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年度 2020年度 開講部局 教育学部
講義コード CC246106 科目区分 専門教育科目
授業科目名 法比較研究
授業科目名
(フリガナ)
ホウヒカクケンキュウ
英文授業科目名 Comparative Study of Law
担当教員名 畑 浩人
担当教員名
(フリガナ)
ハタ ヒロト
開講キャンパス 東広島 開設期 3年次生   後期   3ターム
曜日・時限・講義室 (3T) 金5-8:教A407
授業の方法 講義 授業の方法
【詳細情報】
英書講読、質疑応答・討論、学生の翻訳レポート。 
単位 2 週時間   使用言語 J : 日本語
学習の段階 3 : 中級レベル
学問分野(分野) 24 : 社会科学
学問分野(分科) 01 : 法学
対象学生 3年生以上の視野を広げようとする学生
授業のキーワード 少年非行、逸脱、少年裁判所、社会内処遇、施設内矯正、更生保護、犯罪予防、保護観察、国家体制 
教職専門科目   教科専門科目  
プログラムの中での
この授業科目の位置づけ
 これまでの授業で培った知識量、理解力、語学力、それら基礎力の応用を試す機会を提供する。もちろん、海外のテキストを読むので、学修する内容は海外の先進的なテキストの編集形式も含めて、新しく有益な知識をたくさん獲得できることになろう。 
到達度評価
の評価項目
中等教育科学(社会・地理歴史・公民)プログラム
(知識・理解)
・中等社会系公民領域の教育内容に関する基本的な知識が身に付いている
(能力・技能)
・社会系内容領域の資料・データを収集・読解し,分析・批評できる 
授業の目標・概要等  公民科教育の内容と資質を向上させるため、主にアメリカ合衆国の少年司法システムについて大学レベルの英文テキストを購読し、米国の司法過程を精確に認識したうえで、それを日本の制度とも「比較」しながら、双方の司法制度とその運営過程を公正に比較し評価できる客観的視点の獲得と、法現象を分析できる能力の修得をめざす。
 また、最近、英語能力が学生諸君の勉学状況を評価する客観的で共通の指標として学内外から重視されているようなので、アメリカの大学生向けの平易な英文を一定の速度で読解し、一定の分量を読破してみることは語学力向上の特訓としても有効だろう。 
授業計画 Lesson 1: Introduction; Selection of the text or article we will read. 講読文献の説明と選択
Lesson 2: Preface of the text, Bibliography. 序文と参考文献
Lesson 3: Understanding and Criticizing some Statistics of the White Paper on Crime. 警察・犯罪白書の統計に対する十全な理解
Lesson 4: Chapter 1 An Overview of Juvenile Justice in the United States p.1 (in 8th edtion, 2015) 合衆国の少年司法概観
Lesson 5: Chapter 2 The History of Juvenile Justice and Origins of the Juvenile Court p.30 少年司法の歴史と非行少年裁判所の起源
Lesson 6: Chapter 3 Theories of Delinquency and Intervention Programs p.64 非行理論と介入計画集
lesson 7: Chapter 4 The Legal Rights of Juveniles p.99 非行少年の権利
Lesson 8: Chapter 5 Juveniles and the Police p.134 非行少年と警察
Lesson 9: Chapter 6 Intake and Preadjudicatory Processing p.166 事件送致と審判準備過程
Lesson10: Chapter 7 Prosecutorial Decision Making in Juvenile Justice p.190 少年司法における訴追決定
Lesson11: Chapter 8 Classification and Preliminary Treatment: Waivers and Other Alternatives p.213 分類と準備処遇:試験観察その他の措置
Lesson12: Chapter 9 The Adjudicatory Process: Dispositional Alternatives p.248 審判手続:処遇の模索
Lesson13: Chapter 10 Nominal Sanctions: Warnings, Diversion, and Alternative Dispute Resolution p.282 名目的な制裁:訓戒、不罰措置、裁判外紛争解決。
Lesson14: Chapter 11 Juvenile Probation and Community-Based Corrections p.305 少年対象保護観察と社会内処遇
Lesson15: Chapter 12 Juvenile Corrections: Custodial Sanctions and Aftercare p.335 少年矯正:拘禁制裁と出所後の処遇

 毎回の文献読解や質疑応答を通じて予修・復修や理解度を評価していくので、期末試験はないが、残った分はレポートで補充してもらう予定。
※「予修」「復修」とは高等教育レベルの打って出る攻勢的な予習・復習のことで、担当教員の造語です。

 毎回のテーマから受講者の関心の高い分野を取り上げて、一緒にテキストの原文を読解し、教員が解説を加えたうえで、日米の司法制度や少年司法システムについて質疑応答・討論する。
 これまでの経験では毎回数ページずつ進みます。常に日本の制度と比較するために討論を挟みます。だいたい1章のみの読破で終わりがちですが、できれば2章くらいを読み進めたい。
 ちなみに、英語(=語学)の読解は慣れているかどうかだけが勝負の分かれ目なので、上記の通り、普段から勉強しているかどうかを簡単に計る共通の指標としてけっこう重要なのですが、なぜか例年、受講者は若干名です。
 参考までに「比較政治研究」として開講した当時の人数を列挙すると、初年度の17年前は“The Drama of Democracy”という同種テキスト旧版の連邦主義と人権の辺り(2名)、2003年度はFiorina共著の第6章「個人参加」(3名)、04年度は確か受講者がなく、05年度は第3章「連邦主義:国、州、自治体間の権限分割」(院生と法学部生の2名)、06年度は第2章「立憲民主体制の確立(合衆国憲法制定前後)」を受講生2名と読破し、07年度は第20章「対外政策・国防」(1名)、08年度は第4章「アメリカの政治文化」(2名)、09年度は第11章「議会選挙」(2名)、2010年度は第5章「世論」(2名)、11年度は第16章「市民的自由」(2名)をほぼ読み終えてきました。2012年度と13年度はテキストを法学系に変えたせいか久しぶりに受講者が居ませんでした。2014年度はシカゴ社会学の古典の一つ『不適応少女』(1923)の第4章「少女たちの堕落化」(1名)を読みました。2015,16,17年度と開店休業。2018年度は1名来て第4章「非行少年の人権」を読みかけたが3回目で頓挫。2019年度は単位度外視の猛者を含めて3名参加で、現代思想の碩学デリダの死刑論講義から未邦訳の部分を読破しました。 
教科書・参考書等 講義形式:英書講読・テキストのプリント配布・ディスカッション歓迎。
テキスト:Dean John Champion  “The Juvenile Justice System : Delinquency, Processing, and the Law (5TH)”, Prentice Hall, 2006/04.
 (紀伊國屋書店サイトhttp://bookweb.kinokuniya.co.jp/htmy/0132193744.html)
 参考までに当初は、Morris P. Fiorina, Paul E. Peterson, Stephen D. Voss & William G. Mayer, “The New American Democracy, 5th Edition” (Paperback:紙装版), Longman Pub Group, 2006/12.
 (紀伊国屋書店サイトhttp://bookweb.kinokuniya.co.jp/htmy/0321416147.html)
というテキストでした。
→ 業績投票で有権者の合理性を発見した政治科学者Fiorina教授らが執筆の豪華な大学生向け教科書です。第5版をコース共通図書で購入。また小職所有の旧版に添付されていたCDでは彼らの肉声によるミニ講義も少し聴けますよ(音声の他にも関連ニュース画像の一部をBb9にUp)。
 昨年度は、Jacques Derrida, "The Death Penalty Volume 2", the Uni. of Chicago Press, 2017(未邦訳)の第3講 Januarry 10, 2001, pp.56-82を読みました。
 ちなみに2011年度に至ってようやく、アメリカの大学では学部レベルにおいて政治学と憲法学とが融合して教授される場合がある点に気づきましたので、元の政治系テキストに戻るというのも憲法学修としては有意義かもしれません。 
授業で使用する
メディア・機器等
英文テキストは複写して配布,Bb9上に掲載する資料・画像教材 
予習・復習への
アドバイス
第1回 講読するテーマ(テキストの章)を選択
第2回から14回まで テキストの解読。単語調べは必須。調べてきても訳語の選択を誤っていることがほとんどです。専門用語に限らず、平素な英文を正確に読めていないことが多い。テキスト記述の背景となっている社会認識が薄弱だからだと感じます。
第15回 まとめ。合衆国の制度は日本のそれと比較可能かどうか、もし、可能であれば、どのように比較評価するかを討論するので、関連する新書本くらいは何冊か読んで準備されたい。とくに日本の制度について知らない場合もこちらにもけっこうあるので、これはもう双方が調べておく他はない。 
履修上の注意
受講条件等
 教科に関する科目
 知的好奇心の旺盛な方が履修してくれると嬉しいです。
 不明な語句はその場で即座に教えます。とにかく英語の文書に親しむことです。それと、教室内に飲食物の持ち込みは固くお断りします(第1種衛生管理者。阪神バスの出発前アナウンス風に響く)。 
成績評価の基準等  毎回数頁ずつ口頭で英文和訳をしてもらうので、その予習の度合いで主に評価(10点×10回以上)。また、自己の選択した分野について日米比較を行い、レポートをBb9の掲示板に投稿してもらうことで、最大20点を追加する(10点*2回)。
 毎回きちんと予習して来られない場合には、最後に読み残した部分の全訳や不明な論点の調査レポート(A4版1枚程度の簡単なもの)を課したりして調整しています。 
実務経験  
実務経験の概要と
それに基づく授業内容
 
メッセージ  ちょうど30年前にNY留学直後の若手教員や関口存男ドイツ語講座からの示唆を受けて、原文の語順を維持しながら同時通訳的な数語ずつの逐語訳を試みると、英米系の思考訓練にもなって興味深いです。
 大学設置基準第21条2項によれば「1単位の授業科目を45時間の学修を必要とする内容をもって構成することを標準」とすることになっているので、この授業で2単位を取得するには、授業の30時間とは別に60時間の「学修」を各自でしてください。この授業ではレポートの作成がそれに該当するでしょう。なお、広島大学通則第19条の3にも上記と同趣旨の条項が入っています。 
その他 関連URL1:警察白書https://www.npa.go.jp/publications/whitepaper/index_keisatsu.html
    2:犯罪被害者白書 https://www.npa.go.jp/hanzaihigai/kohyo/whitepaper/whitepaper.html
    3:犯罪白書 http://www.moj.go.jp/housouken/houso_hakusho2.html
    4:司法統計年報(→少年事件編)https://www.courts.go.jp/app/sihotokei_jp/search
    5:子供・若者白書(旧青少年、内閣府) https://www8.cao.go.jp/youth/suisin/hakusho.html 
すべての授業科目において,授業改善アンケートを実施していますので,回答に協力してください。
回答に対しては教員からコメントを入力しており,今後の改善につなげていきます。 
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