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年度 2017年度 開講部局 生物生産学部
講義コード L1007004 科目区分 専門教育科目
授業科目名 食料生産管理学
授業科目名
(フリガナ)
ショクリョウセイサンカンリガク
英文授業科目名 Food Production Management
担当教員名 山尾 政博
担当教員名
(フリガナ)
ヤマオ マサヒロ
開講キャンパス 東広島 開設期 2年次生   後期   3ターム
曜日・時限・講義室 (3T) 金1-4:生C316
授業の方法 講義 授業の方法
【詳細情報】
講義中心(一部ディスカッションを含む) 
単位 2 週時間   使用言語 J : 日本語
学習の段階 3 : 中級レベル
学問分野(分野) 24 : 社会科学
学問分野(分科) 24 : 経済学
対象学生 生物圏環境学コース(必修),水産生物科学コース(選必)
授業のキーワード 食料資源、食料政策,農業政策,水産政策,生産構造,担い手、集落営農、地域資源、多面的機能、グロバリぜーション、貿易自由化 
教職専門科目   教科専門科目  
プログラムの中での
この授業科目の位置づけ
この授業科目では,日本の食料生産をめぐる政策的課題は何かを考え,その前提になる地域農業・水産業の動きについて説明する。日本経済が変貌をとげるなか、農業・水産業の構造改革の必要性が議論されているが、食料生産がどうあるべきか、担い手をどう確保するか、条件不利地域の農水産業をどう活性化するか、などの枠組について考える。受講生には,この授業の内容を踏まえて,食料生産・流通・消費をめぐる諸問題を広くとらえていくことを期待する。 
到達度評価
の評価項目
生物圏環境学プログラム
(知識・理解)
・生物圏における生命の営みとその人間による利用を、生命現象と物質循環を通して総体的に理解できる。
・人間の食料生産の営みとその社会システムについて理解できる。

水産生物科学プログラム
(知識・理解)
・水産資源の管理,増殖,利用,および水産業の経済動向について理解する。

動物生産科学プログラム
(知識・理解)
・専門分野に関わる課題を解決するために必要な、学際的・総合的に考える能力や、広い視野から俯瞰し行動する能力
・専門分野を学ぶために必要な基礎的知識・理解
・フィールドにおける動物生産機構並びに動物と人間社会?自然環境との関係についての知識・理解
(総合的な力)
・動物生産に関連する具体的諸事象について,自らの対象を設定し,それについての自分の考えをまとめ,文章や口頭で論理的に発表し,応答することができる。 
授業の目標・概要等 講義の目標は,地域農漁業資源の開発,利用,管理をめぐる諸問題への理解を深め,今後の食料生産のあり方を考えることである。また,地域食料資源は有効に利用されているのか,どのようにすれば持続的に利用できるのかを,農業と漁業を題材に考える。 
授業計画 第1回 フードポリティックス時代の食料生産管理
○食料環境経済学において、食料生産管理学がどのような位置を占めているのかを述べ,講義の目標と構成について解説する。キーワード:フードポリティックス、生物多様性、食料政策、農業政策、更新的資源、環境政策、フードシステム
第2回 日本農業の担い手とその変化:農業就業者、農家、農業経営
○農業生産を担ってきた農家の社会経済的性格を明らかに、今日、それがどのように変容を遂げているのかを明らかにする。キーワード:農業経営体、農家、三位一体、小農
第3回 強い農業経営体をどう育成するか 
○日本の農家の歴史的性格を踏まえ、今後、生産性の高い農業経営体をどのように育成すればよいかを考える。農業構造改革論争を紹介し、日本農業の方向性をめぐる論点を整理する。
キーワード:自作農主義、構造改革、新規参入
○大型農家の育成とともに、集落営農に対する期待が高まっている。広島県における集落営農の事例を紹介し、可能性を考える。キーワード:集落営農、共同所有、共同利用
第4回 日本の農業問題とは何か?
○時代によって変わる農業問題の本質をとらえつつ、農業生産過程を構成する2過程について解説する。
キーワード:農業と土地,規模の零細性,M過程,BC過程
第5回 構造改革と規模の経済性、農業政策の目的
○日本の農業が衰退していく状況をマクロ的にとらえ、構造改革が抱える課題を説明する。
○農業政策の力点の移り変わりを解説する。
キーワード:生産者の視点、消費者の視点
第6回 グロバリぜーションと農政改革 (1)
○「選択的拡大」を掲げた基本農政から総合農政への流れ、高度経済成長後の地域農政の登場とその背景について解説する。
○地域農業振興に対する関心の高まりと地域主義的な農業政策が支持される背景について考える。
キーワード:選択的拡大、自立農家、基本法農政、地域農政
第7回 グローバリゼーションと農政改革 (2)
GATTのウルグアイ・ラウンドの農業交渉、WTO農業協定の成立について解説し、グロバリゼーションのなかで日本農業の進路とどのような農業改革を実施しようとしたかを説明する。
キーワード:WTO農業協定、農政改革、新基本法
第8回 新基本法の理念とその具体化
○食料の安定供給の確保、多面的機能の発揮、持続的発展、農村の振興を柱とした政策課題が、どのように具体化されてきたのかを概説し、成果と限界を考える。
キーワード:認定農業者、集落営農委、直接支払、所得補償
第9回 条件不利地域農業と中山間地域等直接支払制度 
○日本が実施している農政改革について、中山間地域等直接支払制度に焦点をあてて解説する。
キーワード:直接支払、条件不利地域、耕作放棄
第10回 広島県にみる条件不利地域対策とその成果
○直接支払制度の効果について広島県を事例に検証し、地域農村社会を維持する課題を考える
キーワード:集落協定,集落営農第、多面的機能
○直接所得補償の拡大とその再生編について説明する。
キーワード:農業者個別所得補償制度、農地・水・環境保全向上対策
第11回 食料生産がもつ多面的機能
○食料(農業)生産の経済外的機能とは何かを明らかにし、農業の多面的機能を維持することの社会的意義を論じる。キーワード:経済外的効果,環境循環
第12回 地域食料資源の利用と管理
○持続的な食料生産を可能にする利用と管理のあり方、伝統や慣習などについて検討し,構造改革とどう適合させるかを考える。
キーワード:地域資源,コモンズ、協同管理
第13回 日本水産業の構造と漁業権制度
○独特の管理制度を有する日本の漁業を題材に、資源の持続的利用のためにどのような地域組織を培ってきたかを検証する。キーワード:無主物,漁業権,漁協
第14回 TAC制度の発展と漁業構造改革
○従来型の資源管理システムに加え、TAC(total allowable catch)などの資源管理方式が導入されている。経済的視点から議論されている資源管理論を紹介し、日本水産業の構造改革とあわせて紹介する。
キーワード:参加型資源管理、MSY、TAC、ITQ
第15回 食料生産の構造改革と地域社会
農業・水産業の構造改革の進展に対して地域社会がどのように関わっていくかについて考える。
キーワード:構造改革、フードシステム、地域社会、消費者主権





期末試験の他に,小テストを1回実施する予定。講義の進捗状況に応じて日程を変える可能性があるが、12月中下旬に実施予定。

講義形式で進め、必要に応じて論点を示して討論する。 
教科書・参考書等 ;講義のレジュメは配布する。サブテキストとして、『世界と日本の食料・農業農村に関するファクトブック 2015』を使用する。
参考文献:「食料・農業・農村白書」,「水産白書」,小田切徳美「農山村は消滅しない」、時子山ひろみ・荏開津典生「フードシステムの経済学」,橋本他「食と農の経済学」,等。各講義の内容に対応した文献や資料は別途紹介する。 
授業で使用する
メディア・機器等
配付資料,プロジェクター 
予習・復習への
アドバイス
第1回 講義全体にかかわる参考文献を紹介するが、興味のある分野でよいので参考にしていただきたい。
第2回 食料・農業・農村白書の最新版を農林水産省のHPにて確認する。
第3回 選択と集中にもとづく強い農業経営体とはどのようなものか検討する。
第4回 日本の農業・農業経営の特徴はなにかを身近な題材をもとに考えてみる。
第5回 農林水産省のHP等にアクセスし、食料自給率の推移,食料産業の成り立ちを調べる。
第6回 経済のグローバル化の流れを理解しておく。
第7回 TPPなどの貿易自由化の流れと農業との関係を調べる。
第8回 最近の農業政策の動きをや変遷を理解するために、紹介した文献を読んでみる。
第9回 農林水産省および農業関係諸団体のHPにアクセスして,中山間地域等直接支払制度の内容について調べる。
第10回 広島県のHPにある県内条件不利地域対策の成果と課題を参照する。
第11回 紹介した文献を用いて多面的機能の内容を検討する。
第12回 コモンズ論を理解するために、平易な教科書を読んでおく。
第13回 農林水産省のHPにて水産白書を確認する。
第14回 日本の漁業管理制度及び組織について、紹介した文献を読んでみる。
第15回 政策がめざしてきた食料生産の構造改革が地域社会にどのような影響を及ぼしたか検討してみる。

 
履修上の注意
受講条件等
 
成績評価の基準等 試験により評価する。3分の1以上の講義を無断欠席したものは成績評価の対象外とする。「知識・理解」は主に小テストで評価し,「知的能力・技能」および「総合的能力・技能」は主に期末試験と小レポートで評価する。 
メッセージ 講義内容には,農業経済学・食料経済学・資源経済学の他に,人類学,環境社会学,法制度論,開発経済学など,多分野にわたる成果が含まれています。今や資源環境の利用と管理という領域を勉強するには学際的,総合的な知識が必要とされます。これを機会に関連領域への関心を高めてください。 
その他 http://home.hiroshima-u.ac.jp/~yamao/
http://www.maff.go.jp/www/hakusyo/hakusyo.html
http://www.maff.go.jp/syokuryo.html
http://www.pref.hiroshima.jp/industrial_economy/nousui/index.html 
すべての授業科目において,授業改善アンケートを実施していますので,回答に協力してください。
回答に対しては教員からコメントを入力しており,今後の改善につなげていきます。 
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