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年度 2024年度 開講部局 教育学部
講義コード CC222806 科目区分 専門教育科目
授業科目名 幾何学研究法II
授業科目名
(フリガナ)
キカガクケンキュウホウII
英文授業科目名 Research Methods in Geometry II
担当教員名 寺垣内 政一
担当教員名
(フリガナ)
テラガイト マサカズ
開講キャンパス 東広島 開設期 3年次生   後期   4ターム
曜日・時限・講義室 (4T) 火5-8:教L107
授業の方法 講義 授業の方法
【詳細情報】
 
講義中心、演習中心、板書多用、ディスカッション、学生の発表 
単位 2.0 週時間   使用言語 J : 日本語
学習の段階 3 : 中級レベル
学問分野(分野) 25 : 理工学
学問分野(分科) 01 : 数学・統計学
対象学生 教育学部生,特に数理系コース
授業のキーワード グラフ理論,離散数学 
教職専門科目   教科専門科目  
プログラムの中での
この授業科目の位置づけ
(学部生対象科目のみ)
専門科目 
到達度評価
の評価項目
(学部生対象科目のみ)
中等教育科学(数学)プログラム
(知識・理解)
・数学教育の教科内容に関する基本的な知識を理解する。
(能力・技能)
・数学教育の代数,幾何,解析,統計,コンピュータなどの教科内容に関する数学的な思考力を身に付け,活用することができる。 
授業の目標・概要等 授業の到達目標及びテーマ
・離散グラフの理論の主要な話題を知る
・他分野や日常生活,社会における離散グラフの適用例を知る

授業の概要
高等学校「数学活用」の内容として解説に例示されている離散グラフの理論について,主要な話題を扱う.たとえば,一筆書き,ハミルトン閉路,地図の塗り分けといった問題が登場する.グラフ理論の良さの一つは,予備知識がほとんどいらないことである.グラフという対象は,本来は離散データの集合体でしかないが,1次元図形として把握することもでき,抽象的な傾向の強い現代数学の中にあって,具体的かつ視覚的な対象として扱えることも利点である.

 
授業計画 第1回:グラフ,握手補題,次数列
第2回:部分グラフ,同型,補グラフ
第3回:グラフ上の距離
第4回:木
第5回:ハミルトン性
第6回:ラムゼー理論
第7回:平面グラフ
第8回:頂点彩色
第9回:4色定理
第10回:無彩色数,彩色多項式
第11回:交差数,種数
第12回:ラベリング
第13回:隣接行列とスペクトル
第14回:ラプラシアン
第15回:グラフ理論における様々な話題

第16回に期末試験を実施する. 
教科書・参考書等 教科書は指定しないが,教材プリントをmoodleを通じて配布する.
各自がダウンロードすること.
グラフ理論に関する邦書は豊富に存在する.
図書館等で入手しておくとよい.
また,英文の良書も豊富にある.以下の文献を推薦する.

Pearls in Graph Theory,N.Hartsfield and G.Ringel,Academic Press
Graph Theory, J.A.Bondy and U.S.Murty, Springer
Graph Theory, R.Diestel, Springer
 
授業で使用する
メディア・機器等
 
【詳細情報】 moodleを通じてテキストを配布します.また,過去の試験問題もアップします. 
授業で取り入れる
学習手法
 
予習・復習への
アドバイス
第1回:グラフ,握手補題,次数列
グラフとは何なのか.定義のあと,やさしいが基本的かつ重要な握手補題を紹介する.
次数列も話題に出す.

第2回:部分グラフ,同型
第1回に引き続いて,理論の基本となる概念の紹介である.

第3回:グラフ上に定義される距離について議論する.

第4回:木
グラフにはさまざまな種類があるが,「木」はもっとも基本的なグラフの族である.
木の持つ特徴的な性質を扱う.

第5回:ハミルトン性
ハミルトン性とよばれる概念がある.すべての頂点を1回ずつ通って
もとの頂点にもどってこれるかという問題である.
ハミルトン性の特徴づけは未解決であり,グラフ理論における
重要問題である.

第6回:ラムゼー理論
ラムゼー理論とよばれるテーマを扱う.
高校での授業実践の経験もあるが,教材としても十分に活用できる.

第7回:平面グラフ
幾何の対象としてグラフを扱うとき,平面に埋め込めるかどうかを
1つの基準として,グラフの複雑さを図ることができる.

第8回:頂点彩色
第9回:4色定理
グラフ理論の中のおおきなテーマとして彩色問題がある.
著名な地図に塗り分けに関する4色問題もこの範疇にある.
2回にわけて,頂点に色を割り振る問題と辺に色を割り振る問題を扱う.

第10回:無彩色数,彩色多項式
グラフの頂点彩色に関連して,2つの話題を扱う.

第11回:交差数,種数
グラフが平面的グラフからどれだけ離れているのかを測る
2つの不変量を紹介する.

第12回:ラべリング
パズル 的な問題だが,グラフのラベリングというテーマがある.
これに従事する研究者を「ラベラー」とよぶそうだ.
数あるラベリング問題の中から
魔方陣に関わるマジックラベリングと,美しいラベリングである
優美ラベリングなどを紹介する.

第13,14,15回:代数的グラフ理論
グラフに対して,隣接行列という対称行列を対応させることができる.
この時点でグラフの情報は何1つ失われていない.その行列の固有値を
スペクトルをよぶ.代数的グラフ理論では,スペクトルから元のグラフのどのような
性質を見極められるかということが主題となる. 
履修上の注意
受講条件等
予備知識はほとんど必要としないところが,この分野のよいところである.
また,ほとんどの証明が帰納法と背理法によって行われる.
高校数学への活用も視野にいれて,受講してほしい. 
成績評価の基準等 期末試験(100%)によって成績を評価する. 
実務経験  
実務経験の概要と
それに基づく授業内容
 
メッセージ いうまでもないが,自らすすんで教室の後方に着席するようなことを
教育学部3年生がしてはいけない.
教育実習を経験し,授業者としての立場も知っているのだから,大学の講義であろうと
授業者の立場を考え,いかに受講生としてこの授業に貢献できるかという視点を
もって受講してほしい.それが他の学部の学生と教育学部の学生の差であるべきだ. 
その他   
すべての授業科目において,授業改善アンケートを実施していますので,回答に協力してください。
回答に対しては教員からコメントを入力しており,今後の改善につなげていきます。 
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