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年度 2020年度 開講部局 教育学部
講義コード CC220804 科目区分 専門教育科目
授業科目名 代数学概論演習
授業科目名
(フリガナ)
ダイスウガクガイロンエンシュウ
英文授業科目名 Practice in Introduction to Geometry
担当教員名 北臺 如法
担当教員名
(フリガナ)
キタダイ ユキノリ
開講キャンパス 東広島 開設期 2年次生   後期   4ターム
曜日・時限・講義室 (4T) 木1-4:教L104
授業の方法 演習 授業の方法
【詳細情報】
講義中心、演習、板書多用 
単位 2.0 週時間   使用言語 J : 日本語
学習の段階 2 : 初級レベル
学問分野(分野) 25 : 理工学
学問分野(分科) 01 : 数学・統計学
対象学生 教育学部学生
授業のキーワード 代数,代数学,代数系,(2項)演算,半群,モノイド,群,対称性,準同型,同型,位数,準同型定理 
教職専門科目   教科専門科目  
プログラムの中での
この授業科目の位置づけ
専門基礎科目 
到達度評価
の評価項目
中等教育科学(数学)プログラム
(知識・理解)
・数学教育の教科内容に関する基本的な知識を理解する。
(能力・技能)
・数学教育の代数,幾何,解析,統計,コンピュータなどの教科内容に関する数学的な思考力を身に付け,活用することができる。 
授業の目標・概要等 ・中等教育数学科の代数内容を把握する
・中等教育数学科までの演算を再考する
・群論の初歩を理解する
・群の構造を調べたり群と群とを比較する方法を知る
・身の回りにあふれる図形や操作の対称性をモノイドや群などの代数系の言葉で捉える視点を養う
・演算という視点で数や操作を見る視点を養う 
授業計画 第1回: 日常にあふれる対称性を見つけよう,対称性と群
第2回: 演算,2項演算,マグマ,半群,モノイド,群の定義
第3回: 群の例を探そう,一般線形群,4元群,2面体群,多面体群,モノイドの単元群,対称群
第4回: 群の位数,乗積表
第5回: 部分群,部分集合が生成する部分群,生成元,巡回群,元の位数
第6回: 整数全体のなす加法群Zと巡回群,準同型,核,像
第7回: 準同型の核と正規部分群
第8回: 整数の合同式,同値関係・同値類・商集合
第9回: 部分群による左右の剰余類・剰余集合・剰余類分解
第10回: 指数,ラグランジュの定理
第11回: 演算が「うまく定義できる」ということ,正規部分群と剰余群
第12回: 整数の剰余群と積,乗法群,既約剰余類
第13回: フェルマーの小定理,オイラーの定理
第14回: 準同型定理
第15回: 第2,第3同型定理,日常にあふれる対称性を持つ現象,例えばトランプの秘密を群論で解明しよう

第16回: 期末試験
不定期にレポートを課す.また可能な限り演習問題を配り,小テストを行う. 
教科書・参考書等 教科書は指定しない.
参考書としては例えば次を参照せよ.
・代数入門 -- 群と加群 (数学シリーズ), 堀田良之, 裳華房, 1987年.
・代数系入門, 松坂和夫, 岩波書店, 1976年.
・代数学1 群論入門 (代数学シリーズ), 雪江明彦, 日本評論社, 2010年.
・群論, これはおもしろい -- トランプで学ぶ群 -- (数学のかんどころ 16), 飯高茂, 共立出版, 2013年.
群論の教科書は非常に多い.各自図書館で借りるなり購入するなりして参考にせよ. 
授業で使用する
メディア・機器等
配付資料,映像(ビデオ/PC/その他画像資料),必携パソコン 
予習・復習への
アドバイス
復習の際は必ず手と頭を動かすことと,例を作ることを実践しよう.抽象的な数学でありながら,ここで扱う代数学は,具体的な対象で実験できる面白さがある.学習した概念の定義や定理をみたす例,みたさない例はどんなものがあるか,どんどん自分で実験をしてみることで理解が大変深まる.また,質問をすることが大切である.

第1-7回: まずは演算や群の定義に始まり様々な概念が定義される.最初は,本格的な抽象代数はとにかく定義が多いものだと面食らうかも知れない.しかし,一つ一つ例を作ったり見つけてきたり調べたり,実験したりすることによって,各概念を理解していくことが大切である.定義を「覚える」などという姿勢ではなく,何度も触れて遊んでいるうちに,定義などは結果的に頭に入ったという状態,つまり単なる暗記とは異なる,定義と概念のもつ性質やその手触り感がじっとりと結びつき「理解した」という状態を目指そう.
群の例では,演算が何も「数概念」だけのものではなく,「図形」や「操作」などといったものにも考えられ得るということを理解しよう.対称群は群の例としても非常に大切である.その元の操作も慣れておこう.
第8-9回: 整数の合同式から,部分群による左右の剰余類・剰余集合・剰余類分解を考える.これが中盤の山場である.これから先に進むには同値関係によって集合を割る,商集合の考え方の理解が必須となる.
第10回: 剰余類別から見事にラグランジュの定理という群と部分群の位数の美しい関係が明らかになることを味わい,いくつもの具体例を計算して実験すること.
第11回: 中盤の山場のもう一つの峰、剰余群を理解すること.上の剰余集合が単に集合であるだけでなく,再び元の群の演算を引き継いで自然に群となる場合である.部分群が正規であるときに演算が「うまく定義できる」(well-defined) ことを理解し,実際に剰余群が考えられ,どんな群になるのか,いくつもの例とともに理解すること.
第12-13回: 代数学概論で学んだ整数のモジュロの計算の例である.積に関して逆元を持つ既約剰余類が何か,法との関係は何かを正確に理解しておくこと.そこから,群論的にはフェルマーの小定理とオイラーの定理は,一発で証明される.群論という理論として整理されていたその威力がわかるだろう.
第14-15回: 群準同型があるとその核は正規部分群であった.準同型定理は定義域を核で割ると,準同型から決まる写像で像と同型となるというものである.大変有用で群が現れる数学では常に使うことになる.これも定理の証明のみならず豊富な例とともに理解すること. 
履修上の注意
受講条件等
この授業は代数学概論とは打って変わって本格的な抽象代数学の群論を扱う.したがって,まず,集合と写像に関する基礎知識を身につけていることは仮定するので,不十分だと思う学生は各自で開講前に準備してから臨むこと.さらに,毎回出会う概念・数学的現象・定理の理解に真剣に取り組むこと.復習を怠ったままでは授業の回が進むごとに理解が困難になる.特に商集合・剰余類・剰余群あたりは数理系コースの学生でも油断は禁物である.数理系コース以外の学生は抽象的な数学の概念を触ったり頭に乗せたりする訓練が不足している可能性があるので,本当にこの授業に真剣に取り組めるか,よく考えて受講すること.真剣に取り組む学生は数理系コース以外も歓迎する. 
成績評価の基準等 期末試験を70%,小テストを15%,レポートを含む演習状況を15%として成績を判定する. 
実務経験  
実務経験の概要と
それに基づく授業内容
 
メッセージ 方程式の解について,図形の対称性について,数の演算という視点といった多岐にわたる領域に共通に現れる群という概念と友達になろう.特に具体的に手と頭を動かす演習を通して,対称性のある現象や操作を自らが発見したり鑑賞したり,それを群の言葉で表現することや,構造を調べる面白さを味わおう. 
その他   
すべての授業科目において,授業改善アンケートを実施していますので,回答に協力してください。
回答に対しては教員からコメントを入力しており,今後の改善につなげていきます。 
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