刑事政策、シカゴ学派、社会解体、緊張、コントロール理論、ラベリング論 
教職専門科目   教科専門科目  
プログラムの中での
この授業科目の位置づけ
(学部生対象科目のみ)
 小職が担当する一連の法学系4科目の3つ目です。
 ルールからの逸脱が理解と分析の対象となるので、法制度の運用や機能を探る応用編になりますが、刑事政策の分野にしぼって制度面の解説も多いので基本的な知識の獲得が主要な課題になるでしょう。 
到達度評価
の評価項目
(学部生対象科目のみ)
中等教育科学(社会・地理歴史・公民)プログラム
(知識・理解)
・中等社会系公民領域の教育内容に関する基本的な知識が身に付いている
(能力・技能)
・社会系内容領域の資料・データを収集・読解し,分析・批評できる 
授業の目標・概要等  犯罪社会学の視点を拠り所にしながら、現行刑事法の運用過程や関連政策を「学修」することによって、理論的及び実践的双方の社会認識を深め、かつ、国家権力の限界と自由な社会の確保に関するリアルな視点も新たに獲得して、国家体制のあり方を常に相対化し批判的に吟味できる能力をつけて、公民科教員としての資質を充実させること。 
授業計画  旧カリキュラムでは統治機構原論や政治思想史といった専門科目があったものの、現行カリキュラムではそのような名称の科目がなくなっているので、この法学研究という授業では犯罪社会学の視点を窓口にして、現行の刑事法ルールがどのように運用されているかを外観することで、規範の原理にまでたちかえって考察してみたい。
 講義はテキストを毎回1章ずつ進めて行く。
第1回 第1章 犯罪に機能がある?:犯罪・非行の社会学の考え方と理論の展開
第2回 第2章 犯罪・非行への接近:犯罪社会学の方法
第3回 第3章 犯罪・非行の公式統計:犯罪統計の読み解き方
第4回 第4章 罪を犯した人の処遇:刑事司法のしくみと今日的課題(裁判過程)
第5回 (承前) 矯正過程:施設内と社会内での処遇     
第6回 第5章 犯罪報道の功罪――マス・メディアが伝える少年非行
第7回 第6章 犯罪・非行とコミュニティ――社会解体論と環境犯罪学
第8回 第7章 緊張が犯罪を生む?――緊張理論
第9回 第8章 犯罪行動が学習される?――学習理論
第10回 第9章 犯罪・非行をしないのはなぜか?――コントロール理論
第11回 第10章 レッテル貼りが逸脱を生む逆説――ラベリング論
第12回 第11章 犯罪学における未完のプロジェクト――批判的犯罪学
第13回 第12章 犯罪被害者をめぐる諸問題――被害者学
第14回 第13章 「安全・安心」化とその増幅循環――不安と排除の現代社会論
第15回 第14章 犯罪・非行からの「立ち直り」?――社会構想への接続
 最終回 論述試験
 2017年度は午前中の2コマ連続を利用して、児童自立支援施設・県立広島学園と東広島市立もみじ中学校(同じ建物に併設)を訪問見学しました。 
教科書・参考書等 テキスト:岡邊 健 編『犯罪・非行の社会学:常識をとらえなおす視座』有斐閣ブックス、2014年、ISBN 978-4-641-18418-3、322頁、
 http://www.yuhikaku.co.jp/books/detail/9784641184183
→ 2020年9月に補訂版(http://www.yuhikaku.co.jp/books/detail/9784641184534)が出ましたが、全320頁なので内容構成はほぼ一緒です。
 講義レジュメと参考資料はTEAMSの投稿欄に掲載。 
授業で使用する
メディア・機器等
 
【詳細情報】 テキスト,TEAMS上で配付する電子資料,映像(ビデオやPC再生による画像資料)
テキストで紹介されている映画をいくつか揃えましたので、放課後に視聴してレポート書いてもらってもよいです。
 第4章 犯罪者への処遇:『マイノリティ・リポート』(2002年、トム・クルーズ主演)
 第5章 犯罪報道の功罪:『マッド・シティ』(1997年、ダスティン・ホフマン&ジョン・トラボルタ共演)
 第11章 批判的犯罪学:『殺人狂時代』(1947年、チャールズ・チャプリン主演)
 第13章 安全・安心化:『LOOK』(2008年、米国)
 第14章 立ち直り:『BOY A』(2007年、英国)
 
授業で取り入れる
学習手法
 
予習・復習への
アドバイス
 毎回、事前にテキストの該当箇所をよく読んで出て来ること。
 不明な点は自分で調べたあと、残った疑問点については文書で質問しておくこと。講義で生じた不明な点も学修記録として書き残すこと。 
履修上の注意
受講条件等
 文部科学省令「大学設置基準」第21条2項により、大学で2単位を取得するには90時間の「学修」が必要です。講義は30時間分しかないので、残り60時間は授業時間外に各自で予習復習などをして、しっかり内容を消化吸収してください。きっと社会認識上の別世界への誘いとなるでしょう。 
成績評価の基準等  期末試験(50点)と毎回の確認レポート(5点×10回=50点)の成績によって評価する。
 レポートはFORMSで投稿してもらい、成果を受講者が相互に参照できるようにします。 
実務経験  
実務経験の概要と
それに基づく授業内容
 
メッセージ  犯罪の統制をめぐって国家が何を行い、市民には何が出来るのかを探ってみましょう。
 この授業で得られた知見や観点は学校での生徒指導にも応用できるはずです。
 今年度から教室を映写機や卓上モニターが設置されているK208に変更してもらいました!(^^)! 
その他 関連白書のURL:1 司法統計 https://www.courts.go.jp/app/sihotokei_jp/search
          >年報>刑事事件編、少年事件編
 2  犯罪白書 http://hakusyo1.moj.go.jp/jp/nendo_nfm.html
 3 警察白書 https://www.npa.go.jp/publications/whitepaper/index_keisatsu.html
 4 犯罪被害者白書  https://www.npa.go.jp/hanzaihigai/kohyo/whitepaper/whitepaper.html 
すべての授業科目において,授業改善アンケートを実施していますので,回答に協力してください。
回答に対しては教員からコメントを入力しており,今後の改善につなげていきます。 
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