年度 |
2020年度 |
開講部局 |
生物生産学部 |
講義コード |
L5008005 |
科目区分 |
専門教育科目 |
授業科目名 |
動物分子生物学 |
授業科目名 (フリガナ) |
ドウブツブンシセイブツガク |
英文授業科目名 |
Mammalian Molecular Biology |
担当教員名 |
清水 典明 |
担当教員名 (フリガナ) |
シミズ ノリアキ |
開講キャンパス |
東広島 |
開設期 |
3年次生 前期 1ターム |
曜日・時限・講義室 |
(1T) 木1-4:生C315 |
授業の方法 |
講義 |
授業の方法 【詳細情報】 |
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講義中心 |
単位 |
2.0 |
週時間 |
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使用言語 |
J
:
日本語 |
学習の段階 |
3
:
中級レベル
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学問分野(分野) |
26
:
生物・生命科学 |
学問分野(分科) |
04
:
生命科学 |
対象学生 |
3年生前期 |
授業のキーワード |
哺乳動物ゲノムの一次構造、ゲノムの高次構造(クロマチン・染色体・細胞核)、ゲノムを伝える機構(細胞周期、細胞分裂、チェックポイント)、ゲノムの異常(ゲノム不安定性、がん化)、バイオ医薬品,実務経験 |
教職専門科目 |
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教科専門科目 |
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プログラムの中での この授業科目の位置づけ | 「知識・理解1, 2,3, 4, 6, 7」,「知的能力・技能1,2, 3, 4」,「総合的能力・技能1, 2, 3」に関する学習の成果が期待される。 |
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到達度評価 の評価項目 | 分子細胞機能学プログラム (知識・理解) ・分子・細胞・生物個体や生態に関する知識・理解 (総合的な力) ・細胞・生物個体や生態の機能を分子的な面から総合的に考える分野において,自分の考えをまとめ,それに基づく実証を行い,結論を文章や口頭で論理的に発表し,意見交換できる能力 |
授業の目標・概要等 |
生命を理解して応用するためには、ゲノムの理解が不可欠である。すなわち、ゲノムがどのような姿をしており、それがどのような意味を持っているかを理解することが必要である。そのためには、ゲノムの1次構造と高次構造を理解し、それがどのように子孫の細胞に伝達されていくかを理解しないといけない。さらに、ゲノム伝達機構の異常によってゲノムが壊れていく病気(癌)を理解することで、多細胞生物の生命について、最も基本的な理解が得られるはずである。そのような理解は、個別化医療のためのバイオ医薬品の開発と製造へと応用できる。 |
授業計画 |
第1回 ガイダンス ・問題のありか(生命と遺伝情報) ・基本的用語の定義(遺伝情報、遺伝子、ゲノム、染色体、クロマチン) ・ゲノムの1次構造、高次構造と、それを子孫に伝える機構 ・ゲノム異常と病気、癌 ・ゲノム操作とバイオ医薬品 第2回 ゲノムの一次構造(1) ・全体像 ・ゲノムサイズ ・環状ゲノムと直線状ゲノム ・遺伝子密度 ・遺伝子数 ・ サテライト配列 ・ トランスポゾン 第3回 ゲノムの一次構造(2) ・ゲノム進化(変異率、点突然変異、遺伝子増幅、偽遺伝子) ・非コードRNA 第4回 クロマチン(1) ・ヌクレオソーム構造 ・クロマチンの全体像 ・小試験(ゲノム一次構造) 第5回 クロマチン(2) ・エピジェネティックスの定義と意味 ・DNAメチル化 ・ヒストン修飾 ・ヒストンバリアント 第6回 クロマチン(3) ・ヘテロクロマチン化とインシュレーター配列 ・セントロメアのクロマチン 第7回 染色体と細胞核(1) ・染色体の全体像(セントロメア、テロメア、複製開始点) ・人工染色体 ・染色体外因子 ・常染色体 ・性染色体(X-inactivationの機構) ・染色体構造の進化 ・バンド構造 ・テロメア ・小試験(クロマチン) 第8回 染色体と細胞核(2) ・細胞核 ・核膜・核膜孔と核移行シグナル ・核小体と核内小器官 ・染色体テリトリー ・核マトリックス 第9回 哺乳動物体細胞の細胞周期制御(1) ・基本過程の復習 ・各チェックポイントの機能 ・S期チェックポイント ・小試験(染色体と核) 第10回 哺乳動物体細胞の細胞周期制御(2) ・複製開始と複製ライセンシング ・増殖因子刺激と増殖開始機構 ・DNA傷害による増殖停止機構 ・細胞周期制御異常と細胞がん化 第11回 哺乳動物体細胞の細胞分裂 ・基本過程の復習 ・染色体外遺伝因子の分配機構 ・G2/M checkpoint ・Spindle checkpoint 第12回 発がん(1) ・がんとは何か? ・増殖異常(接着依存性、接触増殖阻害、造腫瘍性、分裂寿命) ・その他の異常(転移、浸潤、血管新生) ・化学発癌と、食物、環境中の発癌物質 ・小試験(細胞周期と細胞分裂) 第13回 発がん(2) ・RNA腫瘍ウイルスと、がん遺伝子 ・遺伝子増幅とがん ・家族性がんと、 がん抑制遺伝子の発見(two hit theory) ・ウイルス発癌・・・DNA腫瘍ウイルスとがん抑制遺伝子 ・染色体構造異常と発がん ・多段階発がん 第14回 バイオ医薬品と、全体のまとめ ・バイオ医薬品と、その製造 ・全体のまとめ・・老化、がん化、食 第15回 期末試験 |
教科書・参考書等 |
講義形式(講義中心;プリント・講義のレジュメ有) 使用する視聴覚教材の種類(パワーポイント等) 教科書:指定しないが、下記参考書の購入と、それを用いた自習を強く勧める。 資料はプリントで配布する。 参考書: *「Molecular Biology of the Cell;6th edition」 Alberts, B., et al., Garland Science (あるいは、日本語版「細胞の分子生物学第5版」ニュートンプレス。第6版の英語版の購入を勧める。値段が安く、専門英語の読解力鍛錬になり、日本語版には無いユニークな図がある。) *その他、適宜指示する。 |
授業で使用する メディア・機器等 |
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【詳細情報】 |
テキスト,配付資料,音声教材,映像(ビデオ/PC/その他画像資料) |
授業で取り入れる 学習手法 |
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予習・復習への アドバイス |
第1回;ゲノム、遺伝子、DNA、遺伝情報、といった用語を正確に理解してください。また、生命とは何か、遺伝情報はどうやってできあがってきたのだろう、といったことをしみじみと考えて、今後のモチベーションを高めてください。 第2回;高等動物ゲノムの特徴を理解してください。ゲノムの理解により、何を理解することになるかを考えてください。 第3回;長い進化の過程で、我々の体を作り上げる情報がどのように形成されてきたかを想像してください。生命を理解する科学の最前線が、今どのような状況にあるのかを理解してください。 第4回;最近、大きく研究が進んできた領域です。分子レベルと顕微鏡レベルをつなげる世界だということを意識して取り組んでください。 第5回;最近、大きく研究が進んできた領域です。分子レベルと顕微鏡レベルをつなげる世界だということを意識して取り組んでください。 第6回;なじみが薄く、難しく感じるかもしれませんが、これこそ生命を支えている機構です。最近の研究によりどんどん理解が深まっています。その重要性をよく考えてかみしめてください。 第7回;顕微鏡の中の目で見える世界を理解し、それが分子の世界とどのように対応しているかを想像してください。 第8回;昔から習った話でも、まだまだ奥が深いです。生命の根幹にある複雑巧妙なシステムを理解してください。 第9回;いよいよ佳境です。生命を作り上げる情報を守り子孫に伝えてゆくシステム・・・その巧妙さを味わってください。 第10回;いよいよ佳境です。生命を作り上げる情報を守り子孫に伝えてゆくシステム・・・その巧妙さを味わってください。 第11回;よく知っている話、と思ったら大間違い。顕微鏡の中でダイナミックに動きまわる分子レベルの仕組みは最新の研究成果です。それを理解できると感動します。 第12回;「がん」は死亡率一位の病気で、その治療に関することは社会的な要請です。同時に、異常な状態の理解を通して正常な生命を理解し考えるための最高の題材です。 第13回;「がん」は死亡率一位の病気で、その治療に関することは社会的な要請です。同時に、異常な状態の理解を通して正常な生命を理解し考えるための最高の題材です。 第14回;本講義全体をまとめ、ゲノム進化、がん化、老化の関連性を議論し、バイオ医薬品について解説します。 第15回;今まで、どこまで積極的に授業に向き合ってきたか、どこまで自分を高めることができたか、を評価します。 |
履修上の注意 受講条件等 |
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成績評価の基準等 |
授業成績の50%は期末試験で評価し,50%を単元末に行う小テストで評価する。ただし,学内規約により授業全体の1/3以上を無断欠席の場合,成績評価できない |
実務経験 |
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実務経験の概要と それに基づく授業内容 |
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メッセージ |
「面白い!」と思うことが一番大切です。面白い、と感じたら、どんどん積極的に掘り下げてみよう |
その他 |
http://home.hiroshima-u.ac.jp/shimizu/index.html 大手製薬会社の研究所に6年弱勤務してバイオ医薬品開発の経験があり、その後教員となった後も多くの特許を取得してバイオ医薬品開発に関わった教員が、その経験をもとにした講義を行う。
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すべての授業科目において,授業改善アンケートを実施していますので,回答に協力してください。 回答に対しては教員からコメントを入力しており,今後の改善につなげていきます。 |