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年度 2024年度 開講部局 教育学部
講義コード CC222705 科目区分 専門教育科目
授業科目名 幾何学研究法I
授業科目名
(フリガナ)
キカガクケンキュウホウI
英文授業科目名 Research Methods in Geometry
担当教員名 寺垣内 政一
担当教員名
(フリガナ)
テラガイト マサカズ
開講キャンパス 東広島 開設期 3年次生   前期   1ターム
曜日・時限・講義室 (1T) 水5-8:教L109
授業の方法 講義 授業の方法
【詳細情報】
 
講義中心ですが,演習の時間をとり,頻繁に受講生と議論を持ちます. 
単位 2.0 週時間   使用言語 J : 日本語
学習の段階 3 : 中級レベル
学問分野(分野) 25 : 理工学
学問分野(分科) 01 : 数学・統計学
対象学生 教育学部生,特に数理系コース
授業のキーワード 微分幾何,平面曲線,空間曲線,空間内の曲面 
教職専門科目   教科専門科目  
プログラムの中での
この授業科目の位置づけ
(学部生対象科目のみ)
専門科目 
到達度評価
の評価項目
(学部生対象科目のみ)
中等教育科学(数学)プログラム
(知識・理解)
・数学教育の教科内容に関する基本的な知識を理解する。
(能力・技能)
・数学教育の代数,幾何,解析,統計,コンピュータなどの教科内容に関する数学的な思考力を身に付け,活用することができる。 
授業の目標・概要等 到達目標及びテーマ
・初等,中等教育数学科において扱われる曲線,曲面の内容について把握する
・古典的微分幾何学における曲線論,曲面論の主要な概念,問題意識を理解する

授業の概要
 線や面が「曲がっている」とはどういうことか.曲面という用語は算数から登場する.素朴な理解から,古典的微分幾何学の範疇での厳密な理解への移行が主題である.初等,中等教育数学科における曲線や曲面の内容の俯瞰から始めて,平面曲線論,空間曲線論,曲面論を扱う.数学的な厳密性よりは,教員を目指す学生に対して,論理の背後にある本質的なアイデアや自然な理論の流れを知ってもらう.
 
授業計画 第1回:高校までの数学科における曲線,曲面
第2回:平面曲線,弧長変数表示
第3回:平面曲線の曲率
第4回:空間曲線
第5回:空間曲線の曲率と捩率
第6回:フレネ・セレの公式と曲線論の基本定理
第7回:空間内の曲面,接ベクトルと法ベクトル
第8回:曲面の第1基本量
第9回:曲面の第2基本量
第10回:法曲率と主曲率
第11回:ガウス曲率と平均曲率
第12回:ガウスの公式,ワインガルテンの公式
第13回:可積分条件
第14回:ガウスの驚異の定理
第15回:リーマン幾何学

第16回に期末試験を実施する.原則,追試験は行わない. 
教科書・参考書等 教科書は指定しないが,教材プリントを配付する.各自,moodleを通じて初回からダウンロードして持参すること.
微分幾何学のよい参考書は豊富に存在する.
図書館等で借りて,手元においておくとよい.

「曲線と曲面-微分幾何的アプローチ-」,梅原雅顕,山田光太郎,裳華房
「幾何学は微分しないと~微分幾何学入門~」,中内伸光,現代数学社
「曲線と曲面の微分幾何」,小林昭七,裳華房
「曲空間の幾何学」,P.M.H.ウィルソン,朝倉書店
 
授業で使用する
メディア・機器等
 
【詳細情報】 moodleを通して,テキストを配布します. 
授業で取り入れる
学習手法
 
予習・復習への
アドバイス
第1回 高校数学で扱われる平面曲線,曲面の内容について俯瞰する.高校の教科書をみたうえできくとよい.

第2-3回 古典微分幾何における平面曲線論を扱う.媒介変数表示によって平面曲線は表示されるという点で,高校数学と変わりはない.曲線が曲がっているとはどういう意味か,曲率という概念を使って数量化されることがおもしろい.

第4-6回 平面曲線論に続いて,空間曲線論を扱う.媒介変数表示を用いるなど,共通点もあるが,
曲率だけではとらえられず,捩率という概念が必要になる.

第7回 平面曲線について著名な定理である4頂点定理を扱う.

第8回 空間内の曲面の正確な定義をのべ,曲面の曲がり具合を測定するための基礎となる接ベクトル,法ベクトルを導入する.

第9-12回 空間内の曲面の曲がり具合を表現するために,第1及び第2基本量を導入する.代表的な曲率であるガウス曲率が主たる目標である.

第13回  平面曲線は曲率で,空間曲線は曲率と捩率で本質的に決定されるように,空間内の曲面を決定するための条件を扱う.

第14回 古典微分幾何においてもっとも著名な事実であるガウスの驚異の定理を扱う.

第15回 最終回では,空間内に曲面を埋め込むことなく,抽象的に調べる立場をとるリーマン幾何学の基礎的な内容を,双曲平面を用いて紹介する. 
履修上の注意
受講条件等
・自ら進んで教室の後方に着席するような受講生は必要ない.
・多くの学生が教員を目指す教育学部にあって,授業者を不愉快にするような姿勢で受講してはいけない.
・授業者を助け,どうすれば授業が充実したものになるのか,授業の改善に貢献するために自分には何ができるのか,常にその意識をもつこと. 
成績評価の基準等 単位認定に関しては,期末試験の成績を100%として判定する. 
実務経験  
実務経験の概要と
それに基づく授業内容
 
メッセージ 偏微分の知識を復習しておくと良いと思います. 
その他 なお,3年次の幾何内容研究(3年ゼミ)の選抜において,この授業の小テストの成績を利用する. 
すべての授業科目において,授業改善アンケートを実施していますので,回答に協力してください。
回答に対しては教員からコメントを入力しており,今後の改善につなげていきます。 
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