広島大学シラバス

シラバスTOPへ
English
年度 2020年度 開講部局 教育学研究科博士課程前期
講義コード NMG10270 科目区分 専門的教育科目
授業科目名 市民性・社会科学認識内容学特講VI
授業科目名
(フリガナ)
シミンセイ・シャカイカガクニンシキナイヨウガクトッコウVI
英文授業科目名 Special Lecture on Citizenship and Social Sciences VI
担当教員名 畑 浩人
担当教員名
(フリガナ)
ハタ ヒロト
開講キャンパス 東広島 開設期 2年次生   前期   2ターム
曜日・時限・講義室 (2T) 木5-8:教A407
授業の方法 講義 授業の方法
【詳細情報】
特殊講義:重要文献の講読、学生の報告、討論・質疑応答、再調査や探究の反復。
時間割上は木曜午後に配置してありますが、受講者の都合を考慮して別の時間に移動することも可能です。 
単位 2 週時間   使用言語 J : 日本語
学習の段階 6 : 大学院専門的レベル
学問分野(分野) 24 : 社会科学
学問分野(分科) 01 : 法学
対象学生 博士課程前期=修士課程2年生、社会認識教育学専修。
授業のキーワード 犯罪学、理論と実務、近代から現代へ、英米法系と大陸法系 
教職専門科目   教科専門科目  
プログラムの中での
この授業科目の位置づけ
 
到達度評価
の評価項目
 
授業の目標・概要等  ・到達目標: 公民科教育の内容を発展・充実させるため、刑事司法システムに関する最新の教科書を講読することを通じて刑事司法の全体像を具体的かつ精確に理解させる。これにより、日本の刑事司法が現状に至った根拠を説明したり、法システムの機能を客観的に評価したりする社会科学的な分析能力を修得させ、受講者の公民科教員としての資質と教材開発能力を格段に向上させることを目標とする。
 ・テーマ:日米の刑事司法システムの全体像を法比較及び法社会学的な観点から把握すること 
授業計画  期末試験はありませんが、毎回、資料の指定部分を読んできて要約と調査報告をし、質疑に応答し、討論に参加しなければなりません。

授業の概要
・毎回、受講者は指定された文献を事前に読み、担当部分を要約し、関連事項の調査結果に論理的考察を加えて報告する。授業での討論後に補充調査した結果は授業用の電子掲示板に随時記載してもらう。
<授業計画>
 第1回:導 入。文献紹介、報告分担決定、授業進行方法の説明。
 第2回: 1章 アメリカの犯罪と司法
 第3回: 2章 犯罪被害
 第4回: 3章 刑事司法システム
 第5回: 4章 刑事司法と法の支配
 第6回: 5章 警察、6章 警察官と法執行作用
 第7回: 7章 警察活動の現代的課題、8章 警察と憲法
 第8回: 9章 裁判所と公判前手続
 第9回:10章 検察と弁護
第10回:11章 有罪の認定(有罪答弁と公判)
第11回:12章 刑罰と量刑
第12回:13章 矯正
第13回:14章 社会内処遇(保護観察と中間的制裁)
第14回:15章 拘禁と刑務所社会 
第15回:16章 社会復帰、日米間の刑事司法システム比較(毎回実施)

 今回は犯罪学理論を取り上げる。日本で死刑廃止論が弱いのは、革新派や進歩派も社会観が保守的で、自分たちの素手で、もっと住みやすい新しい社会を形成していこうという視点が薄いからである。一見、社会を崩壊に導くかのような犯罪現象について、その論理を学修することによって、どのような理論にも驚かない新たな論理的地平が見えて来るであろう。
 とくに、日本の裁判所は中央政府により一元的に管理されているが、連邦制をとる国では司法制度が多様多彩(多才?)である。さらに、英米法系の裁判所では、なぜ陪審や参審が行われているのかが、この英語文献を購読することにより理解できるかもしれない。裁判員制度に対する誤解も解けるであろう。日常生活に隠然たる影響を及ぼす司法機関の多様性を具体的かつ客観的に理解し、常に日本の類似制度とも比較関連させながら考察することができれば素晴らしい。

 15回の授業では、下記に挙げたテキストの何章かを選んで読み進める。毎回1章(20頁)くらい進めるのが理想であるが、専門用語に慣れるまでは、数頁ずつになるだろう。とにかく専門的な内容の英書をまるまる1冊読み込もうという意気込みが学問にとって重要である。 
教科書・参考書等 テキスト: George F. Cole & Christopher E. Smith, “The American System of Criminal Justice, 11th ed.” Thomson Wadsworth, 2007.
参考資料:各年度の警察白書、犯罪白書、弁護士白書、司法統計年報(刑事事件編)
 その他、理論的な側面を強調したテキストもある。
 Wayne Morrison, “Theoretical Criminology from Modernity to Post-modernism”, Cavendish Pub Ltd,  1995/04.
<各章の題目>
1 時代の雰囲気を語る:混同、自己懐疑、二律背反。2 近代の問題。3 近代論の理論家:ヴェーバー、マルクス、デュルケイム、ニーチェ。4 古典的犯罪学の問題:法による無秩序の安定化;もしくは、法の支配を達成し、近代初期の混沌を隠蔽する方法。5 古典的犯罪学の文章を読む:単なる命令を超えて正統化システムへと至る。6 犯罪学上の実証主義(1):合理的犯罪人を求めて、もしくはカモの問題。7 同前(2):心理学と魂の実証化。8 同前(3):統計、社会の道徳的健全性を数量化し、自然の法則群を計算する行為。9 実証主義と近代組織の夢想。10 道徳、常態、近代:日常生活の道徳的強烈さ。11 地域性と犯罪学:ポリスから超近代都市。12 犯罪学と近代の文化。13 超近代的状況での文化と犯罪。14 ラベリング理論、そしてデヴィッド・マッツァの業績。15 犯罪と実存主義者の窮地。16 近代と文化的性別と犯罪:生物学的範列からフェミニスト的解釈へ至る。17 現代の社会成層と下層階級の成長。18 超近代主義における犯罪学理論の建設。
 その他、下記のような文献もあります。
   Ngaire Naffine, "Feminism & Criminology," Polity Press, 1997.
   Eric Cullen, et al. ed. "Therapeutic Communities for Offenders," John Wiley & Sons, 1997.
   John E. Hodge, et al. ed. "Addicted to Crime?" John Wiley & Sons, 1997.
  William A. Geller & Hans Toch, Editors, “Police Violence: Understanding and Controlling Police Abuse of Force,” Yale University Press, 1996. 『警察暴力:警察の実力濫用に対する理解と統制』 (章題: 1過度な実力とその統制の理論、2警察がもつ暴力性の原因:警察による実力の使用に関する理論と証拠、3警察による実力濫用の普及度を計測する、4暴力傾向のある警察官、5警察の実力濫用に対する世論、6法律の色と、肌の色という争点:人種と警察権力の濫用、7警察官選考と実力濫用の防止、8警察・市民間の暴力を減らす訓練、9警察の実力使用に対する警察官の態度、10警察官組合、警察文化、警察による実力の使用、11警察暴力の申立に対する行政審査、12全員のための司法に向けて:手続的正義と市民からの不服申立の審査、13訴訟は警察暴力に対する解答になるか? 14海外の警察暴力、15警察による実力濫用を理解し、統制する) 
授業で使用する
メディア・機器等
テキスト,Bb9上に掲載する資料 
予習・復習への
アドバイス
 上記のとおり、毎回、英語文献の解読、邦語文献による理解の補足が予備的・反復的に要求されます。 
履修上の注意
受講条件等
 教科に関する科目
 受講者の研究関心や意欲によっては、司法システムの範囲内で軌道修正を行ってもよい。具体的には、今年度に小職が担当する他のシラバスに「裁判所の判決行動と法変動」「アメリカ州最高裁と公選裁判官の判決行動」「アメリカ合衆国連邦最高裁の正体」「アメリカにおける直接民主制の実践例」といったテーマを挙げておいたので、御関心が向けば各シラバスを参照されたい。その他、弁護士・検察官の実務関係の文献でもよい。
 いずれも英語文献の購読なので読解でやっとかもしれないが、なるべく受講者の研究関心・領域に話題を合わせながら読み進めたい。
 なお、基本ルールとして、講義(2単位)の場合は、15回30時間の授業に対して60時間の予修や復修が最低限必要です。受講者は不明な単語調べのみならず、基本的な概念やモデル、事例の調査をしっかりやってきてもらいたい。
★ 早い目に電子メールで各人の研究の方向性について希望や質問などを書き込んでおいて頂けると、準備ができて最初から走り出せるので授業時間に無駄がなくてお得です。
※ なお、時間割表の授業時間帯は、履修手続の便宜上(他の授業と重ならないよう)木曜の午後にしているだけですので、2回目以降は受講者と相談のうえ都合の良い時間帯を決定するつもりです。 
成績評価の基準等  授業時の報告と質疑への応答、他人の報告及び講義内容への質疑・討論、授業用電子掲示板への書き込みの各内容を、1)知識と理解、2)表現技能、3)論理的構成力、4)探究意欲などの観点から総合的に評価する。
 欠席5回で不可、遅刻は時間の長短によらず2回で欠席1回と換算する。 
実務経験  
実務経験の概要と
それに基づく授業内容
 
メッセージ  大学院設置基準第15条によれば、大学設置基準第21条2項の規定を準用して、「1単位の授業科目を45時間の学修を必要とする内容をもって構成することを標準」とすることになっているので、2単位を取得するには、授業の30時間とは別に60時間の「学修」を各自で必ず実施してください。 
その他 関連URL1:日本犯罪社会学会 http://hansha.daishodai.ac.jp/action/index.html
    2:日本犯罪心理学会 http://wwwsoc.nii.ac.jp/jacp2/society/index.html
    3:日本法社会学会 http://wwwsoc.nii.ac.jp/hosha/
    4:アジア犯罪学会 http://www.acs002.com/index.php 
すべての授業科目において,授業改善アンケートを実施していますので,回答に協力してください。
回答に対しては教員からコメントを入力しており,今後の改善につなげていきます。 
シラバスTOPへ