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年度 2023年度 開講部局 教育学部
講義コード CC241312 科目区分 専門教育科目
授業科目名 法律学概説
授業科目名
(フリガナ)
ホウリツガクガイセツ
英文授業科目名 Introduction to Legal Studies
担当教員名 畑 浩人
担当教員名
(フリガナ)
ハタ ヒロト
開講キャンパス 東広島 開設期 1年次生   後期   3ターム
曜日・時限・講義室 (3T) 火9-10,木9-10:教K102
授業の方法 講義 授業の方法
【詳細情報】
 
対面の講義、必要な範囲でTeamsのテレビ会議・録画・ブログ・ファイル保存機能を活用する。
講義中心、板書は映写、出席アンケートと期末試験。 
単位 2.0 週時間   使用言語 J : 日本語
学習の段階 2 : 初級レベル
学問分野(分野) 24 : 社会科学
学問分野(分科) 01 : 法学
対象学生 主に社会系コースの1年生を想定。
授業のキーワード 法学と法律学、上訴制度と審級制、規範と法律、裁判例と判例、民事と刑事、法意識、司法過程、審理、法の支配、国際法、近代立憲主義、現代立憲主義。 
教職専門科目   教科専門科目  
プログラムの中での
この授業科目の位置づけ
(学部生対象科目のみ)
 (プログラム上)専門基礎の(免許上)選択必修科目「法律学概説」(2単位)は1年生向けに2セメスターの開講です。
 その後の発展的な科目として、3セメスターでは「現代司法論」(運用上の人的側面を加味した制度論)、5セメスターでは「法学研究」(犯罪と非行という逸脱行動の社会学的把握)、6セメスターでは「法比較研究」(海外の法制度との本格的な比較検討)といった専門的な授業とつながっていきます。これらにより法律学の基本的な認識枠組と幅広い視野とが身に付きます。 
到達度評価
の評価項目
(学部生対象科目のみ)
中等教育科学(社会・地理歴史・公民)プログラム
(知識・理解)
・中等社会系公民領域の教育内容に関する基本的な知識が身に付いている
(能力・技能)
・社会系内容領域の資料・データを収集・読解し,分析・批評できる 
授業の目標・概要等  公民科で疎かになりがちな法教育の基本的内容を修得するため、いくつかの裁判例の読解を通じて、様々な法分野と法概念を理解したうえで、政治過程の一手段(道具)として法を相対的に理解し、公民科教科書の内容の背景となっている体系的な法知識を獲得することをめざす。 
授業計画  毎回の出席確認アンケートをFORMSで最低10回提出してもらい、第16回目に期末試験を行います。

 本国に帰れば、おそらく産業界か政府でエリートになるであろう留学生向けに、振り仮名まで入った参考書(旧テキスト)の第3版に沿って毎回の講義を進めます。
 なお、参考書の後半部分はミニ法律用語辞典になっています。
 その前半部分では、毎回1つの裁判例が原文で取り上げられたうえで、解説がつけられているので、それらの事例を通じて各法分野の仕組みや考え方の要点を具体的に学修することになり、主要な法分野を概観することにより法律学の独特な考え方や言葉遣いや法実務の世界が理解できてくるようになります。

第1回 導入  教科書「はしがき」、「本書を読む前に」
第2回 第1例 衆議院議員選挙定数不均衡違憲判決 (憲法 統治機構)
第3回 第2例 写真集の輸入と税関検査      (憲法 人権)
第4回 第3例 公文書開示条例による自己情報の本人開示 (行政法)
第5回 第4例 貝採り事件           (民法 不法行為)
第6回 第5例 隣人訴訟            (民法 契約、国家賠償)
第7回 第6例 別居中の夫婦間における面接交渉権 (民法 家族法)
    第19例 国際婚姻の無効・離婚事件     (国際私法)
第8回 第9例 インサイダー取引(商法・経済法)もしくは答案練習会
第9回 第10例 文書提出命令申立事件       (民事訴訟法)
第10回 第11例 破産免責             (破産法)
第11回 第12例 安楽死              (刑法 犯罪)
第12回 第13例 連続射殺魔事件          (刑法 刑罰)
第13回 第14例 東電OL強盗殺人事件        (刑事訴訟法)   
第14回 第15例 女性賃金差別事件         (労働法)
第15回 第18例 国家免除             (国際法)
第16回 期末試験(論述形式)  
教科書・参考書等 参考書(講義の題材となる事件を列挙):松本恒雄・三枝令子・橋本正博・青木人志編『日本法への招待 第3版』(有斐閣、2014年3月)、英語題名:Law Students in Wonderland)、定価 3,045円(本体 2,900円)、ISBN 978-4-641-12568-1
 新しい目次は、有斐閣のサイト http://www.yuhikaku.co.jp/books/detail/9784641125681 を参照。
 指定解除の理由:ルビが振ってあったり、裁判書きと解説とが重複したりして読みにくいうえに、せっかく講義で内容を補足しても、期末には元の拙劣な説明に戻る傾向があるので、テキスト指定を外しました。ただし各法分野の構成と題材は一橋風として借りたままとします。 
授業で使用する
メディア・機器等
 
【詳細情報】 Teamsのファイルフォルダに掲載する講義メモと文献資料、電子掲示板もあり。
 なお、第12回 第13例 連続射殺魔事件の実録映画として、監督・脚本:新藤兼人『裸の十九才』(120分、近代映画協会、1970年)のDVDを用意しています。主演は原田大二郎さん(その後テレビドラマ「Gメン'75」で大活躍)、母親役は監督の奥様、乙羽信子さんです。事件の翌年製作にしては親の世代の北海道の林檎畑から始まっていて丁寧に出来ています。 
授業で取り入れる
学習手法
 
予習・復習への
アドバイス
 とりあえず判決文を読んでみること。解説の方から先に読んだ方がよい章もあるかもしれません。
 よく間違える方がいらっしゃるのですが、法律の条文を覚えるのが目的ではないので絶対に勘違いしないで下さい。法システムの仕組み(各種法制度とそれらをつなげる全体像・思想)を理解し、法学的思考方法の基礎(so-called Legal Mind)を身につけて頂くだけです。ポイントは講義で指摘しますので、それらを理解していれば、何かの折に「君は法律を知っているねえ!」と感嘆されることになります。他方、ほとんどの人間は目茶苦茶な偏見(それが常識と呼ばれていたりすることもあります)を活用して生きていることも判ってきます。 
履修上の注意
受講条件等
 教科に関する科目
 講義出席に必須の事前質問と意見は、Bb9内の電子掲示板内に設ける。
 なお、大学設置基準第21条2項によれば「1単位の授業科目を45時間の学修を必要とする内容をもって構成することを標準」とすることになっているので、この授業で2単位を取得するには、授業の30時間とは別に、60時間の「学修」を各自で行ってください。ようやく整備された広島大学通則第19条の3も御参照ください。 
成績評価の基準等  論述形式の期末試験(50点)と毎回の確認レポート(5点×10回=50点)の合計による。 
実務経験  
実務経験の概要と
それに基づく授業内容
 
メッセージ  どの授業でも同じだと思いますけれども、講義した話をメモを録るなどしてよく聴いて、かつ提供した資料をしっかり読んで、不明な点は調べたり質問したりしながら内容を着実に消化しましょう。これまでにレポートを課したり、持ち込み有りの試験もしてきましたが、いくら慌てて別途調べてみても迷路にはまって無駄になることが多く、論理的に整理された思考や文章も一朝一夕では書けません。勝手に頑張って内容を複雑化させたり、他方、耳学問で済ませようとして中途半端な理解にさえ至らず逆恨みされる例が多いですが、すべて学修姿勢や方法の食い違いから来る誤解のようです。2021.3/31
 法廷では、審議 discussion じゃないよ、審理 trial だよ。評議 deliberation だったら、裁判員や裁判官の合議体であるけどね(原則、法廷外の活動)。
 あなたは道端で「法とは何か」と聴かれて、即座に答えられますか?
 きちんと資料を読破して不明な点は自分で調べたうえで参加しないと、おそらくついていけない授業です。合衆国の大学では、それが世界標準のようです。
 なお、教室内への危険物の持ち込みはお断りします(第1種衛生管理者。阪神バスの出発前アナウンス風に響く)。 
その他 関連サイトのURL
 1 裁判所 https://www.courts.go.jp/index.html(最高裁判事の顔や経歴、各裁判所の法廷担当、主要な判決全文)
 2 日本弁護士連合会 https://www.nichibenren.or.jp/(機関誌は月刊自由と正義)
 3 総務省行政管理局e-Govの法令検索 https://elaws.e-gov.go.jp/(ぶ厚い六法は不要になりました) 
すべての授業科目において,授業改善アンケートを実施していますので,回答に協力してください。
回答に対しては教員からコメントを入力しており,今後の改善につなげていきます。 
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