年度 |
2023年度 |
開講部局 |
生物生産学部 |
講義コード |
L2019006 |
科目区分 |
専門教育科目 |
授業科目名 |
水産社会経済学 |
授業科目名 (フリガナ) |
スイサンシャカイケイザイガク |
英文授業科目名 |
Fisheries Socioeconomics |
担当教員名 |
山尾 政博,大塚 攻 |
担当教員名 (フリガナ) |
ヤマオ マサヒロ,オオツカ ススム |
開講キャンパス |
|
開設期 |
3年次生 前期 2ターム |
曜日・時限・講義室 |
(2T) 金7-8:生C206 |
授業の方法 |
講義 |
授業の方法 【詳細情報】 |
|
講義、ディスカッション、学生の発表、 対面授業を計画していますが、新型コロナウイルスの感染状況や大学の方針によっては、オンライン(オンデマンド型含む)になることがあります。 |
単位 |
1.0 |
週時間 |
|
使用言語 |
J
:
日本語 |
学習の段階 |
3
:
中級レベル
|
学問分野(分野) |
26
:
生物・生命科学 |
学問分野(分科) |
01
:
農学 |
対象学生 |
|
授業のキーワード |
フードシステム、水産資源、持続的利用、魚食、市場流通、量販店、漁獲漁業、養殖業、水産政策、漁村、SDGs、 |
教職専門科目 |
|
教科専門科目 |
|
プログラムの中での この授業科目の位置づけ (学部生対象科目のみ) | この科目は、水産物の生産から消費に至る過程を俯瞰しながら、水産業をとりまく社会経済的な課題を考えます。水産業の構造改革をめぐる議論は盛んですが、変わりゆく消費の現状を踏まえ、資源の持続的利用と環境保全を踏まえたものになっているかどうか検討する必要があります。受講生には水産業がもつ社会経済的な特性についての理解を深めてくれることを期待します。 |
---|
到達度評価 の評価項目 (学部生対象科目のみ) | 水圏統合科学プログラム (知識・理解) ・水産資源の管理,増殖,利用,および水産業の経済動向について理解する。 |
授業の目標・概要等 |
この科目の目標は、水産資源の持続的利用を生産・流通・加工・消費のあり方を、フードシステム的な視点から考えることです。SDGs(Social Development Goals)が提起するように、「責任ある漁業・養殖業」の実現は世界的な課題です。私たちは豊かな魚食を望みますが、資源の持続性と環境保全に配慮した消費が求められることは言うまでもありません。将来世代のことを考えた、責任あるフードシステムを確立する課題について考えます。 使用教科書:濱田武士「魚と日本人」 (岩波新書,2016年) |
授業計画 |
第1回 水産物の消費 (教科書 第1章) 講義内容の概要を述べ、「水産物のフードシステム」を俯瞰する意義を検討する。教科書を用いて、水産物消費が減少してゆく要因を考えながら、魚食普及の可能性と方法を考える。
第2回 水産物の流通と市場(1) (教科書 第2章、第3章) 量販店による水産物の販売、輸入水産物の増加に注目し、大きく変わる水産物の販売現場の実態を明らかにする。日本の水産物流通を特徴づけてきた卸売市場の変容と衰退がもたらすものが何かを解説する。
第3回 水産物の流通と市場(2) (教科書 第3章、第4章) 産地にもある卸売市場の役割と機能を解説しながら、消費の変化、量販店がどのような影響を卸売市場に与えたかを考える。産地市場の存在を通して、漁業生産と市場流通の結び付けの大切さを学ぶ。
第4回 水産物の加工 (教科書 第4章) 魚食の大部分は加工品の消費である。漁業生産を支えるのは加工業であり、産地及び都市には水産食品加工業が存在する。海外加工業との分業関係が発達し、水産物輸入が増大している。国内水産加工業の今後を考える。
第5回 海は広いか、大きいか (教科書 第5章) 持続的に食料資源を利用するために、世界には様々な条約や約束事が国連海洋法条約にもとづいて設けられている。共有資源である水産資源の減少・枯渇が世界各地で報告される。漁業生産者が果たさなければならない責任とは何か、を考える。
第6回 海は誰のものか (教科書 第5章) 漁獲漁業、養殖業など海を生産現場にもつ漁業者には守らなければならないルールがある。法制度で定められたもの、従来からある慣習や伝統もある。日本の漁業権制度を概観しながら、水産資源を持続的に利用するための社会システムを考える。
第7回 資源の持続的利用をめぐる葛藤 (教科書 第5章) 水産資源の多くは自律再生可能であるが、科学的知識からだけ利用の適正化を主張するのは容易ではない。生産・生活の現場からの発想と知識・技術とがかみ合わなければ難しい。社会はこの葛藤にどう向き合っているのかを考える。
第8回 水産社会経済政策論の枠組みとは 生産から消費にいたるまの水産物のフードシステムを分析し、水産業の持続性を維持するための政策目標を考える。この目標は、SDGs(Social Development Goals)の目標12(「つくる責任、つかう責任」)、目標14(「海の豊かさを守る」)に主に関わってくる。
期末レポート |
教科書・参考書等 |
教科書 濱田武士「魚と日本人 食と職の経済学」、岩波新書 (902円) |
授業で使用する メディア・機器等 |
|
【詳細情報】 |
対面授業を前提にしていますが、オンラインになった場合には、使用するメディア・機器等に変更がある場合があります。 |
授業で取り入れる 学習手法 |
|
予習・復習への アドバイス |
【予習】授業は教科書を使って進めますので、該当する章・節は必ず読んでおいてください。また、必要に応じて配布する資料には、参考にして欲しいサイトやURLを含めています。予めアクセスして内容を確認しておいてください。シラバスには該当する章を示しています。 【復習】ディスカッションを入れる回では、話あったことをまとめたり、論点を整理しておいてください。 |
履修上の注意 受講条件等 |
|
成績評価の基準等 |
期末レポートで判断し、授業への参加姿勢を加味する。 |
実務経験 |
|
実務経験の概要と それに基づく授業内容 |
|
メッセージ |
〇身近にあるスーパーとかの魚介類の販売現場、外食チェーンや居酒屋で魚介類メニューがどのように提供されているかを観察してみましょう。また、近くの海にいく機会をみつけて、沿岸域がどのように利用されているかに関心を寄せてください。 〇授業の内容は、SDGsの目標12と目標14に深くかかわっています。これを機会にSDGsについての理解を深めるとよいでしょう。 |
その他 |
授業の進捗状況、受講生の皆さんの理解や興味関心によっては、授業内容を一部変更することがあります。 |
すべての授業科目において,授業改善アンケートを実施していますので,回答に協力してください。 回答に対しては教員からコメントを入力しており,今後の改善につなげていきます。 |