年度 |
2024年度 |
開講部局 |
教育学部 |
講義コード |
CC221003 |
科目区分 |
専門教育科目 |
授業科目名 |
幾何学概論 |
授業科目名 (フリガナ) |
キカガクガイロン |
英文授業科目名 |
Introduction to Geometry |
担当教員名 |
寺垣内 政一 |
担当教員名 (フリガナ) |
テラガイト マサカズ |
開講キャンパス |
東広島 |
開設期 |
2年次生 前期 1ターム |
曜日・時限・講義室 |
(1T) 金1-4:教L104 |
授業の方法 |
講義 |
授業の方法 【詳細情報】 |
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講義中心ですが,頻繁に受講生の発言を求めます. |
単位 |
2.0 |
週時間 |
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使用言語 |
J
:
日本語 |
学習の段階 |
2
:
初級レベル
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学問分野(分野) |
25
:
理工学 |
学問分野(分科) |
01
:
数学・統計学 |
対象学生 |
教育学部第2類数理系コース必修科目 |
授業のキーワード |
ユークリッド幾何,非ユークリッド幾何 |
教職専門科目 |
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教科専門科目 |
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プログラムの中での この授業科目の位置づけ (学部生対象科目のみ) | このプログラムの専門基礎科目の1つであり,同時に必修科目である. 初等,中等教育における幾何内容に直結する講義科目である. とりわけ,中学校,高等学校において数学科教員となるものの基礎となる ユークリッド幾何の現代的,厳密な構築を体験する講義科目である. |
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到達度評価 の評価項目 (学部生対象科目のみ) | 中等教育科学(数学)プログラム (知識・理解) ・数学教育の教科内容に関する基本的な知識を理解する。 (能力・技能) ・数学教育の代数,幾何,解析,統計,コンピュータなどの教科内容に関する数学的な思考力を身に付け,活用することができる。 |
授業の目標・概要等 |
・初等,中等教育における幾何内容を把握すること ・ユークリッド原論について知ること ・公理的アプローチを理解すること ・非ユークリッド幾何学について知ること |
授業計画 |
第1回 公理的アプローチ:抽象幾何と結合幾何 平面,直線とは何かというところからスタートする. 第2回 計量幾何 平面上に距離関数を導入し,2点間の距離が測れるようにする. 第3回 間(betweeness) 距離を利用して,1直線上に乗る3点の配列を議論する. 第4回 線分と半直線 線分と半直線という極めて基本的な概念を導入する. 第5回 角と三角形 角と三角形を導入する. 第6回 平面分割公理 平面上の直線は平面を2つの半平面に分割するという公理を導入する. 第7回 Pasch幾何 平面分割公理と同値なPaschの条件を紹介する. 第8回 内部とCrossbar Theorem 線分,半直線の内部という概念を導入し,極めて有用なCrossbarを証明する. 第9回 角度と分度器幾何 分度器関数を導入することで,角に角度を割り当てる. 第10回 垂直と角の合同 垂直性を導入し,角の合同性を議論する. 第11回 中立幾何と三角形の合同条件 本講義の中心である中立幾何を導入し,三角形の合同条件を証明する. 第12回 外角定理 極めて有用な外角定理を証明する. 第13回 直角三角形 直角三角形について,2つの合同条件を証明する. 第14回 平行性 直線の平行性を議論し,平行線公理を導入する. 第15回 平行線公理と同値な命題 平行線公理と同値な数々の命題を証明する.
第16回目に期末試験を実施する.原則として追試験は実施しない. また,レポートを課す予定だが,時期は定めない. |
教科書・参考書等 |
次の教科書を生協で購入し,初回から持参すること. 「平面幾何の公理的構築」寺垣内 政一,広島大学出版会
ユークリッド原論に関する参考書としては下記が新しく,しかも詳しい. 「エウクレイデス全集:第1巻」,斎藤憲,三浦伸夫,東京大学出版会 |
授業で使用する メディア・機器等 |
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【詳細情報】 |
特にない.moodleを通じて,受講生からの質問に答えます.もちろん,直接,尋ねてもらっても構いません. |
授業で取り入れる 学習手法 |
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予習・復習への アドバイス |
本論に対して予習は必要ない.復習を欠かさないでほしい. ただし,すべては集合論の枠組みにおいて記述される.そのため,高校数学で扱われる程度の基礎知識は欠かせない.さらに,写像についての知識も必要である.これらは教科書の冒頭にまとめてあるので,初回までに第1章を読んでくることを必須条件とする.
第1-15回:この講義科目の本論である公理的アプローチによる幾何学の構築を行う.集合論の基本的な知識と実数の特性のみを前提にして,少しずつ公理が追加されて,幾何が進化していく.そのたびに名称も変えていく.その都度,どの段階の「幾何」で議論が行われているのかを意識するとよい. |
履修上の注意 受講条件等 |
・集合の基本的な扱い(高校数学レベル)に慣れていること. ・教室において,自ら進んで後方に着席するような学生は履修しないでほしい.教員を目指す学生が授業者を不愉快にすることに自ら貢献してはいけない. ・積極的に発言すること.よい質問は評価する. |
成績評価の基準等 |
成績は期末試験(100%)によって判定する. |
実務経験 |
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実務経験の概要と それに基づく授業内容 |
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メッセージ |
公理的アプローチでは,まるで出世魚やポケモンのように,どんどん名称が変化していく様を楽しんでほしい. ユークリッド幾何や平面幾何と聞くと,よくわかっているつもりになるが,はたしてそうだろうか.ユークリッドも苦悩したと思われる「点」「直線」とは何か.「平面」とは何か. たとえばDedekindの切断による実数の構築がいかに難しいかを思い起こすとよい. 「角」とは何か,「三角形」とは何か,「三角形の合同」とは何か, 中学校で学習した三角形の合同条件は正しいのか,「平行線」とは何か, こういった素朴な疑問に,公理的アプローチは完全に答えてくれる.もちろん,それは子供たちに教える内容ではない.教員がひそかに,しかし必ず知っておいてほしい内容である. |
その他 |
3年次の「幾何内容研究」の受講制限の際,この授業の成績を参照する. |
すべての授業科目において,授業改善アンケートを実施していますので,回答に協力してください。 回答に対しては教員からコメントを入力しており,今後の改善につなげていきます。 |