年度 |
2020年度 |
開講部局 |
工学部 |
講義コード |
K8914040 |
科目区分 |
専門教育科目 |
授業科目名 |
水文・水資源工学 |
授業科目名 (フリガナ) |
スイモン・ミズシゲンコウガク |
英文授業科目名 |
Hydrology and Water Resource Engineering |
担当教員名 |
河原 能久 |
担当教員名 (フリガナ) |
カワハラ ヨシヒサ |
開講キャンパス |
東広島 |
開設期 |
4年次生 前期 1ターム |
曜日・時限・講義室 |
(1T) 木1-4:工110 |
授業の方法 |
講義 |
授業の方法 【詳細情報】 |
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講義形式で行う.PowerPointファイルを用いて説明を行う. |
単位 |
2.0 |
週時間 |
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使用言語 |
J
:
日本語 |
学習の段階 |
3
:
中級レベル
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学問分野(分野) |
25
:
理工学 |
学問分野(分科) |
13
:
土木工学 |
対象学生 |
社会基盤環境工学プログラム4年生,過年度生 |
授業のキーワード |
水循環,降水,蒸発散,浸透,流出解析,利水,水資源開発 ,実務経験 |
教職専門科目 |
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教科専門科目 |
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プログラムの中での この授業科目の位置づけ | 本科目は社会基盤環境工学プログラムの中で,環境工学に関する基礎的な知識を習得したり、理解を深めるものである. ・この講義の前提になす科目:水理学,環境水理学 ・この講義とともに履修することが望ましい科目:河川工学,気象学 |
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到達度評価 の評価項目 | 社会基盤環境工学プログラム (総合的な力) ・課題発見力 |
授業の目標・概要等 |
地球上で生起している水循環システムを理解する.また,水循環システムに及ぼす人為的な影響や気候変動の影響を理解する.さらに,生活や経済活動を支えている水資源開発や管理の手法や課題を理解する.なお,「知識・理解」,「能力・技能」の評価項目は,下記の通りである. ・流域の水循環システムがいかに構成されているかを説明できる. ・水循環システムを構成する素過程を計測する方法を理解している. ・地表面から地中への雨水浸透や地下水流れの解析方法を説明できる. ・水利権と水資源開発の規模との関係を説明できる. ・今後の日本,世界での水資源開発での課題を挙げることができる. |
授業計画 |
第1回 概論:水循環,地球上の水資源,水利用 第2回 エネルギーと水循環:大気の構造と地表面での熱収支,水収支 第3回 降水(1):降水のメカニズム,大気の安定度 第4回 降水(2):降水・雲物理過程,降水量の測定,地球規模の降水量の変動 第5回 蒸発散(1):蒸発散のメカニズム,接地境界層内の気温,比湿の分布 第6回 蒸発散(2):蒸発散量の観測法,推定法(レポート1) 第7回 地表面での降雨の分配:植生による降雨の分配,地表面での降雨の分配 第8回 地中水(1):土壌水,不飽和浸透,ゼロフラックス面,Richardsの式(レポート2) 第9回 地中水(2):地下水,飽和浸透,地下水流動系(レポート3) 第10回 地表流の発生:斜面での流出機構,流出寄与域 第11回 水循環解析モデル:分布型モデル,都市化・森林伐採の影響 第12回 気候変動の影響:全球気候モデル,ダウンスケーリング,流域管理 第13回 水資源開発(1):水資源の賦存量と利用量,水資源開発の手段,水利権 第14回 水資源開発(2):既存施設の老朽化,水源地域の活性化 第15回 水資源開発(3):世界の水問題,総合的水資源マネジメント(レポート4)
レポート(4回),期末試験を実施する. |
教科書・参考書等 |
参考書:杉田倫明,田中正編著:「水文科学」,共立出版 国土交通省:「日本の水資源」 なお,必要な資料はプリントとして配布する. |
授業で使用する メディア・機器等 |
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【詳細情報】 |
Powerpointファイルと配付資料を用いて説明する. |
授業で取り入れる 学習手法 |
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予習・復習への アドバイス |
第1回 水循環システムを構成する過程を理解する. 第2回 地表面での熱・水収支を理解する. 第3回 雲の発生する時の大気の安定度を理解する. 第4回 降水や地球規模の水蒸気輸送のメカニズム,降水量の計測方法を理解する. 第5回 接地境界層内での気温,比湿の鉛直分布や時間的な変化を理解する. 第6回 蒸発散量の計測,推定原理を理解する. 第7回 植生や地表面での降雨の移動形態と特徴を理解する. 第8回 土壌中での不飽和浸透の現象とその定式化を理解する. 第9回 地下水中の飽和浸透流の現象とその定式化を理解する. 第10回 斜面での降雨-流出機構を理解する. 第11回 水循環解析の必要性と有効性を理解する. 第12回 気候変動の水循環,水資源開発への影響と評価手法を理解する. 第13回 水資源賦存量と水利用の課題と水資源開発の手段を理解する. 第14回 水資源開発の課題を理解する. 第15回 海外の水資源問題と総合的水資源マネジメントの必要性を理解する. |
履修上の注意 受講条件等 |
この科目に先立つ基礎科目:水理学,環境水理学 |
成績評価の基準等 |
「授業の目標」の到達度はレポートと筆記試験に基づいて評価する。これらの評価点の配分は次の通りとし,成績は総合評価(100点満点)とする。 レポート(40点満点),期末試験(60点満点) |
実務経験 |
有り
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実務経験の概要と それに基づく授業内容 |
建設省(元国土交通省)土木研究所にて水循環解析コードを開発し,つくばイクスプレスの開業の影響評価を行った.また,香川県の土器川流域の水循環解析,高松平野の地下水流動を行い,国土交通省や高松市水道局の瀬策に反映する成果を得た. |
メッセージ |
気候変動の影響が顕在化しつつあり,社会問題ともなって来つつある.水循環に関する正確な知識をもってもらいたい. |
その他 |
国や香川県とともに健全な流域水循環系の保全のための調査や対策の検討を行った教員(河原能久)が、第5回から第12回の授業において,実務のために開発した水循環解析モデルやそれを用いた解析結果の施策への活用について具体例を挙げて講義する。 |
すべての授業科目において,授業改善アンケートを実施していますので,回答に協力してください。 回答に対しては教員からコメントを入力しており,今後の改善につなげていきます。 |